1. 10月の新設住宅着工、前年比7.4%減 持ち家と貸家が下押し


国土交通省が11月29日に発表した建築着工統計調査によると、10月の新築住宅着工戸数は前年同月比7.4%減の7万7,123戸だった。持ち家と貸家の着工減少が影響した。
QUICKがまとめた市場予想の中央値(7.6%減)より下げ幅は小さかった。季節調整済みの年率換算値では前月比2.0%減だった。
持ち家は5.6%減の2万4,495戸と3カ月連続の減少だった。消費増税後で住宅購入の需要が減少していた。
貸家は16.5%減の2万9,417戸と14カ月連続の減少だった。金融機関による融資条件の厳格化で、民間資金による貸家の着工数が29カ月連続で減少したことが響いた。公的資金による貸家の着工数も減少した。
一方で分譲住宅は7.0%増の2万2,896戸と、5カ月連続で増加した。大型物件の着工でマンションが16.2%増の9,998戸だった。一戸建て住宅も1.4%増の1万2,726戸で「マンションに比べて割安なことから供給も伸びている」(国交省)という。


2019年(令和元年)10月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 77,123戸 Δ7.4%
持家 24,495戸 Δ5.6%
分譲住宅 22,896戸 7.0%
貸家 29,417戸 Δ16.5%

 

2.大和ハウス工業、最終増益

インターネット通販の拡大を受けて物流施設の需要が旺盛。ホテルなど商業施設も好調。賃貸住宅の苦戦を補い増収。物流施設など不動産の売却益も増加。営業段階から増益。増配。
海外不動産に投資する私募リートを組成。海外案件をリートに売却し、資金効率高める。

3.住友林業、最終増益

主力の国内の住宅・建築事業は消費増税前の駆け込み受注もあり堅調。木材事業は下期にかけ回復狙う。海外事業は拡大続く。実質増収だが会計基準の変更で減収予想。完工住宅も多く増益。
タイで初となる戸建て分譲事業を現地企業と組み開始。2020年から1,400戸を販売する計画。

4.パナソニックとトヨタの住宅統合会社、本社は品川に

パナソニックとトヨタ自動車は12月4日、両社の住宅関連事業を統合して2020年1月に発足する新会社の本社を東京都港区の品川グランドセントラルタワーに置くと発表した。取締役会は代表権を持つ社長と副社長を含む4人で構成し、両グループの出身者が2人ずつ就く。
新会社「プライム・ライフ・テクノロジーズ」の社長にはパナソニックで専務執行役員を務めた北野亮氏が、副社長にはトヨタ自動車の経理本部の西村祐氏が就く。出資比率はパナソニックとトヨタが同率とし、三井物産も出資する方向で協議中だ。傘下にパナソニックホームズやトヨタホームなどを置き、次世代の街づくりを担う。

5.積水化学工業、増益確保

高機能プラスチックは自動車向けの中間膜で欧州の新設備の稼働が寄与。配管材も国内の建築需要追い風に好調。住宅事業は消費増税前の駆け込み需要の反動減を見込むが、政府の下支え政策で補う。増収増益。7期連続で最高益。年間配当は前期比2円増の46円に。配当性向は3割。

6.住友不動産、経常益1割増 4~9月 4年連続で最高更新

住友不動産の2019年4~9月期は、連結経常利益が前年同期比1割増の1,300億円程度になったもようだ。同期間として4年連続で過去最高を更新した。企業業績の悪化から設備投資への影響が懸念されるものの、企業のオフィスビル需要は引き続き強い。既存物件がほぼ満室の状態で、賃料収入の増加が利益を押し上げた。
会社側は4~9月期の業績予想を開示していないが、経常利益は市場予想の平均(QUICKコンセンサス)を約50億円上回った。売上高は5%増の5,700億円程度だったようだ。
業績をけん引したのは既存ビルの賃料収入の増加だ。9月末の空室率は1%台と前年同月の4.3%から大幅に低下した。足元ではオフィスビル需要は減っていない。優秀な人材確保や働き方改革を背景に立地や機能性が高いオフィスの移転・拡張が続く。賃料の引き上げに応じる既存テナントが多く、引き上げ幅も大きくなっている。
前期までに完成した御成門タワー(東京・港)などの賃貸収入も加わった。新築のオフィスビルもほぼテナントが埋まった状態で稼働し始めている。
分譲マンションは都心のタワーマンションを中心に引き渡しが増えた。今期に計上予定の契約はほぼ確保したようだ。来期計上分の契約も順調に進んでいるとみられる。住宅リフォーム事業は、消費増税前の駆け込み需要が3月までに出ていたため、4~6月期は反動で受注が低迷したが、7~9月期は持ち直してきたようだ。
4~9月期の決算発表は11月12日に予定する。2020年3月期の通期業績は据え置くとみられる。売上高は前期比1%増の1兆200億円、経常利益は8%増の2,200億円を見込み、経常利益は7期連続で最高益を更新する。

7.トヨタホーム、災害時に強い家売り込み 電動車が電力

トヨタホームは11月9日から、愛知県豊田市で災害時の停電や断水に強い住宅のモデルハウスを消費者など一般向けに公開する。停電時にプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車から家まるごとに電力を供給できるシステムや断水時に使える飲料水タンクなどを備える。台風などで大規模災害が相次ぎ、防災や減災への関心が高まるなか、最新のシステムをそろえて需要を喚起する。
トヨタホームが豊田市で運営する総合住宅展示場「アトリスパークとよた」に、災害時に停電しても電力が供給できるような設備を複数備えたモデルハウスを設けた。
目玉が「ビークルトゥーホーム(V2H)」と呼ぶ電動車から電力を供給するデンソー製のスタンドなどから成るシステムだ。出力約6キロワットと冷蔵庫やエアコン、IH調理器など一般的な家庭の電力はまるごと給電できる。トヨタ自動車の「プリウスPHV」の場合、ガソリン満タンで最大約4日間供給できる。日産自動車など他社の電気自動車にも対応車種がある。新築時の設置費用は約120万円。
飲料水タンクは水道から新鮮な水を取り入れ断水時にためてポンプを使ってキッチンの蛇口などから水が使える。120リットルと4人家族で約10日分をまかなえるという。費用は約50万円だ。
このほかリチウムイオン蓄電池や家庭用燃料電池「エネファーム」、太陽光発電などを使ったシステムも提案する。各設備は順次販売を始めている。トヨタホームの山根満取締役は「台風災害でこれらの装置の問い合わせがきており、需要はかなり増えてくる見込みだ」と話す。

8.トヨタホームや大林新星和、大阪府で街開き SDGsを意識

トヨタホームとミサワホーム、大林新星和不動産は11月16日、大阪府吹田市で大規模戸建て街区の街開きイベントを開いた。
約8ヘクタールの敷地に3社の合計で303戸を建設する。太陽光や風力など自然エネルギーの活用や、街全体を冷やす環境技術の導入で、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」を意識したまちづくりにつなげる。
御堂筋線「江坂」駅から徒歩約15分に位置する街区で、大規模戸建てプロジェクト「千里 円山の丘」の街開きイベントを開いた。
太陽光と蓄電池、家庭用燃料電池の活用で、生成するエネルギー量と消費エネルギー量が一致する「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」など環境性能に優れた住宅を建設する。
環境データに基づき、街全体に風が通りやすいよう設計して、住宅周辺の気温を平均約1度下げてヒートアイランド現象にも対応する。トヨタホームの後藤裕司社長は「この町での新しい取り組みが、これからの日本の新しいお手本になるのではないかと期待する」と話した。

9.ポラスグループ、女性・高齢者向けマンション参入

ポラスグループの中央住宅(埼玉県越谷市)は、単身者向けコンパクトマンション開発に乗り出す。新ブランド「ルピアシェリール」を立ち上げ女性目線で開発した物件を発売したほか、シニア向けマンションの開発も検討する。女性の社会進出や高齢単身世帯の増加に合わせ、首都圏を中心に販売を強化し、分譲マンション事業の核の一つに育てる。
シューズクロークにはブーツやゴルフバッグなどもすっきり収納できる。
都営新宿線・菊川駅から徒歩2分の立地にあり、女性の暮らしやすさを追求した「ルピアシェリール森下」(東京・江東、14階建て全39戸)が9月に完成した。1戸あたり34~36平方メートルの1LDKで、販売価格は3,690万円から4,310万円。これまで30代を中心に会社員や公務員に販売した。
女性社員が企画し、働く女性の暮らしやすさを考えて設計した。ウオークインクローゼットは洋服の丈に合わせ棚の高さを動かせるようにし、下部スペースを有効活用できるようにした。洗面化粧台にはドライヤーやヘアアイロンをかけるフックを付けて整頓しやすいよう配慮。化粧道具を収納する小物入れも備えた。リビングの壁紙は5種類の中から2種まで選べ、好みに合わせたデザインにできる。
来春にも第2弾となる「ルピアシェリール」をJR南浦和駅周辺で販売する。女性の暮らしやすい物件だけでなく、シニア向けのコンパクトマンションの事業化も検討中だ。
首都圏で単身世帯が増加傾向であることから、専有面積が30~50平方メートルのコンパクトマンションに成長の余地があるとみて参入を決めた。不動産経済研究所によると、2018年の首都圏のコンパクトマンション発売戸数は3,237戸で4年連続で増えている。
同社はこれまで駅から徒歩10分前後の場所で戸建て分譲住宅を中心に販売してきた。今後は需要が高まっている駅から徒歩数分圏内のコンパクトマンションの開発も強化する。
中央住宅の2019年3月期の売上高は776億円。2020年3月期の分譲マンション事業の売上高は2017年3月期に比べ9割増の150億円になる見通しだ。「分譲マンション事業の5年後の売上高は200億円を目指しており、その2割近くをコンパクトマンションで占めたい」(金児正治取締役)としている。

10.消木造建築技術 新本社でPR ポラス系、来春完成

ポラスグループの子会社で、住宅の品質検査や地盤調査などを手掛ける住宅品質保証(埼玉県越谷市)は、新本社を建設する。木造3階建てで、外壁の一部をガラス張りにして木造建築をアピールする。
新本社は新越谷駅から徒歩約10分に位置し、グループ会社のポラテックの本社ビルの隣接地に建設する。延べ床面積は1,726平方メートルで、土地代を除く総事業費は6億円を見込む。完成は2020年3月を予定する。
新社屋では社員が固定席を持たないフリーアドレスを採用し、社員同士のコミュニケーションを密にする。ポラスグループ社員のサテライトオフィスとしての機能も持たせる。

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