2021/10/11 住宅関連情報

住宅関連情報 2021年(令和3年)10月号

1. 8月新設住宅着工戸数は前年比7.5%増=国交省


国土交通省が9月30日発表した8月の新設住宅着工戸数は、前年比7.5%増の7万4,303戸となった。季節調整済み年率換算は85万5,000戸だった。ロイターの事前調査では、予測中央値は前年比9.5%増だった。
持ち家は同14.5%増で10カ月連続の増加となった。貸家は同3.8%増で6カ月連続の増加。分譲住宅は同5.3%増と2カ月連続の増加となった。


2021年(令和3年)8月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 74,303戸 7.5%
持家 25,100戸 14.5%
分譲住宅 19,936戸 5.3%
貸家 28,733戸 3.8%

 

2.大和ハウス、米住宅会社を買収 448億円

大和ハウス工業は米住宅会社エイベックス・ホームズ(フロリダ州)の戸建て住宅事業を買収する。買収額は100億~200億円とみられる。国内市場が伸び悩むなか、住宅着工が旺盛な米国で地盤拡大を急ぐ。
大和ハウスの子会社スタンレー・マーチン(バージニア州)が9月下旬に取得する。エイベックスは東海岸最大の戸建て住宅市場であるフロリダ州を地盤とする。年間200戸超の住宅を販売しており、売上高は約6,200万ドル(約68億円)。
フロリダ州は1年中温暖な気候で住みやすく、州の所得税が非課税なため人気が高いエリアだ。エイベックスの1戸当たりの平均価格は土地代を含め3,000万~4,000万円。中価格帯の品ぞろえで、結婚や出産で住宅購入を検討する20代後半から40代のミレニアル世代を取り込む。
エイベックスはフロリダ州で約4,700戸分の分譲住宅地を管理しており、今後の販売戸数の伸びも期待できる。エイベックスの買収で大和ハウスの2021年の米国の戸建て販売数は6,000戸になる。2026年までに1万戸を目指しており、目標達成が数年早まる見込みだ。
大和ハウスは米国で買収を重ねており、今後は現地子会社同士で住宅設備や資材を共同購入したり、施工技術を共同開発したりすることで相乗効果を生み出す。現場での工期を短くし、人手不足にも対応する。

3.住友不動産、東電系と脱炭素で包括協定 再エネ戸建てを普及

住友不動産は9月2日、東京電力ホールディングス傘下の東京電力エナジーパートナー(EP)と脱炭素に関する包括協定を結んだと発表した。まず住友不が受注した戸建てに初期費用なしで太陽光パネルや蓄電池を設置する。居住者は発電した電力を使いつつ、二酸化炭素(CO2)を排出しない証書のようなものを東電EPに売却する。脱炭素化に欠かせない環境に優しい戸建ての普及を促す。
両社は「脱炭素リードプロジェクト協定」を結んだ。第1弾として、「すみふ×エネカリ」という太陽光発電設備を付けた戸建ての普及に向けた業界初のサービスを始める。
住友不が受注した注文住宅を対象に、東電EPは通常数百万円かかる太陽光発電設備と蓄電池などを初期費用なしで提供する。居住者は発電した再エネ電力を使いつつ、CO2を排出しない証書のような「環境価値」を東電EPに売る。東電EPは環境価値を自治体などに販売するという。
太陽光発電設備は一般的に、10年以上たつと、居住者がメンテナンスする必要がある場合が多い。新サービスは設備の修理や更新も追加費用なしで受けられるのが特徴。「資金や維持管理に不安を持つ人が多い」(住友不の担当者)課題を解決する。
住友不は2021年3月期に約2,500戸の注文住宅を引き渡した。そのうち25%程度が太陽光パネルの付いた住宅という。新たなサービスを通じ、太陽光発電設備と蓄電池を付けた戸建てを年1,200~1,300戸受注したい計画だ。
政府は2030年度の温暖化ガス排出量を2013年度比46%減らす目標を掲げ、家庭部門は66%減らす考えを打ち出している。だが太陽光発電設備を付けた住宅の普及は思うように進んでいない。住友不と東電EPは環境に優しい取り組みを戸建てで始め、中期的にオフィスビルへの導入も検討する。

4.積水ハウス純利益20%増、戸建て好調 2022年1月期

積水ハウスは9月9日、2022年1月期の連結純利益が前期比20%増の1,480億円になりそうだと発表した。従来予想を130億円上回り、過去最高を見込む。新型コロナウイルス禍で在宅時間が増えて住まいへの関心が高まっており、国内外で受注が好調だ。年間配当は前期より4円多い88円(従来予想は86円)に増やす。
売上高は前期比4%増の2兆5,530億円、営業利益は18%増の2,200億円を見込む。従来予想からそれぞれ10億円、200億円引き上げた。
国内戸建て住宅事業は受注が好調で売上高は6%増、営業利益は27%増の見通し。室内換気システムやエネルギー収支を実質ゼロにするZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)などの提案が奏功。1棟当たりの単価が上昇し、利益率が改善する。
賃貸住宅事業もZEH仕様のマンションなど受注が堅調に推移する。堀内容介副会長は決算会見で「(今秋以降も)コロナ禍で国内消費が落ち込んでいるものの、住宅への関心は依然高い」と話した。
米国は住宅需要が旺盛で戸建てや賃貸マンションの受注が想定を上回った。西海岸を中心に展開する賃貸マンションは、物件の利回りの改善で投資家の関心が高まっており、売却物件を計画より1棟増やす。
同日発表した2021年2~7月期の連結決算は、純利益が前年同期比22%増の725億円、売上高は5%増の1兆2,236億円だった。

5.オープンハウス、純利益16%増に上方修正 2021年9月期

オープンハウスは9月17日、2021年9月期の連結純利益が前期比16%増の690億円になりそうだと発表した。過去最高を見込んでいた従来予想(670億円)を上回る。国内や米国の投資用不動産事業を手がける子会社の業績が想定よりも好調だった。年間配当も前期よりも32円多い112円とし、従来から2円積み増した。
売上高は前期比40%増の8,050億円、営業利益は61%増の1,000億円を見込む。それぞれ従来予想を170億円、40億円上回る。今期の上方修正は3回目。新型コロナウイルス下での在宅勤務の普及などにより、広い戸建て住宅の需要が伸びているという。
さらに投資用不動産事業では国内で中古マンションをリフォームして販売する動きが、米国では戸建て住宅への投資が活発になった。

6.飯田GHD、年間配当16円増の90円に 2022年3月期

飯田グループホールディングスは9月21日、2022年3月期の年間配当を前期比16円増の90円に修正すると発表した。従来予想は横ばいの74円だった。新型コロナウイルス下における在宅勤務の普及などで主力の戸建て住宅の需要が伸びており、増配で株主還元を強化する。
中間配当と期末配当をそれぞれ37円としていたが、8円ずつ引き上げて各45円にする。業績予想については「先行きの見通しが不透明」(同社)として据え置いた。

7.住宅用木材、上昇鈍る 国産材は横ばいに

住宅に使う木材の国内価格の上昇が鈍り始めた。米国発の相場高「ウッドショック」で今春から軒並み急騰していたが、輸入量が徐々に回復して輸入材、国産材ともに逼迫感が薄れつつある。輸入材は上昇幅が縮み、国産の製材品は値上がりが止まった。ただ、輸入材は最高値で契約した素材が入港し始めたところ。需要も堅調で高止まりが続きそうだ。
原料を欧州などから輸入し、住宅の梁(はり)や柱に使う集成材は上昇ピッチが鈍った。指標となる集成平角(4メートル×10.5センチ×30センチ)は東京地区の流通価格が現在、1立方メートル13万5千円(中心値)。春以降は毎月、前月比で約2割値上がりし4カ月連続で最高値を更新していたが、9月の上昇幅は前月比5千円(4%)にとどまった。
集成材と競合する北米産の米松製材品も、梁材の指標となる米松KD(乾燥)平角(4メートル×10.5センチ×30センチ)が現在、同9万5千円と前月比4,500円(5%)高くなったが、前月までは2桁増だった。グリン(未乾燥)材は同7万5千円と横ばいだった。
理由は、輸入量の回復だ。エジプト・スエズ運河での座礁事故の影響などで滞っていたコンテナ船の混乱が一時的に解消し、一定量が入荷した。7月の集成材の輸入量は前月比1%増の8万8千立方メートルと5カ月連続で前月を上回った。米国とカナダからの製材品の輸入量も7月は13万7千立方メートルと同4%増えた。
材料の調達を強化していた大手プレカットメーカーが当面の材料の手当てを済ませたもよう。都内の木材問屋は「少し前までの『どこにも木材がない』という状況は解消された。需給のバランスが正常な水準に戻りつつある」と語る。
これを受け、スギやヒノキなどの国産材は値上がりが止まった。7月に23年半ぶりの高値を付けたヒノキのグリン正角(3メートル×10.5センチ角)は、首都圏の問屋卸価格が9月に1立方メートル9万円と2カ月連続で同値となった。
KD正角(同)も現在1立方メートル15万円と前月比横ばいとなり、4月以降続いた上昇が止まった。国産材は輸入材の不足で代替需要が生まれ、価格が急騰してきたが、輸入量の回復で製材品全体の逼迫感が解消した。
KD材はグリン材に比べて乾燥に時間がかかり需要も多いため値上がりも急だったが、「ないもの高」による急騰に歯止めがかかった。関東で国産材を扱う市場の担当者は「7月下旬からセリの勢いも落ち着き始めた」と話す。
例年夏場は虫の被害や腐食が進みやすいため、建材メーカーなどの需要家は原木の在庫を持ちたがらず、価格も下落する傾向にある。今年は需要の強さから高値を維持していたが、8月には生産量の多い九州でスギ丸太の価格が一部下落した。
もっとも、集成材に関しては、最高値で価格交渉が決着した欧州産の引き板材「ラミナ」が足元で入港し始めた局面だ。ウッドショックの発端となった米国で木材価格が下がった後も欧州内の需要は強く、欧州メーカーの多くは対日価格を下げていない。秋の建築需要期を前に「メーカーの価格転嫁分を受け入れるくらい需要は旺盛」(問屋)との見方が強く、国内価格はなお強含みで推移しそうだ。

8.国産合板、10年半ぶり高値 需要急増に供給追いつかず

住宅の壁や床に使う国産針葉樹合板は流通価格が一段高となった。構造用合板の指標である厚さ12ミリ品の東京地区の問屋卸価格は現在1枚1,100円(中心値)。前月より25円(2%)高く、東日本大震災の復興需要が急増した2011年4月以来の高値をつけた。
欧州産材を中心に梁(はり)や柱などの製材品の入荷が増えたため、受注を制限していた木材のプレカットメーカーが一気にフル稼働に切り替えた。
一方、国産合板メーカーの生産が追いつかない。農林水産省によると、7月の合板生産量は27万立方メートルと6月比微減だった。大手合板メーカーは「8月はお盆休みと機械のメンテナンスで稼働が一層落ちた」と話す。西日本の合板メーカーも「増産したくても丸太の量などの問題で1割増が限界」と語る。
この結果、国産が主流の構造用合板が急速に品薄になった。プレカットメーカーは合板メーカーから直接買う分だけでは足りず、「ホームセンターや問屋からも買い集めている」(プレカット大手)。構造用合板は輸入品も少なく、代替がきかない。「製材品は輸入量が回復すれば逼迫感がなくなる。今は合板の方が足りない」(同)
国産合板メーカーは丸太や接着剤の価格上昇を理由に、年明けから断続的に値上げを表明していた。需給逼迫で値上げの浸透が進んだ。
輸入合板も一段と高い。型枠用合板は指標の12ミリの輸入品の問屋卸価格(東京地区)が1枚1,520円(中心値)と前月比50円(3%)高く、最高値を更新した。主産地の東南アジアのロックダウン(都市封鎖)の影響で工場の稼働率が下がっている。

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