2022/01/14 住宅関連情報

住宅関連情報 2022年(令和4年)1月号

1. 11月の新設住宅着工、前年比3.7%増 市場予想は7.1%増


国土交通省が12月24日発表した建築着工統計調査によると、11月の新設住宅着工戸数は前年同月比3.7%増の7万3,414戸だった。増加は9カ月連続。QUICKがまとめた市場予想の中央値は7.1%増だった。
内訳をみると、持ち家は5.5%増の2万5,329戸で、13カ月連続で増加した。貸家は1.4%増の2万6,819戸で、9カ月連続で増加した。分譲は6.5%増の2万813戸と、2カ月連続で増加した。


2022年(令和4年)11月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 73,414戸 3.7%
持家 25,329戸 5.5%
分譲住宅 20,813戸 6.5%
貸家 26,819戸 1.4%

 

2.大和ハウス、脱「内需依存」 戸建て事業で日米逆転視野

国内の住宅大手が米国の戸建て事業を拡大している。大和ハウス工業は米国で住宅会社を相次ぎ買収し、同国での販売戸数が2022年にも日本を超える可能性も出てきた。住宅業界は内需に依存してきたが、日本は人口減で縮小が避けられず、米国など海外事業を伸ばすことで収益構造の改革を急いでいる。
大和ハウスは9月、米エイベックス・ホームズ(フロリダ州)の戸建て住宅事業を買収した。フロリダは東海岸最大の住宅市場だ。同社の販売戸数は年間200戸程度だが、4,700戸分の土地を確保している。大和ハウスの資金力で開発ペースを上げる計画だ。
グループ全体で2026年に米国で1万戸の販売を目指しているが、今回の買収により前倒しで達成できる公算だ。2021年の販売戸数は6,000戸に膨らみ、米国で10位台につける。日本は2022年3月期に2018年3月期比16%減の7,730戸となる見込みで、大和ハウスの芳井敬一社長は「来年にも米国の販売戸数が日本を超える可能性がある」と話す。 
原動力は積極的なM&A(合併・買収)だ。子会社のスタンレー・マーチン(バージニア州)の販売戸数は年間3,300戸と、2017年の買収時から3倍になった。大和ハウスが経営ノウハウや資金を提供し、成長につなげた。
大和ハウスは、米国の風土や文化に詳しい子会社に工法や価格帯、販売網の構築を任せている。子会社で住宅設備や資材を共同購入したり、施工技術を共同開発したりして相乗効果を引き出す考えだ。
積水ハウスも2022年1月期は米国で2,700戸程度の販売を見込む。南部や東部への進出やM&Aで2026年度に海外で販売数1万戸を目指す。
2017年に住宅会社ウッドサイドホームズ(ユタ州)を買収し、カリフォルニア州やネバダ州など4州で戸建て事業を展開する。カリフォルニア州では2020年から新築住宅に太陽光パネルの設置を義務づけている。日本で培った省エネ住宅のノウハウを生かし、環境意識の高い顧客にアピールする。
米国の木造住宅は壁で支え合う「ツーバイフォー(2×4)工法」が主流だ。今後、積水ハウスは吹き抜け空間や大きな窓を取り付ける「軸組工法」の展開も検討する。
米国は新型コロナウイルス下で住宅着工戸数が堅調に推移しており、成長市場として注目を集めている。
ただ、「米国市場の好調が何年も長続きするとは限らない」(大和証券の寺岡秀明チーフアナリスト)との指摘もある。
継続的な成長に向け、結婚や出産で住宅購入を検討する「ミレニアル世代」を取り込めるかがカギを握りそうだ。

3.積水ハウスの2~10月、純利益30%増 戸建て堅調

積水ハウスが12月9日発表した2021年2~10月期の連結決算は、純利益が前年同期比30%増の1,158億円だった。新型コロナウイルス禍で在宅時間が増加し、住まいの快適性や広さを求める需要が高まり、販売が好調だった。鋼材などのコストは上昇したが、採算のよい中高価格帯の住宅が伸び、利益を押し上げた。
売上高は4%増の1兆8,448億円、営業利益は25%増の1,682億円だった。売上高、営業利益は同期間として過去最高となった。
主力の国内の戸建て事業の売上高は8%増となった。エネルギー消費を実質ゼロにするZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)提案が奏功し、1棟当たりの単価は2021年1月期通期より53万円高い
4,191万円だった。リフォーム事業も伸びた。
都市再開発事業は、米マリオット・インターナショナルと開発した大阪市のホテルの持ち分の一部、賃貸マンション3物件を売却し増収となった。一方でコロナ禍でホテルの宿泊者数は減少し、営業減益となった。
2022年1月期通期は売上高が前期比4%増の2兆5,530億円、純利益が20%増の1,480億円とする従来予想を変えなかった。

4.飯田GHD、ロシアの木材企業600億円で買収 加工販売も

飯田グループホールディングス(GHD)は12月8日、ロシアの木材企業RFPグループの買収を発表した。投融資額は約600億円で、RFPの株式の75%を取得するほか木材の加工設備を強化する。世界的な木材不足「ウッドショック」下、自社で手掛ける住宅向けに安定供給するほか、木材の加工販売業に参入し新たな収益の柱にする。
「住宅の安定供給に貢献するだけでなく、巨大な二酸化炭素(CO2)吸収源を手に入れることになる」。同日の記者会見で飯田GHDの森和彦名誉会長は買収の意義を強調した。
RFPはロシア東部のハバロフスクを拠点とする企業。保有する森林の面積は約400万ヘクタールと九州地方とほぼ同等の広さで、飯田GHDによると国内の住宅メーカーによる森林取得では過去最大だ。年間の原木伐採量は約170万立方メートル。同社が1年間に販売する住宅の木材使用量に匹敵するという。森林が吸収するCO2は年間950万トン程度と試算している。
このほどロシア政府による認可が下りたことで買収が成立した。2022年1~2月にも本格的な経営に参加する。
木材の加工販売業にも参入し、約170億円を投じて加工設備を強化する。国内の住宅メーカーや中国、韓国などに供給。バイオマス発電に使う木質ペレットも生産する。産出する木材の3~4割程度を飯田GHDの住宅などへ供給し、その他を加工材の生産や外部への販売などにまわす。従来も木材の加工拠点はグループで所有していたが、自社の住宅向けの供給にとどまっていた。
ロシア東部は日本まで距離が比較的近く、木材を2~3日程度で入手できると見込む。欧州などから外国材を調達すると長くて半年かかる場合もある。足元の物流の混乱で運搬が滞るリスクを最小限にとどめる。
RFPの木材供給量は人口の少ないロシア東部では供給過剰となっている。一方、年間約4万6,000棟の戸建て住宅を販売する飯田GHDは需要を賄えると見込む。
買収にあたってロシア政府側から条件も提示された。1つはRFPの木材加工能力の引き上げだ。現状で加工可能な木材は年間約80万立方メートルと伐採量の5割弱にとどまるため、生産設備の強化で2026年までに残りの90万立方メートルも加工可能にする必要がある。現地の2,300人以上の従業員雇用も求められている。

5.住宅ローン減税、省エネ性能で差 認定なら借入上限維持

政府・与党は12月7日、住宅ローン減税の見直しの大枠を固めた。ローン残高の1%を所得税などから差し引く現行の控除率を0.7%に縮小する。新築の減税期間は原則10年間、特例で13年間となっているのを原則13年間とする。省エネルギーや脱炭素に貢献するような環境性能の高さに応じて税優遇に濃淡をつけ、中間層に恩恵が及びやすい制度に改める。
近くまとめる2022年度与党税制改正大綱に明記する。現行の住宅ローン減税制度は原則として
2021年末で期限を迎える。見直しで制度を4年間延長したうえで、2023年までに新築住宅に入居する場合は減税期間を13年間、中古住宅などは10年間とする。減税を受けられる所得の上限は
3,000万円から2,000万円に下げる。
新たな制度は省エネルギーなど住宅の環境性能に応じて減税対象とするローン残高の上限額を分けたのが特徴だ。
現状では減税対象の借入残高の上限は耐震性など一定の要件を満たした認定住宅なら5,000万円、そのほかの一般住宅は4,000万円になっている。
これを新築に関しては4つに分ける。2023年までの入居について認定住宅は5,000万円を維持する。新たに太陽光発電などでエネルギー消費を実質ゼロとする「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」を対象の要件にし、上限は4,500万円に設定。国が定める省エネ基準に適合する住宅は4,000万円、その他の住宅は3,000万円になる。2024年、2025年の入居は減税対象とする借入残高の上限額を認定住宅は500万円、残りの3つの分類をそれぞれ1,000万円下げる。
国土交通省によると、2019年度に着工した住宅のうち、国が定める省エネ基準に適合する住宅は戸建てで9割弱、マンションなどは7割前後を占める。政府は2022年以降に新築住宅の購入で住宅ローン減税を利用する人の多くが上限4,000万円以上の基準に該当するとみる。
控除期間を延ばすことで中間層に効果が及びやすくすることも見込む。これまで税額控除で受けられる恩恵の上限は10年間で400万円だったが、年収が600万円の層だと所得税と個人住民税の合計で300万円程度にとどまるケースが多い。減税の期間を延ばすことで税額控除の総額が増えるケースも多いとみる。
控除率を下げるのは低金利が続き税額控除の額がローンの支払利息額を上回る「逆ざや」が生じているのを是正するためだ。減税期間を延ばすことで、住宅市場の逆風にならないように配慮する。

6.ビルの省エネ改修、高さ制限など緩和へ 国交省案

国土交通省は12月7日、省エネルギー性能の高い住宅・建築物の普及を促す新たな制度案を示した。ビルなど建築物の省エネ改修を対象に高さや容積率の規制を緩和する。2025年度から原則として住宅を含むすべての新築建築物に対して省エネ基準の適合を義務づけることも明記した。
社会資本整備審議会の関係部会で素案をまとめた。2022年の通常国会に建築物省エネ法や建築基準法など関連法改正案の提出をめざす。
省エネ改修を巡っては、高さや容積率の制限に近い建築物で断熱や設備改修をすると高さ制限を超えるなどして、規制に抵触するおそれがあると指摘されていた。周辺環境への影響が小さければ、自治体の特例で認める仕組みを検討する。
太陽光パネルなど再生可能エネルギー設備の導入を促進する制度もつくる。自治体が特定区域を対象に計画を定め、建築主に対して再エネ導入効果の説明義務を課せるようにする。自治体が許可すれば高さ制限を超えて設備を設置することも可能にする。
新築の建築物は2030年度以降に省エネ基準を引き上げる。住宅ではZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)と同じ水準に厳しくする。現行の省エネ性能表示制度ではこうした基準を満たす等級がないため新たな区分を設ける。一定の評価を得れば住宅ローン金利などの優遇を受けられる。
二酸化炭素の吸収源となる木材の利用策として木造建築物の普及も後押しする。高さ制限や防火性能の規制などを緩める。部分的に木造にする構造を採用しやすくする。

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