2021/07/06 住宅関連情報

住宅関連情報 2021年(令和3年)7月号

1. 5月の住宅着工9.9%増 3カ月連続プラス


国土交通省が6月30日に発表した5月の新設住宅着工戸数は前年同月比9.9%増の7万178戸となり、3カ月連続でプラスだった。外出自粛で減っていた住宅展示場への来場者数が回復しつつあり、持ち家の着工が増えたことなどが寄与した。
ただ、国交省の担当者は「新型コロナウイルスの流行次第で動向は変わり得る。プラスの傾向が続くかどうか不透明感がある」と説明した。
内訳は持ち家が16.2%増の2万2,887戸で7カ月連続の増加。貸家は4.3%増の2万5,074戸だった。分譲住宅は8.4%増の2万1,426戸で、うちマンションは3カ月続けて増え、一戸建ては18カ月ぶりのプラスとなった。
三大都市圏では首都圏が14.0%増、中部圏が21.8%増、近畿圏は1.3%増だった。


2021年(令和3年)5月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 70,178戸 9.9%
持家 22,887戸 16.2%
分譲住宅 21,426戸 8.4%
貸家 25,074戸 4.3%

 

2.住友林業、純利益600億円に上方修正 2021年12月期

住友林業は6月23日、2021年12月期の連結純利益が600億円になる見込みだと発表した。従来予想を120億円上回る。決算期を前期から変更した影響で単純比較できないが、2020年1~12月と比べて約7割の増益となる。米国で戸建て住宅の販売が好調で、需要増で価格も上昇しているため収益が伸びる。
売上高は従来予想を530億円上回る1兆3,100億円、営業利益は155億円上回る880億円をそれぞれ見込む。純利益も含めて年間ベースでの最高となる。決算期を前期からそれまでの3月期から12月期に変更しており、前期は9カ月の変則決算だった。
米国では住宅ローンの低金利などを背景に、戸建て住宅事業が堅調に推移している。木材不足による「ウッドショック」などの影響で資材価格は高騰しているが、住宅価格を上げて吸収した。同社の戸建て住宅の販売価格は期初の予想より1戸あたり400万円ほど上昇している。
子会社が米国で手がける不動産開発事業で、商業施設や集合住宅などの売却額が増えたことも寄与した。
同日、公募増資などによる資金調達も発表した。公募増資で1,600万株、オーバーアロットメントに伴う第三者割当増資で240万株を予定しており、最大で計371億円を調達する。米国やオーストラリアなど海外事業への投資や借入金返済に充てる。

3.積水ハウスの2021年2~4月期、純利益18%増 高級住宅好調

積水ハウスが6月10日発表した2021年2~4月期の連結決算は、純利益が前年同期比18%増の361億円だった。戸建て住宅や賃貸住宅で高価格帯の受注、販売が好調で、1棟当たりの単価を押し上げたことで採算が改善した。
売上高は2%増の6,085億円、営業利益は8%増の546億円だった。注文住宅は前年同期の消費増税による受注減から回復し、1棟当たりの単価も4,191万円と2021年1月期実績に比べて1%(53万円)上がった。賃貸住宅事業では都市部を中心に、3~4階建てのマンションが回復したことも寄与した。
2022年1月期は売上高が前期比4%増の2兆5,520億円、純利益が9%増の1,350億円とする従来予想を据え置いた。

4.ポラスの2021年3月期、純利益15%増の50億円

住宅事業のポラス(埼玉県越谷市)が6月28日発表した2021年3月期の連結決算は、純利益が前の期比15%増の50億円だった。2年連続で過去最高を更新した。主力の戸建て分譲住宅が好調だった。売上高は3%増の2,329億円だった。
受注状況を主要部門別にみると、戸建て分譲住宅の契約棟数は28%増の3,212棟、戸建て注文住宅は8%増の603棟だった。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛やテレワークの普及で在宅時間が長くなり、特に若年層で住宅購入を前倒しする動きが見られた。農園利用権付き住宅やテレワークがしやすい環境を整えた住宅が人気だった。
2022年3月期の売上高は前期比3%増の2,400億円、純利益は2%増の51億円を見込む。同社地盤の埼玉県南部や千葉県といった首都圏郊外での住宅販売に力を入れる。プレカット材事業では佐賀県で第2工場を稼働させ生産能力を高める。

5.飯田グループホールディングス、増収営業増益

分譲戸建ての販売棟数は微増、マンション販売も増加見込み増収。新型コロナウイルス禍の在宅時間の増加で、広い戸建て住宅を求める層の増加が追い風に。木材流通価格の高騰を懸念材料とするも営業増益見込む。
住宅の災害・環境対策に注力。耐震・耐風性能や断熱性能などを評価する住宅性能表示制度では全棟において最高等級の取得を基準に。

6.太陽光パネル、公共建築物は原則設置 住宅は義務化せず

政府は6月3日、脱炭素社会の実現に向けた住宅・建築物の対策案を示した。国や自治体が公共建築物をつくる場合は原則として太陽光発電設備を設置し、再生可能エネルギーの導入量を増やす。新築住宅は太陽光の設置の義務化は見送ったが、断熱材の活用などの省エネルギー基準を満たすようにする。ビルなどの大規模な建築物は省エネ基準の引き上げも検討し、脱炭素の取り組みを促す。
国土交通省、経済産業省、環境省による有識者会議で素案を示した。住宅の省エネ義務化などに必要な関連法改正を視野に入れており、実施時期を含め詳細を詰める。
住宅を含む家庭部門と、オフィスビルなどの部門をあわせた建築物分野の二酸化炭素(CO2)排出量は2019年度に3億5,200万トンと、国内全体の34%を占める。産業部門(3億8,400万トン)に次いで多い。2030年度に温暖化ガスを2013年度比46%減らし、2050年までに実質ゼロにする政府目標を達成するには踏み込んだ対策が欠かせない。
環境省からは住宅やビルへの太陽光設備の取り付け義務化案が出ていた。委員からは「地域や立地などで発電効率に格差があり一律の義務化は無理がある」との慎重論が根強く、住宅では当面の義務化を見送った。
一方で公共建築物では導入する。新たにつくる学校や文化施設、庁舎などを念頭に「太陽光発電設備の設置を標準化する」と明記した。既存の建物などでも設置を加速するよう求めた。環境省の推計では公共建築物で導入可能な太陽光発電の設備容量は最大で約1,900万キロワットと、国内で既に導入された太陽光の3割に相当するという。
エネルギー消費量などを定めた省エネ基準の義務付け対象の拡大も盛り込んだ。4月に施行した改正建築物省エネ法で、大きな建物だけでなく、延べ床面積300平方メートル以上の新築ビルや商業施設も追加したが、さらに新築住宅にも広げる。
これにより、外壁や窓に高断熱材を使ったり、高効率な空調、発光ダイオード(LED)照明を導入したりする対策が重要になる。国交省の試算では、平均的な戸建て住宅で省エネ基準を満たすには約11万円の追加費用が必要で、光熱費が下がって回収できるまでに37年かかる。補助金などの支援の拡充も模索する。
省エネ基準そのものの段階的な引き上げも検討する。まずは取り組みが進む大規模建築物から基準を厳しくする方向だ。規模や用途ごとに実態を踏まえた水準を探る。省エネ性能の表示制度も創設する。事業者が住宅販売や賃貸の広告などで、物件の省エネ性能を開示することを想定する。
課題は、既存住宅の省エネだ。新築の戸建て住宅は既に8割超が省エネ基準を満たしている。一方で約5,000万戸に上る既存住宅は11%しか適合していない。補助金や減税などの支援策を打ち出しても消費者の意識が変わらなければ進展しない。事業者や国民の意識を高められるかが脱炭素のカギを握っている。

→過去の住宅関連情報一覧へ


トップページへ


一つ前のお知らせ(住宅会社・設計事務所様向けWEBセミナー動画配信のお知らせ)へ →


TOPTOP