2022/03/10 住宅関連情報

住宅関連情報 2022年(令和4年)3月号

1. 1月新設住宅着工戸数は前年比+2.1%=国土交通省


国土交通省が2月28日発表した1月の新設住宅着工戸数は、前年比2.1%増の5万9,690戸となり、11カ月連続増となった。季節調整済み年率換算は82万0,000戸だった。ロイターの事前調査では、住宅着工戸数の予測中央値は前年比1.7%増だったが、これを上回った。
持家は前年比5.6%減で2カ月連続の減少、貸家は同16.6%増で11カ月連続の増加、分譲住宅は同4.9%減で、4カ月ぶりの減少となった。


2022年(令和4年)1月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 59,690戸 2.1%
持家 18,130戸 △ 5.6%
分譲住宅 18,154戸 △ 4.9%
貸家 23,083戸 16.6%

2. 大和ハウス純利益8%増 4~12月、米で戸建て伸びる

大和ハウス工業が2月10日発表した2021年4~12月期連結決算は、純利益が前年同期比8%増の1,674億円だった。住宅着工が堅調な米国での戸建て販売が伸びたほか、国内でもテレワーク向けの住まい提案が奏功し、請負単価を引き上げた。電子商取引(EC)需要を受けて国内で物流施設の開発や売却も進んだ。
売上高は5%増の3兆1,471億円だった。事業別では戸建て住宅が11%増えた。米国で戸建て事業を展開するキャッスルロック(テキサス州)を買収し、オーストラリアでの宅地分譲も堅調に推移するなど海外事業がけん引した。主要幹線道路沿いに物流施設を求める引き合いは強く、事業施設も11%増えた。
一方、商業施設は新型コロナウイルス禍の影響を受けてテナント出店が減少し、運営するホテルの客室稼働率も50%台にとどまった結果、4%減となった。
2022年3月期通期の業績予想は売上高が前期比4%増の4兆3,000億円、純利益が10%増の2,150億円とする従来予想を変えなかった。

3.大和ハウス、 戸建て全現場にウェブカメラ 業務効率化

大和ハウス工業は2月17日、戸建て住宅のすべての工事現場にウェブカメラの設置を始めたと発表した。現場監督が現地に行かなくてもカメラを通じて工程の進捗を確認したり、安全指示を出したりできるため、業務の効率化につながる。
年間約7,000棟の現場に、規模に応じてカメラを1~2つずつ設置する。現場監督は複数の現場を兼務していることが多く、車などで巡回する移動が負担になっていた。本社や支社などにある遠隔管理拠点を通じ、カメラを活用して作業員とコミュニケーションをとりながら工程確認などができるようにした。住宅メーカーが戸建ての工事現場すべてにカメラを導入するのは珍しいという。
2020年10月~2021年12月にかけて現場でカメラ設置の実証実験をしたところ、移動時間の削減などで現場監督の作業効率が約15%高まり、長時間労働の抑制にもつながった。今後はカメラから得られる映像を人工知能(AI)で解析するシステムなども順次、導入していくことで建設DX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進める。2026年度までに現場監督の作業効率を2019年度比で30%向上することを目指す。

4.住友林業が最高益871億円 2021年12月期、米で住宅好調

住友林業が2月14日発表した2021年12月期の連結決算は、純利益が過去最高の871億円だった。決算期変更の影響で直接比較はできないが、実質ベースで2倍以上となった。米国で住宅や不動産需要が旺盛で、販売戸数や売却益が増えた。
前の期は12月期に決算期を変更し、9カ月決算だった。2021年12月期の売上高は1兆3,859億円と実質ベースで約2割増えた。
海外の住宅・不動産事業は、歴史的な低金利などを背景に米国の住宅販売戸数が増加。集合住宅や商業施設など開発物件の引き渡し件数も増えた。国内住宅・建築事業は木材価格が高騰したウッドショックの影響もあり利益が落ち込んだが、木材建材事業は価格引き上げによって上向いた。
2022年12月期の純利益は前期比1%減の860億円の見通し。前期に退職給付会計の数理計算上の差異がプラスだった反動を見込む。
同日、2030年に向けた長期ビジョンと2024年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。
長期ビジョンでは2050年のカーボンニュートラル目標に向けた森林資源の活用を掲げ、炭素クレジット創出をめざした森林ファンドの設立や、国内で木材商品を一貫製造・供給できる木材コンビナートの創設などを掲げた。中計は最終年度で純利益1,160億円を目指し、3年間で成長投資に3,000億円を投じる。

5.ヤマダホールディングス ヒノキヤグループを完全子会社化

ヤマダホールディングス(HD)は2月10日、50%強を出資する東証1部上場の住宅メーカー、ヒノキヤグループを4月27日付で完全子会社化すると発表した。ヤマダHDが手掛ける家電や家具、住宅リフォーム商材などとの連携を強め、住宅の拡販につなげる。
株式交換により完全子会社化する。ヒノキヤ1株に対してヤマダHD6.2株を割り当てる。ヒノキヤは4月25日付で上場廃止となる予定。
ヤマダHDはヒノキヤが全国に持つ住宅展示場を統廃合するなど営業戦略を見直す。加えてヤマダHDが2021年から展開している家電やリフォーム商材をそろえた新業態店舗との共同出店も視野に入れる。
ヤマダHDは2019年12月に大塚家具、2020年5月には注文住宅を手がけるレオハウスを相次ぎ子会社化し、家電に依存しない事業の多角化を目指してきた。戸建て住宅のほか独自の冷暖房システム「Z空調」を手がけるヒノキヤも2020年10月にTOB(株式公開買い付け)を通じて子会社化した。
ヒノキヤが同日発表した2021年12月期の連結決算は、純利益が前の期比17%減の31億円だった。世界的な木材価格の高騰「ウッドショック」や原油高によるコスト上昇が収益を圧迫した。
ヤマダHDは中期経営計画において、注文住宅の年間受注戸数を現状の8,000棟規模から2025年3月期に最大2万棟規模にする目標を掲げる。「短期的な利益ではなく、完全子会社化で意思決定を早めて長期的な成長を目指す必要がある」(ヤマダHD)としている。

6. 3メガバンク、住宅ローン金利上げ

住宅ローンの固定金利が上昇している。2月適用分について、三菱UFJ銀行が10年固定型の基準金利を年3.49%、三井住友銀行は年3.5%、みずほ銀行が年2.8%にそろって引き上げる。3メガバンクの金利はいずれも2015年~2016年以来の高水準となる。長期金利の上昇を受けた措置で、高値圏での取引が続く住宅販売に影響を与える可能性もある。
2月の10年固定金利の引き上げ幅は三菱UFJと三井住友が0.1ポイント、みずほは0.05ポイントになる。住宅ローン大手の三井住友信託銀行も2月分から年2.95%から年3.0%、りそな銀行も年3.3%から年3.35%に基準金利を見直す。各行は基準金利をもとに実際に顧客に貸し出す金利を定める。もっとも条件のよい優遇金利は2月から10年固定でみずほが0.90%、三菱UFJが0.84%になる。
銀行は10年物国債の利回りなどを参考に住宅ローン金利を定めている。米国の金融引き締め観測で米長期金利が上昇し、日本も金利高の機運が出ている。ローン金利の低下を背景に住宅価格は高値圏で取引されてきたが、こうした流れに影響を与える可能性もある。
日銀が2016年にマイナス金利政策を導入したことを受けて、住宅ローン金利は低下基調が続いてきた。もっとも低い水準だった2016年当時と比べ、現行の10年固定は0.3~0.5ポイントほど高い。
固定金利は将来の金利上昇リスクを抑えられる一方、変動金利よりも金利水準が高くなる。

7.広がる移住ローン、地銀が金利優遇 テレワーク定着視野

新型コロナウイルス禍を機に定着しつつあるテレワーク需要を取り込もうと、地方銀行が相次いで移住者向けの住宅ローンを投入している。通常のローンより金利を低くしたり、改築費用にあてたりできるのが特徴だ。地方に住みながら東京の本社に所属する働き方を認める企業も出てきており、潜在的な商機は大きいとみている。
「すでに多くの人がテレワークを経験し、首都圏以外でも仕事ができるという認識が広がってきた」。2021年9月から北海道内への移住者向けに住宅ローンとリフォームローンの金利優遇を始めた北洋銀行の担当者はこう語る。テレワーク制度の対象となる企業に勤務し、転勤でなく自らの意思で移住する、といった条件を満たした人が対象だ。
「ほくよう住宅ローン」は通常ローンより適用金利を0.05%低くしている。リフォームローンは店頭基準金利(変動金利)も2.0%低くなる。12月末までに計5件成約したという。
山梨中央銀行も県内への移住や2つ目の生活拠点(セカンドハウス)を構えようとする人を対象に2つのローン商品の取り扱いを始めた。住宅の購入や増改築に利用でき、金利を通常より割安に設定している。2021年11月から手続き書類を電子化して押印などの手間やコストを減らし、移住ニーズの取り込みを目指している。
総務省が2022年1月に公表した2021年の人口移動報告によると、東京23区は比較可能な2014年以降で初めて域外から転入した人数を転出者が上回る「転出超過」となった。同じ大都市圏の大阪と福岡も転入超過が前年より縮小した。テレワークや在宅勤務が広がり、わざわざ生活費の高い大都市圏に住む必要性が薄れてきたことを反映している。
移住ニーズの取り込みで先行するのが茨城県だ。常陽銀行や筑波銀行など県内8金融機関はコロナ禍1年目の2020年12月、同県日立市と連携し、同市内に移住してテレワークする人向けに住宅ローンを優遇する枠組みをつくった。県外企業に勤めながら、市内で住宅を取得しテレワークする39歳以下の転入者が対象で店頭表示金利から一律1.6%減免する。
同市の担当者は「東京圏からの人の流れが徐々に出てきた。空き家問題の解消にもつながる取り組みで、今後も連携していきたい」と話す。大分県地盤の豊和銀行も5年以内に県外から転入し、転入後の勤務先が決まっていることなどを条件に通常の住宅ローンより金利を優遇している。
従来の移住は定年退職後のUターンや保養地へのIターンが一般的だったが、テレワークによる移住は現役世代が家族で移り住むため、地元の金融機関にとっても接点が増えるメリットは大きい。
テレワークをめぐっては、東京海上日動火災保険や損害保険ジャパンが2022年度から、地方に住みながら本社部門に所属できる遠隔勤務制を導入する。同様の制度はすでに明治安田生命保険やアフラック生命保険などで導入が進んでいる。オフィスへの出勤は月1〜2回程度といった働き方も浸透してきており、「職住接近」よりも地方での暮らしを選ぶひとが増えてきている。
地方創生を掲げる政府もテレワーク設備や移住を促す交付金を整備し、少子高齢化に悩む地方自治体も独自の優遇策をアピールしてきた。コロナ禍を奇貨として東京の一極集中に変化の兆しが出てきたが、地方移住の流れを定着させるには地域そのものの魅力向上につながる施策が求められる。そのために地方銀行が果たす役割はローン金利の優遇にとどまらない。

8.北陸電力、新築向け太陽光設置サービス開始

北陸電力は2月22日、石川県と富山県のハウスメーカーと業務提携し、新築住宅向けに太陽光発電の設備を設置するサービスを始めたと発表した。北陸電力は2021年に築年数10年以内の戸建て向けに同様のサービスを開始しており、対象を広げた。
住宅の屋根の形状や降雪量、太陽光パネル容量といった条件で、18種類のプランを用意する。提携先のハウスメーカーが設置する。
設置した個人は設置工事費用を負担したうえで、定額料金を支払って発電した電力を使える。不足する電力は北陸電力から購入する。設備は北陸電力グループが保有し、メンテナンス業務も請け負う。10年たつと無償で設備を譲り受けられる。提携先のハウスメーカーも順次増やしていくという。

→過去の住宅関連情報一覧へ



一つ前のお知らせ(決算棚卸作業に伴う出荷業務休止に関するお知らせ)へ →


TOPTOP