1. 12月の新設住宅着工、前年比7.9%減 貸家の減少響く、2019年は3年連続減


国土交通省が1月31日発表した建築着工統計調査によると、2019年12月の新設住宅着工戸数は前年同月比7.9%減の7万2,174戸と、6カ月連続で減少した。貸家のほか、持ち家や分譲住宅も減少した。QUICKがまとめた市場予想の中央値(11.5%減)よりも減少幅は小さかった。季節調整済みの年率換算値では前月比0.5%の増加だった。
貸家は、前年同月に比べ10.3%減の2万7,611戸と16カ月連続で減少した。金融機関による融資条件の厳格化で、民間資金によるアパートなどの着工数が31カ月連続で減った。公的資金による着工数も7カ月連続で減った。
持ち家は同8.7%減の2万2,294戸と5カ月連続で減少した。
分譲住宅は同5.1%減の2万1,593戸と2カ月連続で減少した。マンションの減少が続いたほか、一戸建て住宅も7カ月ぶりに着工数が減少した。
同時に発表した2019年の新設住宅着工戸数は、前の年に比べ4.0%減の90万5,123戸と3年連続で減少した。持ち家や分譲住宅は増加したが、個人向け融資減少の影響で貸家が13.7%減と2年連続の減少となったことが響いた。


2019年(令和元年)12月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 72,174戸 Δ7.9%
持家 22,294戸 Δ8.7%
分譲住宅 21,593戸 Δ5.1%
貸家 27,611戸 Δ10.3%

 

2. 2019年(令和元年)の住宅着工戸数、4%減の90.5万戸 3年連続減

国土交通省が1月31日発表した建築着工統計調査によると、2019年の新設住宅着工戸数は前年比4%減の90万5,123戸だった。減少は3年連続。持ち家と分譲住宅は増加したが、金融機関の融資条件の厳格化を背景に貸家が14%減の34万戸程度にとどまった。
2014年の消費増税時は2013年に駆け込み需要が発生して住宅着工が前年比11%増加し、翌年は反動で9%減った。国交省は「今回は伸び方も落ち方も前回に比べて小さい」と説明している。

2019年(令和元年)の新設住宅着工戸数

利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 905,123戸 Δ4.0%
持家 288,738戸 1.9%
分譲住宅 267,696戸 4.9%
貸家 342,289戸 Δ13.7%

 

3.大和ハウス、米住宅会社を買収 西海岸で戸建て展開

大和ハウス工業は1月16日、米国の住宅会社トゥルーマーク・カンパニーズ(カリフォルニア州)を買収すると発表した。創業家から6割の株式を取得した後、追加出資して出資比率を8割に高める。買収額は非公表だが、増資を含め100億円超とみられる。人口が増加する米西海岸で宅地開発や戸建て販売を手掛ける同社を子会社化し、重点市場とする米国での事業基盤を強化する。
大和ハウスの米国子会社が2月1日付で株を取得し、2020年中に増資を引き受ける。トゥルーマークは年間430戸程度の戸建てを販売。事業規模は小さいが、宅地開発に強いという。現在21カ所で合計3,100戸分の開発計画を進めている。大和ハウスの資金力を活用して事業展開のスピードを速める。これまでは案件ごとに機関投資家から事業資金を調達しており、機動性に欠ける面もあった。
大和ハウスは米国の中でも人口増加が続く東海岸と西海岸、南部で住宅事業を展開している。西海岸では賃貸住宅のみを手掛けており、戸建てへの参入を狙っていた。北米での売上高を2021年度に
2018年度比5割増の1,550億円に増やす計画だ。

4.積水ハウス、低価格住宅の新会社 約2千万円で販売

積水ハウスは1月24日、低価格帯の戸建て住宅を販売する新会社を2月に設立すると発表した。全国各地の建設子会社の住宅事業を統合し、部材調達や物流を一本化してコストを削減する。販売価格(土地代含まず)を約2千万円と積水本体が販売する住宅価格の半額程度に抑える。これまで手薄だった20~30歳代の若い家族層を開拓する。
新会社「積水ハウス ノイエ」(大阪市)は、積水ハウス子会社で同社の住宅施工を手掛ける積和建設グループ各社の新築部門を統合する。全国に10カ所の営業拠点を設ける。耐震性や断熱性は外部機関の性能表示制度で最高水準を標準仕様にする。3年後に年間1千棟の販売を目指す。
飯田グループホールディングスなど低価格住宅を販売するメーカーと、大手メーカーとの中間帯の価格に設定することで競合を避ける考え。定期点検や修繕などのアフターサービスは積水本体で手掛ける。
同社の住宅は、エネルギー消費が実質ゼロになるZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)など性能向上にともない販売価格が上昇している。現在は約4千万円と5年前より1割高い。若年層を取り込むために低価格帯の充実が課題となっていた。中高級価格帯に強い本体のブランド力を維持するため新会社で手掛ける。
住宅大手では、大和ハウス工業が2019年11月にネット専用の低価格帯商品を投入している。

5.ポラスグループ、マンション・戸建て 一体で 千葉・柏

住宅事業のポラスグループ(埼玉県越谷市)は、マンションと戸建て住宅の一体開発に乗り出す。街並みを統一した複合開発の新ブランド「ココロリゾート」を立ち上げ、第1弾として2019年末に千葉県柏市で分譲を始めた。2021年には船橋市でもマンションと商業施設を複合開発する。建設適地が少なくなってきた中、戸建て住宅などと組み合わせることで、土地の有効活用を図る。
柏駅から徒歩15分ほどの場所に、計196戸が入居するマンション2棟と戸建て住宅19戸を建てる。開発面積はマンションが8,142平方メートル、戸建て住宅2,846平方メートルの合計約1万平方メートル。
子育て世代をメインターゲットとして開発する。柏市の姉妹都市が米カリフォルニア州にあることから西海岸の街並みをイメージした明るい雰囲気にそろえる。道路からマンションの玄関までの約40メートルの歩道にはヤシの木を植える。
マンションと戸建て住宅の住民同士が交われるように、マンションと戸建て住宅の間には双方の住民が利用できる集会所を設置する。打ち合わせスペースのほか、子どもたちが使える図書館やキッチンを設ける見込み。ポラスグループで同事業を手掛ける中央住宅の金児正治取締役は「マンションと戸建て住宅をつなぐ役割を果たす建物にしたい」とコミュニティーづくりの場としての活用を期待する。
土地を有効活用するため、マンションと戸建て住宅の複合開発を決めた。通常、販売戸数の多いマンションは駅から徒歩10分圏内に開発することが多い。ただ、柏駅はJR常磐線や東武鉄道の東武野田線(アーバンパークライン)が通るターミナル駅で、1日の両社の乗降客数は約40万人にのぼる。戸建て住宅だけでなく、旺盛なマンション需要もあるとみている。
一方で、大規模なマンション建設には成形された広いスペースが必要。戸建て住宅のエリアを設けることで、マンション建設には不向きな土地も無駄なく活用する。
2019年12月から先行販売を始めた戸建て住宅は、売れ行きが好調。内観と外観が異なる8種類を用意し、2階建ての木造建築で120平方メートル超の敷地に建てる。
マンションは10階建てと13階建ての2棟で、2020年春の販売を予定する。間取りは2LDK(納戸付き)から4LDKまで。戸建て住宅は2020年4月に、マンションは2021年9月の完成を見込む。
千葉県では複合開発の動きが相次いでいる。大和ハウス工業は東武野田線の塚田駅前で分譲マンションや商業施設を開発し、2021年3月の完成を目指す。野村不動産ホールディングスと三菱商事は
2013年に入居が始まった新船橋駅前の「ふなばし森のシティ」を開発。マンションから病院、商業施設までを一体開発した。

6.家事サービス付き住宅 ポラスグループが分譲 東大宮駅周辺

住宅事業のポラスグループ(埼玉県越谷市)は、共働き世帯が暮らしやすい分譲住宅をJR東大宮駅周辺で販売した。掃除代行か料理代行のどちらかのサービスを6回分付けるほか、家事がしやすいように動線を工夫した設計にした。家事の負担を減らし家族の時間が増やせる住宅の提供を目指す。
分譲住宅「育実(はぐくみ)の丘 東大宮 サウスブロック」で13戸を販売した。家事代行サービスはイオングループのカジタク(東京・中央)が月に一回、約2時間訪問する仕組みで、6回分が終了した後も通常より安く利用することができる。家事代行サービスを安心して使えるように、ドアノブにオートロックを付けてプライベートスペースを確保できるオプションもある。
家事の時短に向け工夫した住宅も用意した。屋内で干した洗濯物を、たたまずに収納できるよう部屋干しスペースとクローゼットを一直線に並べた。片付けの手間を減らすため個人用ロッカーを4つ整備した住宅も販売する。そのほか、外出中でも来客対応ができる「外でもドアホン」や床暖房を外から操作できる給湯器なども付ける。
敷地面積は107平方メートル~132平方メートルで、間取りは2LDK~4LDK。販売価格は3,180万円~4,280万円。

7.住宅の水害リスク 説明義務化 国交省、不動産業者に

国土交通省は、住宅の売却や賃貸などを扱う不動産業者に対し、大雨が降った際の水害リスクを購入・入居希望者に説明するよう義務付ける。相次ぐ豪雨被害を教訓とする対策で、赤羽一嘉国交相が1月27日の衆院予算委員会で明らかにした。
居住前から危険性を認識してもらい、逃げ遅れを防ぐ。業者への周知が必要なため、導入時期は未定としている。
赤羽氏は「ハザードマップで浸水が予想されていた区域と実際の浸水区域がほぼ重なっている。事前のリスク情報提供が大変重要だ」と述べた。公明党の国重徹氏への答弁。浸水が想定される範囲や避難場所を示した市町村作成のハザードマップを示し、住まい周辺の危険性を具体的に説明することを業者に求める。
宅地建物の取引に関する法令は、土砂災害や津波の危険がある場合は業者が契約前に重要事項として説明しなければならないと規定。関係省令を改正し、水害リスクを説明事項に加える。

8.愛知の新設住宅48%が戸建て 宅地価格、東京より安く

「ゆとりある住まいに暮らせる」。愛知県が移住を誘う決めぜりふのひとつだ。愛知は2018年度の新設住宅着工のうち戸建てが48%と、2割台の東京や大阪はもちろん、全国平均(46%)も上回る。1戸あたりの床面積は広めの3LDKクラスにあたる84.34平方メートルだ。リニア中央新幹線の開業を控え、不動産需給は逼迫している。
大都市圏の中でも比較的広い家に住める愛知。東京、大阪との大きな違いは地価の安さだ。
-職住近接、堅実な県民性も戸建て志向に-
国土交通省と各都道府県のまとめた基準地価調査によると、愛知では住宅地の平均価格(2019年)が1平方メートルあたり10万3,500円だった。東京(37万4,300円)の3割以下。神奈川(17万9,500円)、大阪(15万500円)より大幅に安い。県によると、名古屋市内でも宅地・建物の取引価格は東京23区に比べ面積あたり半分以下という。
比較的手に届きやすい不動産価格に加え、愛知は土地や家屋の資産価値を重視する傾向が強いとされ、マンションなどの集合住宅よりも戸建てのニーズが高い。道路網が充実しているため、多少郊外に離れても職住近接の生活がしやすい。
新設住宅着工戸数は人口に準じて東京と大阪が最も多いが、1戸あたり床面積に目を向けると東京は61.66平方メートル、大阪も67.09平方メートルとともに最下位クラスだ。戸建て比率に至っては2割台にとどまる。三大都市圏にもかかわらず、半数が戸建てで、床面積も84平方メートル超の広さを誇る愛知の住みやすさを映し出す。
愛知の住宅着工は東海道新幹線が開業する前年の1963年度に初めて4万戸を超えた。リーマン・ショック後に急減したが、ここ数年は増えている。
足元では2027年のリニア中央新幹線開業に向け、中部全域に住宅ラッシュが起きている。岐阜は戸建て比率が69%、床面積は4LDKクラスも可能な101.51平方メートルと、秋田と並んで全国トップクラス。三重の床面積も90平方メートルを超えている。
-リニア開業で資材高騰、地域二極化も-
一方で、不動産需給の逼迫は地価や建築資材、人件費の高騰を招いており、愛知の住宅事情に影を落としかねない。中でも名古屋市近郊の地価は相対的にはまだ低いとはいえ、上昇ピッチが早い。基準地価調査によると、2019年7月時点の住宅地価格は名古屋市の上昇率が2.1%だった。知立市(3.6%)、刈谷市(3.4%)、安城市(3.0%)、長久手市(2.5%)で伸びが目立つ。
新設住宅1戸あたり床面積は大都市圏では広めとはいえ、2011年度に比べると15%減っている。減少率は全国平均(11%)よりきつい。一戸建て比率も同じ期間に10ポイント近く減っている。
名古屋市と距離が離れた知多地域や東三河地域との二極化も進む。2019年7月時点の住宅地の地価は南知多町が前年から5.1%、東栄町で4.4%下落した。少子高齢化による人口減がさらなる地価下落を招くスパイラルの状態だ。リニア開業効果を県内全域にどう浸透させていくかも愛知の課題だ。

→過去の住宅関連情報一覧へ


トップページへ


一つ前のお知らせ(建築・建材展 2020に出展)へ →


ページの先頭へ