建築基準法における木造住宅の壁量について
建築基準法における木造住宅の壁量について
以前の壁量基準・柱の小径の基準では、「軽い屋根」「重い屋根」の区分に応じて必要壁量・柱の小径を算定していていましたが、近年、木造住宅の仕様は多様化しており、この区分では適切に必要壁量や必要な柱の小径が算定できないおそれが出てきました。
特に、より高い省エネ性能のニーズが高まる中、断熱性能の向上や階高の引き上げ、トリプルガラスサッシ、太陽光発電設備等が設置される場合には、従来に比べて重量が大きく、地震等に対する影響に配慮が必要となりました。
このため、木造建築物の仕様の実況に応じて必要壁量・柱の小径を算定できるよう壁量基準等の見直しがされました。(建築基準法施行令等を改正し、令和7年4月に施行)
以前は、瓦屋根は「重い屋根」に分類されており、重い屋根=地震に弱いと思われがちでしたが、屋根だけでなく仕様の多様化も考慮した壁量の基準となりました。
重量を心配している方へ
瓦屋根とスレート屋根や金属屋根の木造住宅「構造差はわずか」です。
地震に負けない頑丈な家の条件は、十分な壁耐力がある家です。
1. 地震に負けない壁耐力の長さは、床面積×必要な長さ÷壁倍率で算出します。
2. 壁の仕様ごとに壁倍率(壁の強さ)が定められています。
壁倍率の高い壁を使うと間取りの自由度が高まります。


3. 屋根材と外壁材の種類で必要な壁耐力の長さが定められています。(単位cm/㎡)
※令和7年4月施行建築基準法より、外壁材は全てサイディング仕様とする。


総2階 1F・2F床面積 各15坪(49.5㎡)で比べてみましょう
瓦屋根 | スレート屋根 | 金属屋根 | |
必要な耐久壁の長さ | 1階 49.5㎡×44cm/㎡=2178cm 2階 49.5㎡×26cm/㎡=1287cm | 1階 49.5㎡×41cm/㎡=2029.5cm 2階 49.5㎡×22cm/㎡=1089cm | 1階 49.5㎡×37cm/㎡=1831.5cm 2階 49.5㎡×18cm/㎡=891cm |
2.5倍(構造用合板)の壁枚数 | 1階 2178cm÷(2.5×91cm) ≒10枚 2階 1287cm÷(2.5×91cm) ≒ 6枚 | 1階 2029.5cm÷(2.5×91cm) ≒9枚 2階 1089cm÷(2.5×91cm) ≒5枚 |
1階 1831.5cm÷(2.5×91cm) ≒9枚 2階 891cm÷(2.5×91cm) ≒4枚 |
必要な壁枚数 | 16枚 | 14枚 | 13枚 |
※1F・2F床面積の面積比や階高、太陽光の有無、地盤等により必要壁量は異なります。
※建物の形状により風圧力の必要壁量上回る場合もあります。


上記の通り、在来軸組工法住宅における瓦屋根とスレート屋根や金属屋根の「構造差はわずか」です。
また、示した必要壁量及び必要壁量差は地震力のみを考慮した数値となり、風圧力を考慮し算出するとさらにその差は縮まる場合もあります。
不燃材料認定について
当社製品の不燃材料認定ですが、当社製品は全て粘土瓦であり建築基準法第2条第9項に基づき、建設省告示第1400号 平成12年5月30日(最終改正 国土交通省告示第599号(令和4年5月31日))にて不燃材料として定義されています。
建築確認申請の不燃材料国土交通大臣認定番号は、"建設省告示第1400号(最終改正 国土交通省告示第599号)にて認定"とご記載下さい。
参考)不燃材料認定試験では、試験体を720度にて20分間保持し、試験体に亀裂の発生や有害ガスが発生しないか確認し、不燃材料かどうかの判定をしています。粘土瓦以外のセメント瓦や化粧スレートが不燃材料の認定を製品毎に取得しているのは、表面に塗装した塗料が燃焼し、有害ガスが発生する可能性や試験体に亀裂が発生する可能性があるからです。当社製品は粘土を基材とし、その表面をゆう薬という着色層で覆った製品となります。ゆう薬とはガラス状の層であり、焼成によって形成されるためゆう薬自体も不燃材料となります。
建設省告示第1400号
最終改正 国土交通省告示第599号(令和4年5月31日)
- 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9項の規定に基づき、不燃材料を次のように定める。
- 不燃材料
- コンクリート、れんが、瓦、陶磁器質タイル、繊維強化セメント板、厚さが三ミリ メートル以上のガラス繊維混入セメント板、厚さが五ミリメートル以上の繊維混入 ケイ酸カルシウム板、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス、モルタル、しっくい、厚さが十ミリメートル以上の壁土、 石、厚さが十二ミリメートル以上のせっこうボード、ロックウール、グラスウール板
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