1. 8月の新設住宅着工、前年比9.1%減 減少は14カ月連続


国土交通省が9月30日に発表した建築着工統計調査によると、8月の新築住宅着工戸数は前年同月比9.1%減の6万9,101戸だった。14カ月連続の減少となったものの、減少率はQUICKがまとめた市場予想の中央値(10.9%減)と比べ小幅にとどまった。季節調整済みの年率換算値では前月比1.0%減と、2カ月ぶりに減少した。
内訳を見ると、持ち家が前年同月比8.8%減の2万1,915戸だった。減少は13カ月連続。新型コロナウイルス感染症の影響で需要の落ち込みが続いている。国交省の担当者は「8月の住宅展示場の来場者が前年比でプラスに転じており、今後の持ち直し材料も出始めた」と説明した。
貸家は5.4%減の2万7,671戸と24カ月連続で減少した。金融機関が融資条件を厳格化したため、民間資金による貸家の着工が鈍っている。
分譲住宅は15.9%減の1万8,933戸と10カ月連続で減少した。マンションが7.7%減の9,377戸、一戸建て住宅は22.7%減の9,455戸だった。


2020年(令和2年)8月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 69,101戸 Δ9.1 %
持家 21,915戸 Δ8.8 %
分譲住宅 18,933戸 Δ15.9 %
貸家 27,671戸 Δ5.4 %

 

2. 大和ハウスとNEC協業

大和ハウス工業は9月30日、NECと施工現場のデジタル化で協業すると発表した。建築中の戸建て住宅にカメラを据え、映像をNECの人工知能(AI)の技術で分析。工事の進捗などを簡単に確認できるようにする。
10月に実験を始め、2021年3月まで約200の戸建ての施工現場で実験する。住宅にはカメラやセンサーを設置、大阪・東京本社など10カ所で遠隔管理する。

3.ヤマダ電機、ヒノキヤGにTOB 1株2,000円、子会社化

ヤマダ電機(9831)は9月8日、住宅関連事業を手掛けるヒノキヤグループ(1413)に対しTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。1株2,000円で9月9日から10月22日の期間に買い付け、連結子会社化を目指す。TOB成立後もヒノキヤGは上場を維持する見通しだ。
買い付け予定数の下限は発行済み株式総数の45.71%に当たる577万2,700株、上限は同50.10%の632万7,600株。買い付け金額は最大126億5,520万円。ヒノキヤG経営陣の親族の資産管理会社などが全ての保有株式(買い付け下限数と同じ577万2,700株)を応募することで合意したという。

4.飯田GHD、中間配当31円 住宅販売好調で予想引き上げ

戸建て分譲住宅販売の飯田グループホールディングスは9月23日、2020年4~9月期の期末配当(中間配当)を前期と同額の31円にすると発表した。従来予想は16円。新型コロナウイルス流行の影響が会社の想定を下回り、戸建ての分譲住宅の販売が好調だった。期末配当はこれまでの16円(前期は31円)との予想を据え置いた。
4~9月期や年間の業績予想は引き続き公表していない。マンションの値上がりを背景に戸建て住宅の購入希望者が全国的に増えており、家庭内で新型コロナ感染者が出ても接触を減らしやすいのも評価されているようだ。

5.住宅ローン「13年間控除」延長検討 政府・与党

政府・与党は2021年度の税制改正で、消費増税対策として導入した住宅ローン減税の特例措置延長を検討する。現在は控除を受けられる期間を通常の10年間から13年間に延ばしているが、対象は今年12月末までの入居者。不動産業界は入居期限の2年程度の延長を求めており、政府・与党で協議する。自動車購入時に課税する「環境性能割」を1%分軽くする制度も延長を検討する。
住宅や自動車業界は新型コロナウイルスの感染拡大による販売低迷を懸念している。政府・与党は税制面から企業の収益を下支えし、消費を喚起したい考えで、年末の税制改正大綱のとりまとめに向け議論を急ぐ。
住宅ローン減税は、10年間にわたり住宅ローン額の1%を所得税から控除する仕組みだ。現在は2019年に消費税率を10%に引き上げた際の特例があり、2020年12月までに入居すれば、13年間の控除を受けられる。国土交通省は今年の税制改正論議で、この入居期限の延長を求めているが、財務省は消費増税にあわせた特例の延長に慎重だ。

6.住宅ローン減税「1%控除」の妥当性

住宅ローン減税をめぐる政府内の見直し議論が水面下で活発になっている。政府・与党は2021年度の税制改正で13年間の控除を認める特例の延長を議論する方向だが、隠れた重要な論点もある。低金利の中で控除率の「1%」は妥当なのか。会計検査院が問題視しており、今年以降の税制改正論議で焦点になる可能性もある。
「国民の納得できる必要最小限のものになっているか検証が望まれる」。2019年11月、検査院は決算検査報告で、住宅ローン減税についてそう指摘した。
住宅ローン減税は年末の借入残高の1%が所得税から控除される仕組みだ。控除額は最大で年40万円、期間は10年間。認定長期優良住宅などは年50万円に拡充される優遇措置もある。
検査院が提起したのは「1%」の妥当性だ。検査院は独自に税務署に赴き、住宅ローンの現状を調査した。2017年に控除の適用を開始した人のうち、1%を下回る借入金利で住宅ローンを借り入れている人の割合が約8割に上ったのだ。
借入金利が控除率の1%を下回る場合、毎年の住宅ローン控除額が、ローンの支払利息額を上回ることになると「逆ざや」も期待できてしまう。検査院は政府に「本来はローンを組む必要がない人が組んだり、控除期間が終了するまで繰り上げ返済をしなかったりする動機づけになる」と指摘した。
例えば、手元に潤沢な資金がある人や、親族の援助を見込める人など、本来ならローンに頼らず住宅を買える人たちが「逆ざや」目当てでローンを借りるケースも出るというわけだ。
大企業の社員や公務員など収入が安定した立場の人ほど、低い優遇金利を活用しやすくなる面もある。1%の控除率との開きが大きくなり、受けられる恩恵も拡大する。
検査院の指摘を踏まえ、財務省は控除率の見直しに着手したい考えだ。財務省幹部は「例えば支払った金利分を控除する仕組みも一案だ」と語る。低金利時代にあった適切な控除水準に引き下げるべきだとの意見は同省内の総意となっている。
仮に控除率を「1%以下」に見直したとしても、すでに適用を受けている人は対象にはならない見通し。「1%控除」を前提に住宅を購入し、人生の長期計画を立てている人は多く、反発を招きかねないためだ。
今の住宅ローン減税制度は2021年末に期限を迎える。財務省は今冬の政府・与党の議論の俎上(そじょう)に上げたい考えだが、新型コロナウイルスの流行を受け利用者の負担増につながる話には与党内の反対論が強い。財務省は提起する時期を慎重に見極める。
戸建て住宅やマンションを購入する際、当然視しがちな「1%」も不変ではないと考えて検討すべきかもしれない。

7. 1月以降の下落鮮明 コロナ響く

新型コロナウイルスは都内の地価に広く影響した。今回の基準地価の調査地点と、国土交通省が1月1日時点を基準日として発表する公示地価で共通する203の調査地点を比べると、過去1年間の地価が昨年7月から今年1月までと、1月から7月までで上昇から下落へ変化したことが明確だ。
昨年7月から今年1月までの地価の変動は、区部の商業地が4.3%の上昇だった。これに対し1月から7月では2.2%の下落となった。区部の住宅地や多摩地域の地価も傾向は同様で、1月以降はコロナにより下落基調が鮮明だ。
こうした動きを反映し、都内全域の地価は1年間の動きではかろうじてプラスとなったものの、多摩地区の全用途平均は0.7%の下落と8年ぶりにマイナスに転じた。

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