2021/04/15 住宅関連情報

住宅関連情報 2021年(令和3年)4月号

1. 2月の新設住宅着工、前年比3.7%減 貸家・分譲が減少


国土交通省が3月31日発表した建築着工統計調査によると、2月の新設住宅着工戸数は前年同月比3.7%減の6万764戸と20カ月連続で減少した。持ち家は増加したものの、貸家や分譲住宅の落ち込みが響いた。
内訳を見ると、貸家は前年同月比0.4%減の2万2,556戸だった。銀行の賃貸住宅への融資厳格化の流れが続き、30カ月連続の減少となった。ただ、減少幅は前月(18.0%)から縮小した。
分譲住宅は14.6%減の1万7,398戸と2カ月ぶりに減少した。一戸建て住宅は4.0%減と15カ月連続で減少した。ぶれが大きいマンションは27.5%減った。
一方、持ち家は4.3%増の2万390戸と、4カ月連続で増えた。国交省の担当者は「落ち込んでいた受注が底を打ち、戻ってきた感がある」と話した。昨年は、春の新型コロナウイルス拡大に伴う顧客の外出自粛が営業活動に響き、秋ごろまで受注減が続いていた。
全体の季節調整済みの年率換算値では前月比0.8%増と、2カ月連続で増加した。

2021年(令和3年)2月の新設住宅着工戸数

利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 60,764戸 Δ3.7%
持家 20,390戸 4.3%
分譲住宅 17,398戸 Δ14.6%
貸家 22,556戸 Δ0.4%

 

2. 積水化学住宅カンパニー、千葉市に新型ショールーム 新生活様式を体感

積水化学工業住宅カンパニーは3月20日、感染症対策や環境貢献など新たな生活様式に対応したショールーム「グリーンモデルパーク新検見川」を全国に先駆け千葉市内に開いた。グループの分譲地の一角に実際の住宅のサイズで建設し、現実に即した生活場面を伝えて受注増につなげる。
JR新検見川駅近くに設けた建物は2階建てで、延べ床面積約115平方メートル。住宅展示場のモデルハウスは多くが大きめだが「リアルな体験から気に入ってほしい」(竹中寛・住宅商品企画部研修グループ長)と販売する際と同じサイズや間取り、設備とした。
施設内は先進性や環境、省エネなど5つの体験ゾーンに分かれる。地球環境への貢献や新型コロナウイルスなどの感染リスクを抑える新生活様式、自然災害への備えという3点に対応した機能を来場者に実感してもらう。「普段は地球に優しく暮らせ、もしもの時は安心できる住まい」(竹中氏)を来場者に訴える。
屋上の太陽光発電と蓄電池を組み合わせ、再生可能エネルギーをフル活用。一般の2倍の大容量蓄電池から、停電時には家中へ電力供給する仕組みなどを紹介する。室内にウイルスを持ち込まないよう、コートなどの収納や手洗い場を設けた玄関口や独自の換気・空調設備など感染症対策も見どころだ。
各所に掲げたQRコードをスマートフォンで読み取ると、省エネ効果に関するクイズを表示。壁などに映す動画でエネルギー管理の仕組みも説明するなど、家族連れでも飽きさせない工夫を盛り込んだ。停電からの電気の復旧も再現する。
同社はハード面を軸に家づくりを学んでもらうコンセプトで、仮想現実(VR)など映像技術も活用したショールーム「セキスイハイムミュージアム」を全国32カ所に展開してきた。新型ショールームはリアルとソフトを重視し、バーチャルやハードを担う既存のミュージアムと連携しつつ全国展開を目指す。
第1弾を千葉市としたのも2020年1月に幕張地区で開業した「セキスイハイムミュージアム千葉」と相乗効果をねらったためだ。ミュージアムで住まいの性能への関心を集め、好感触だった顧客をグリーンモデルパークに招く。
首都圏をはじめ大都市圏を中心に展開を進めるモデルとする。一生の買い物である住宅を納得して注文してもらうよう、営業戦略でも付加価値を丁寧に伝える新様式を打ち出す。

3.積水ハウス、増収増益へ

戸建てや賃貸、リフォームなどの受注がコロナ禍の影響から回復傾向。実質的なエネルギー消費がゼロになる付加価値の高い住宅販売が伸び、売上高粗利益率も改善。米国での戸建て販売も堅調。増収増益へ。年間配当は2円増配の86円に。
住む人の急病を早期発見する戸建て住宅の実証実験を開始。将来は病気の予防にまで対応する住宅づくりにつなげる。

4. 飯田GHD、上場来高値 戸建て好調で増配予想

3月9日の東京株式市場で飯田グループホールディングス(GHD)株が続伸し、一時前日比75円(3%)高の2,592円を付けて2日連続で上場来高値を更新した。前日に2021年3月期の期末配当予想を前期比4円増の35円(従来予想は横ばいの31円)に上方修正すると発表した。郊外部の戸建て住宅分譲の好調が背景にあり、機関投資家を中心に買いが集まった。
終値は同66円(3%)高の2,583円だった。同社は郊外部での戸建て住宅分譲が主力だ。新型コロナウイルス禍を受けたテレワーク需要の高まりも追い風にして、今期の連結純利益(国際会計基準)は前期比8%増の580億円を見込む。年間配当は4円増の66円として2期ぶりの増配に踏み切る。
楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「郊外への住宅需要シフトにうまく乗った。収益成長とともに増配による株主還元にも目を配る姿勢は前向きに評価できる」と話す。
SMBC日興証券は2月12日付けで目標株価を2,400円から2,800円に引き上げた。担当の田沢淳一シニアアナリストは「地場工務店などの競合他社と比べて割安かつ高品質な住宅を提供しており、シェア向上による需要獲得が続く」とみている。PBR(株価純資産倍率)は依然として0.89倍で、割安感からも上値を追う余地がある。

5. テレワークできる移住体験住宅 愛媛県東温市が運用開始

愛媛県東温市は県外などからの移住促進に向け、テレワークのできる住環境を備えた移住体験住宅を設ける。4月中に入居可能にし、1~2カ月間程度を想定した移住体験向けに運用を始める。市内での住み心地を実体験してもらい、遠隔でのテレワークを希望する人たちを市内へ呼び込む。
体験住宅は、市内東部の約420平方メートルの敷地に建設を進めている。木造2階建てで、延べ床面積は100平方メートル弱、間取りは3LDK。主な家電機器や家具類のほか、インターネット利用環境を備える。利用者には住居使用料と光熱費などを合わせた月額4万3,000円を負担してもらう。
体験移住の期間中、市の職員が学校や病院、文化施設を案内するなど、地域を知るための活動をサポート。さらに空き家改修の支援策などを活用し、移住の実現につなげていく。松山市に隣接する同市は短期の移住体験ツアーも企画するなど、県内外からの移住促進に力を入れている。

6.新築住宅の省エネ義務化 国交省、2025年度にも

国土交通省は2025年度にも、新築住宅について省エネルギー基準の適合を義務付ける方針だ。
2021年度からは中規模のオフィスビルなどの義務化が始まるが、個人の住宅は省エネ性能に関する説明義務にとどまる。政府は2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)を掲げており、日本の二酸化炭素(CO2)排出量の15%を占める家庭分野の改革を進める。
国交省は4月に検討会を設置し夏ごろに方向性をとりまとめる考え。戸建て住宅だけでなくマンションも義務化の対象とする方針だ。検討会では省エネ住宅の義務化に向けた財政や税制面での支援策を議論する。
2021年4月に施行の改正法で、オフィスビルや商業施設など新築の建築物(延べ床面積300平方メートル以上)は省エネ基準への適合が義務化される。住宅については建築主へ省エネ性能の説明義務制度を創設する。
省エネ基準への適合が義務化されると、外壁の断熱材、高断熱性の窓設置、高効率の空調や発光ダイオード(LED)照明の導入などが求められる。これまではコストがかさみ、悪影響が及ぶと考える業界の反対が根強く、住宅は義務化には至っていなかった。
政府は2020年12月末に発表した温暖化ガス排出ゼロに向けた実行計画「グリーン成長戦略」で、2030年までに新築住宅の排出量平均をゼロにする目標を掲げた。
これまで政府は省エネ住宅の普及のために補助金や家電などと交換できるポイント付与といった優遇策を打ち出してきた。だが、足元では省エネ基準に適合する新築の小規模住宅(300平方メートル未満)は約7割にとどまる。脱炭素化をより強力に推進するためには供給段階での規制が必要と判断し、義務化に踏み切る。

7.太陽光パネル最大手、日本の蓄電池市場に参入

太陽光パネル世界最大手の中国ジンコソーラーの日本法人、ジンコソーラージャパン(東京・中央)は3月2日、日本で蓄電池事業に参入すると発表した。7月にも住宅向け蓄電池を発売する。住宅向け蓄電池は、固定価格買い取り制度(FIT)の期間を終えた「卒FIT」の太陽光パネルを所有する家庭などで需要が高まっている。シャープやパナソニックなど、日本企業が高いシェアを持つ市場に、最大手の外資系パネルメーカーが切り込む。
住宅向け蓄電池は、丸紅子会社で蓄電池の販売を手掛ける丸紅エネブル(東京・中央)や建材商社を通じ、施工会社や家電量販店、工務店などに販売する。流通コストの低減などを進め、他社製品に比べ価格を3割程度下げることを目指す。
住宅の屋根に設置する太陽光発電では、FITを利用して大手電力会社に売電する家庭が多い。ただ、FITでの売電期間が終了した「卒FIT」の太陽光発電を所有する家庭も多く、売電をせずに自家消費する需要が高まっている。自家消費では、日中に発電した電力を夜間に使用するなど電力をためる必要がある。そこで、ジンコソーラーは卒FITの家庭をターゲットに蓄電池を売り込む考えだ。
日本の住宅向け蓄電池市場では、米テスラや中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などの外資系企業の参入が相次いでいる。ジンコソーラーが参入して価格競争が激しくなれば、日本市場での蓄電池の低価格化が加速しそうだ。
ジンコソーラーは事業者向けの蓄電池でも日本市場への参入を予定している。米国では2020年から販売を始めており、日本でも早ければ2022年に販売を開始する。

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