2021/09/10 住宅関連情報

住宅関連情報 2021年(令和3年)9月号

1. 住宅着工戸数、5カ月連続プラス 持ち家、分譲住宅が好調


国土交通省が8月31日発表した7月の新設住宅着工戸数は前年同月比9.9%増の7万7,182戸となり、5カ月連続でプラスだった。新型コロナウイルス感染症流行による在宅時間の増加で新たな住まいの需要が高まり、持ち家や分譲住宅が好調だった。
内訳は、持ち家が14.8%増の2万6,071戸で9カ月連続の増加。分譲住宅は11.0%増の2万1,480戸と、2カ月ぶりに増えた。このうちマンションは9.2%増、一戸建て住宅は13.1%増だった。貸家は5.5%増の2万9,230戸で、5カ月連続のプラスとなった。
国交省の担当者は「新型コロナの感染拡大で先行きは不透明だ」と話した。


2021年(令和3年)7月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 77,182戸 9.9%
持家 26,071戸 14.8%
分譲住宅 21,480戸 11.0%
貸家 29,230戸 5.5%

 

2.大和ハウス、米住宅会社を買収 448億円

大和ハウス工業は8月10日、米国で戸建て住宅事業を展開するキャッスルロック(テキサス州)を買収すると発表した。買収額は約448億円。米国は住宅需要が旺盛だ。大和ハウスは米国東部や西部で戸建てを販売しており、販売地域を拡大して、海外売上高を伸ばす。
キャッスルロックの持ち分の80%を8月中に取得する。同社は2004年に設立。米テキサス州で戸建て販売や宅地開発を手掛け、1戸当たりの平均単価は3,000万円ほど。2020年の連結売上高は約4億8,400万ドル(約535億円)だった。
テキサス州は、石油・エネルギー産業やハイテク産業などが集まり、他の州からの移住も増えている。米国最大の住宅市場の一つだ。大和ハウスは米国東部と西部に次ぐエリアになると判断した。キャッスルロックをあわせると、米国の戸建て販売戸数は計5,000戸になる。2026年に1万戸を目指す。
大和ハウスはM&A(合併・買収)で米国の戸建て事業を拡大している。今回の買収額は海外M&Aでは同社で最大となる。東部では、2017年に米バージニア州を中心に戸建て住宅事業を展開するスタンレー・マーチンを買収。2020年にはエセックス・ホームズ(サウスカロライナ州)の戸建て事業をスタンレー・マーチンの傘下に収めた。西部でも2020年にトゥルーマーク(カリフォルニア州)を買収した。

3.住友林業、1~6月純利益291億円 住宅販売が堅調

住友林業が8月10日発表した2021年1~6月期連結決算は純利益が291億円だった。2020年12月期は3月期から12月期に決算期を変更したことで9カ月決算だった。純利益は2020年4~9月期比では80%増となり、2020年1~6月期と比べ2.7倍だった。国内外で住宅販売が堅調に推移した。
売上高は同16%増の6,328億円だった。事業別の売上高をみると海外の住宅・不動産事業は27%増の2,798億円。国内の住宅・建築事業も2,472億円と10%増だった。木材価格の高騰「ウッドショック」は「住宅価格を見直しているが業績には影響しない」(同社)としている。木材建材事業は木材価格高騰で2%増の984億円。新型コロナウイルスが広がり始めて住宅着工需要が停滞した2020年4~6月からの反動も影響した。

4.旭化成ホームズ、2025年に再生エネルギー切り替え 目標13年前倒し

旭化成ホームズは8月19日、2025年までに事業活動で消費する電力を全て再生可能エネルギーに切り替えると発表した。当初は2038年までの達成を目標としていたが、電力小売事業が想定以上に拡大し、達成時期を13年前倒しする。脱炭素社会の早期実現につなげる。
これまでは新築の戸建て住宅で太陽光パネルや断熱材などでエネルギー収支の実質ゼロを目指すZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)への対応を進めて、電力を買い取ってきた。今後はZEH対応の集合住宅も本格的に手掛け、再生エネルギー切り替えの達成につなげる。
同社は事業で使う電力を再生エネルギーでまかなうことを目指す国際的枠組み「RE100」に
2019年に加盟している。太陽光発電を搭載した住宅を建てた後に入居者から余剰電力を買い取り、事業活動で使う電力に充ててきた。当初の想定を超える売電契約があったため、再生エネルギー切り替えの達成時期を前倒しする。

5.オープンハウスの純利益22%増 10~6月 戸建て好調

戸建て住宅のオープンハウスが8月13日発表した2020年10月~2021年6月期の連結決算は、純利益が前年同期比22%増の510億円と同期間で最高だった。新型コロナウイルス下で在宅時間が増えて持ち家志向が高まったことを背景に、主力の戸建て関連事業が好調だった。
売上高は52%増の5,837億円。戸建て関連事業の売上高は28%増の3,505億円だった。戸建ての需要が増して値引きせずに売りやすくなり、同事業の売上高総利益率は19.5%と前年同期より
3.4ポイント上昇した。1月に連結子会社化した投資用マンションのプレサンスコーポレーションも寄与した。営業利益は89%増の728億円だった。
2021年9月期通期の業績見通しは据え置いた。連結純利益は前期比13%増の670億円と9期連続の過去最高益を見込む。

6.リブワーク、2021年6月期実質増益 ネット集客堅調

住宅会社のリブワークが発表した2021年6月期連結決算は、純利益が3億3,600万円だった。前期から連結決算に移行したため単純比較できないが、実質増益。福岡県の商業施設への出店やインターネットによる集客などが堅調で、戸建て住宅の受注金額が2020年6月期比2.2倍になった。新型コロナウイルスの影響で住宅の引き渡しに遅れが生じた前の期の反動も出た。売上高は94億円だった。
2022年6月期の純利益は61%増の5億4,400万円になりそうだ、とした。新型コロナの長期化や世界的な木材価格の高騰が懸念されるが、受注増が見込める九州や関東での出店を加速する。売上高は54%増の145億円とした。

7.新築住宅の省エネ義務、2025年度から適用へ 政府が工程表

政府は8月10日、住宅・建築物分野の省エネルギー対策の工程表を示した。戸建てやマンションなど新築住宅は2025年度から断熱材の活用などで省エネ基準を満たすよう義務づける。商業ビルなど建築物は段階的に基準を厳しくし、2050年までの脱炭素社会の実現をめざす。
国土交通省などによる有識者会議が報告書案をまとめた。改正建築物省エネ法は、延べ床面積300平方メートル以上の新築のビルや商業施設に対し省エネ基準を守るよう義務づけている。新たに住宅や小規模ビルにも対象を広げるため法改正をめざす。
エネルギー消費量を定めた省エネ基準も見直す。すでに基準適合を義務化されている延べ床面積2,000平方メートル以上の大規模建築物は2024年度から、中規模な建築物は2026年度からそれぞれ基準を引き上げる。現行よりエネルギー消費量を20%減らす方針だ。
太陽光など再生可能エネルギーの導入を促す。2030年までに新築の戸建て住宅の6割に太陽光発電設備を導入する目標を盛り込んだ。個人の負担を減らすため補助制度や融資、税制などの支援措置を具体化する。導入の義務化は見送ったが「将来の選択肢の一つとして検討する」とした。
国や自治体が公共施設を新築する場合は太陽光設備の設置を原則とする。庁舎や学校、公営住宅などを想定し、実現に向けた課題を整理する。
省エネ性能の表示制度も整える。住宅販売や賃貸の広告などで物件の省エネ性能を開示する仕組みをつくる。まずは新築住宅を対象に表示を義務づける。建築物についてもウェブサイトなどで必要な情報を得られるようにする。
住宅・建築物分野の二酸化炭素(CO2)排出量は国内全体の34%を占める。政府は2030年度に温暖化ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を掲げており同分野でも対策を強化する。

8.住宅用集成材、最高値更新 4カ月連続

輸入材を使った住宅用木材の価格が一段と上昇した。梁(はり)や柱に使う集成材は、指標の集成平角(4メートル×10.5センチ×30センチ)の東京地区の問屋卸価格が現在1立方メートル13万円(中心値)。前月比2万5千円(24%)高く、4カ月連続で最高値を更新した。柱用の集成管柱(3メートル×10.5センチ角)も1本4,200円と同700円(20%)高い。
集成材の原料である欧州産の引き板材「ラミナ」の価格が上昇しており、国内の集成材メーカーが原料上昇分を製品価格に転嫁した。
原料の輸入も低調だ。昨年からの米国の木材相場高に伴い欧州の木材メーカーは米国に優先的に供給していたが、米国相場が今年5月の最高値から急落したことで欧州勢は対米輸出量を減らし始めた。しかし欧州内の住宅着工も堅調で、日本の輸入は依然少ない。
集成材と競合する米松製材品も1カ月ぶりに上昇した。最大手の中国木材(広島県呉市)が輸入原木価格などの上昇を受けて8月出荷分から大幅に値上げし、流通市場にも波及した。
梁材の米松KD(乾燥)平角(4メートル×10.5センチ×30センチ)の東京地区の流通価格は1立方メートル9万~9万1千円と前月比で1万5千円(20%)高い。未乾燥のグリン材も同7万5千円と1万円(15%)上昇した。
製材品は輸入物も少なく、市場は逼迫感が強い。林野庁によると、2021年1~6月の製材品全体の輸入量は約223万4千立方メートルと、前年同期比で17%減った。

9.住宅の省エネ改修に補助 国交省、50万~100万円上限に

国土交通省は住宅の省エネルギー化を交付金で支援する。戸建てやマンションの改修工事で断熱材などを活用する場合、費用の一部を自治体を通じて補助する。新築だけでなく既存住宅の取り組みをテコ入れすることで家庭の省エネを加速する。2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする政府目標に沿って住宅・建築物分野でも脱炭素化を進める。
2022年度予算の概算要求に盛り込む。標準的な住宅の省エネ改修を対象にした支援措置は初めて。公共事業に充てる「社会資本整備総合交付金」などを原資として活用する。
対象となるのは外壁や窓の断熱性能を高める改修工事だ。家全体ではなく部分的な改修も認める。費用の一部について1件あたり最大で50万~100万円程度を補助する方向で調整している。建築から一定の年数を経た住宅ほど改修効果が大きいため、築年数によって対象を絞り込む案がある。
国と市町村など自治体が補助額を半分ずつ負担する仕組みを想定する。すでに一部の自治体では住宅の省エネ改修に対する支援制度を設けている。国の交付金はこうした制度と組み合わせて使えるようにする。
住宅分野の二酸化炭素排出量は2019年度時点で全体の約15%を占める。2050年の実質ゼロ目標を達成するには同分野の削減対策の強化が欠かせない。
国交省は新築住宅を対象に2025年度から断熱材活用などで省エネ基準を満たすよう義務づける方針だ。すでに新築住宅の8割超は基準に適合しおり、省エネを標準仕様とすることをめざす。
一方で5,000万戸超の既存住宅で基準を満たすのは11%にとどまっており、改修をどう促すかが課題となっていた。これまで省エネ性能の高い住宅を対象にした改修補助金はあったが、新たに標準的な住宅も支援することで省エネの底上げにつなげる。
政府は太陽光など再生可能エネルギーの導入も促す。2030年までに新築の戸建て住宅の6割に太陽光発電設備を導入する目標を掲げる。庁舎や学校、公営住宅など公共施設の新設でも太陽光設備の設置を原則とする。

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