1. 8月の新設住宅着工、前年比7.1%減 駆け込みなくなる、持ち家11カ月ぶり減


国土交通省が9月30日発表した建築着工統計調査によると、8月の新設住宅着工戸数は前年同月比7.1%減の7万6,034戸だった。減少は2カ月連続。10月の消費増税を前に、これまで一部にあった駆け込み需要がなくなり、持ち家が11カ月ぶりに減少した。
QUICKがまとめた市場予想の中央値(6.1%減)も下回った。季節調整済みの年率換算値では前月比2.1%減だった。
持ち家は1.6%減の2万4,027戸だった。消費増税の前に引き渡しを受けるための需要が減少したことが着工数に影響した。前回の消費増税時も、持ち家は2カ月前からマイナスに転じたという。
貸家は17.5%減の2万9,255戸と12カ月連続で減少した。金融機関が貸家向け融資の審査を厳しくしていることなどが響いた。首都圏、中部圏、近畿圏、その他地域のすべてでマイナスとなった。
分譲住宅は5.6%増の2万2,517戸と3カ月連続で増加した。マンションは首都圏と中部圏の大幅な増加が寄与し、11.1%増の1万159戸だった。一戸建て住宅は2.4%増の1万2,236戸だった。


2019年(令和元年)8月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 76,034戸 Δ7.1%
持家 24,027戸 Δ1.6%
分譲住宅 22,517戸 5.6%
貸家 29,255戸 Δ17.5%

 

2.住宅ローン金利、長期固定で0.6%台も 変動型と拮抗

住宅ローン金利でこれまでになかった現象が起きている。住宅ローンの金利は、金利上昇リスクを抱える変動型が最も低く、固定期間が長くなるほど高くなるのが常識だ。しかし、9月に入り全期間固定型と変動型の金利が実質的にほぼ同じになっている。8月の金利急低下の余波が、家計に影響の大きい住宅ローンにも押し寄せている。

3.商工中金、工務店に災害時の融資枠 仮設住宅迅速に

商工組合中央金庫は地域の中小工務店に対して、災害時に緊急で資金を届けるための5億円の融資枠を設ける。申請の翌日に工務店へ資金を送れる体制にする。災害発生後に工務店が資材や人員を確保するための資金を得やすくして、仮設住宅の迅速な整備につなげる。
約3千社の工務店で構成する全国木造建設事業協会と連携する。同協会は35の都道府県と協定を結んでおり、災害時に仮設住宅建設の要請に対応できる工務店をあっせんしている。
湿度の調節がしやすく、住み心地が良いとされる木造の仮設住宅を提供する。工事を受注する工務店に対して、商工中金が協会経由で即時に融資を実行できるようになる。
商工中金は2018年11月に、災害時に地域への燃料供給の役割を担うガソリンスタンド整備に向け、国からの補助金が支給されるまでのつなぎ融資の枠組みを設けた。中小事業者が集まってつくる組合を通じた融資を充実させて、細かい資金需要に対応する。

4.ゆうちょ銀行、住宅ローン再開 ソニー銀商品を取り次ぎ

ゆうちょ銀行は9月20日、住宅ローンの取り扱いを10月1日に再開すると発表した。ソニー銀行の商品を取り次ぐ。以前はスルガ銀行の住宅ローンを取り次いでいたが、同行の投資用不動産向け融資の不正行為を受けて5月に提携を解消していた。
ゆうちょの233店の直営店のうち41店で扱う。新生銀行の住宅ローンも2020年初めから取り扱う方向で調整している。政府の間接出資が残るゆうちょは、民業圧迫を避けるため融資が認められていない。他行の住宅ローンを取り次いで手数料を受け取る。

5.大和ハウス、顧客がネットで住宅設計 3~5割安く

大和ハウス工業は11月から、顧客がインターネット上で戸建て住宅のデザインや設備などを決め、概算価格を示す商品を販売する。展示場や紙のカタログをなくして販売コストを削り、価格を2,000万~2,500万円と同社の平均購入額より3~5割安くする。
顧客はウェブ上で約90パターンの間取りと10の外観デザイン、5つのインテリアスタイルを選ぶ。台所など住設機器も組み合わせると、概算の価格が出る。顧客が建てたい家をある程度固めたうえで、営業担当者らと面談して詳細を決める。
展示場の維持費やカタログの印刷代がかからないため価格を大幅に抑えられる。一方、1,000万円台などの価格で住宅を供給する「パワービルダー」との競合は避ける考えで、エネルギー消費が実質ゼロになる「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」を基本とする。値引きもしない。
若いファミリー層ら初めて家を買う消費者に低価格と、好みの部材やデザインを組み合わせる楽しさをアピールする。
大手住宅会社は2000年代にネット専用住宅を相次いで投入したが、販売は伸びなかった。大和ハウスも取り扱いをやめていたが、消費者がネット通販などに親しむようになったことから、需要が見込めるとみて、再び始めることにした。

6.「Maasでまちづくり」 トヨタホーム後藤社長

トヨタホームはミサワホーム、パナソニックホームズと2020年に住宅・建設・まちづくり事業を手がける新会社「プライム・ライフ・テクノロジーズ(PLT)」を設立する。トヨタホームの後藤裕司社長に今後の展望を聞いた。
-PLTの役割は。
「情報が自由化されるなかで、価値観が多様化して人々の生活も変わっていく。自動運転などの次世代技術や、次世代移動サービス『MaaS(マース)』を取り入れた住宅インフラサービスを提供する。幅広い層の方々が安心して、生き生きと暮らせる社会をつくっていきたい」
-具体的にどのような場所を想定しているのですか。
「インターチェンジ付近など、従来は住宅地に向いていなかった地域に新たな価値を提供する。まちづくりには行政機関との連携も必要で、10~20年かけて、着実に進めていく。当社は自動車の知見を強みとしており、マースを実際のサービスに移すときにノウハウを提供できる」
-トヨタホームのブランドは残りますか。
「PLTの設立後もトヨタホームのブランドは残る。ミサワホーム、パナソニックホームズと共同で先進技術を開発する。また部材の共同調達や物流の合理化でコスト低減も進める。それぞれのブランドが強みを持つ地域で、これからも住宅を提供していく」

7.セキスイハイム中部 体験型施設を拡充 宿泊も

セキスイハイム中部(名古屋市)が新しい体験型ショールームを拡充している。VR(仮装現実)を活用して家作りの工程を紹介。実際に宿泊できる施設を設け、同社の住宅の性能や使い勝手の良さをアピールする。若い世代の夫婦を中心に新築やリフォーム需要の取り込みを図る。
今年4月、宿泊体験できるショールームを名古屋市に開設した。2×6(ツーバイシックス)工法の木質ユニット住宅の遮音性や気密性などを疑似体験してもらうのが狙いで、完全予約制だ。食材を持ち込めば実際に調理もでき、「においがこもりにくい換気システムの良さを知ってもらえる」とPRする。
8月に岐阜市に開設したショールームには、最新のVR機器を導入。戸建ての完成するまでの工程を疑似体験できる。耐震性をPRするため、大規模地震を想定したシミュレーション用の映像も作成した。
同社によると、新しい体験型のショールームは2018年5月に1号店を開設したのを皮切りに、現在、愛知と岐阜、三重の3県で9施設を展開する。
うち4つがリフォームの需要に対応する施設で、CG(コンピューターグラフィックス)で施工後の間取りや設備がリアルに分かるサービスなどを提供。「戸建ての主要な購買層である若い世代の来客が増えた」(担当者)という。
トヨタホームやウッドフレンズなど同業の他社もVRを活用した新型のショールームに力を入れている。最新のIT(情報技術)を駆使して五感に訴え、若い世代など潜在的な購買層を取り込む動きは加速しそうだ。

8.日本ハウス、営業黒字に転換 2018年11月~2019年7月期

日本ハウスホールディングスが9月5日発表した2018年11月~2019年7月期の連結決算は、営業損益が4億6,500万円の黒字だった。前年同期は3億7,100万円の赤字だった。消費増税を控えて住宅の受注が好調だったのに加え、人材確保が進んで作業が比較的順調に推移したのも寄与した。
売上高は前年同期比8%増の301億円。前期に子会社の売却益を計上した反動もあり、純利益は65%減の3億2,100万円だった。
2019年10月期通期は売上高が前期比7%増の490億円、純利益が約57倍の33億円とする従来予想を据え置いた。

9.積水ハウス、純利益34%増 2~7月、戸建て・海外けん引

積水ハウスが9月5日発表した2019年2~7月期の連結決算は、純利益が前年同期比34%増の774億円だった。同期間としては過去最高を更新した。戸建て住宅の販売が大きく伸び、米国の賃貸住宅などの売却益もあった。併せて発行済み株式総数(自己株式を除く)の0.73%にあたる500万株、100億円を上限に自社株買いを実施すると発表した。
売上高は20%増の1兆2,078億円。事業別では実質的なエネルギー消費がゼロになる「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」などが好調な戸建て住宅が20%増、海外が2.5倍となった。
営業利益は44%増の1,130億円だった。10月の消費増税の影響について、稲垣士郎副会長は「政府の支援もあり駆け込みも反動減も非常に小さく、今後の受注は心配していない」と説明した。
2020年1月期通期は売上高は前期比10%増の2兆3,670億円、純利益は8%増の1,390億円とする従来予想を据え置いた。
自社株買いの期間は9月6日から2020年1月31日まで。株主利益向上を図るためなどとしている。
同日、企業統治を強化するため取締役の任期を2年から1年に短縮し相談役も廃止する方針を決めたと発表した。2020年4月開催予定の株主総会に定款変更を付議する。

10.シャープ、停電時も家中に電力供給 住宅向け蓄電池

シャープは10月2日、停電時にも家中に電力を供給できる住宅向け蓄電池システムを2020年1月に発売すると発表した。これまでは特定のコンセントのみ使用できたが、家中のコンセントが使えるようにした。災害による停電を受け、蓄電池への関心が高まっている。停電しても安心して生活できるとし、販売拡大を狙う。
蓄電池とパワーコンディショナー、コンバーターを組み合わせて提供する。価格は税別260万円で、月産1,000台を目指す。
最大出力電力と出力電圧を従来製品に比べ大幅に高めた。エアコンやIHクッキングヒーターなどの機器も利用できるほか、同時に多くの機器に供給できる。蓄電池を2台組み合わせると、テレビや冷蔵庫、エアコンなど様々な機器を長期の停電時にも安心して使えるとしている。
従来製品に比べ体積は5%小さく、新築だけでなく既存の住宅にも設置しやすい。停電への備えとして導入する需要の取り込みに加え、余剰電力買い取り制度の期間満了を迎える人にも売り込む。住宅用蓄電池全体で2019年度に2018年度比2倍となる2万台超の販売を目指す。

11.京セラ、住宅用蓄電システムを発売 次世代型電池量産へ

京セラは10月2日、次世代型リチウムイオン電池を使った新たな住宅向け蓄電システムを2020年1月に発売すると発表した。材料に新技術を活用し製造コストを抑え、長寿命化と安全性の向上も実現。当面は試作ラインで少量生産し、2020年秋に生産ラインを稼働させて本格量産を始める。
京セラは新型の住宅用蓄電システムを2020年1月に発売する。
発売するのは住宅用蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」。リチウムイオン電池は電極の間を電解液で満たすが、京セラは電解液を電極に練り込んで粘土状にする独自技術を開発。電極を厚くして層の数を減らし、集電体や電極と電極を仕切るセパレーターも削減することで原材料費を3割削減した。
京セラがリチウムイオン電池を生産するのは初めて。約100億円を投じて滋賀野洲工場(滋賀県野洲市)に新たな生産ラインを設け、2020年秋に本格量産を始める計画。年間2万台の販売を目指す。同社はエネルギー密度を高められる新技術も開発中で、将来的には住宅向けだけでなく工場など産業用途の蓄電システムや、電気自動車(EV)のバッテリーなどにも活用できるという。
エネレッツァは容量別に3つのタイプを用意。携帯電話の回線と接続して稼働状況の遠隔監視や遠隔操作をできるようにした。外観は京セラのデザイナーがデザインし、継ぎ目の少ない曲面に覆われたデザインにして住宅空間に溶け込みやすくした。
11月には固定価格買い取り制度(FIT)の買い取り期間が終わる「卒FIT」の家庭が出てくるため、太陽光発電の電力を売電せずに蓄電システムを使って自家消費する家庭が増える。今後6年間で毎年20万件程度の蓄電池購入対象顧客が誕生する見込み。小谷野俊秀ソーラーエネルギー事業本部副本部長は「京セラならではの製品を届けて再生可能エネルギーの普及を後押ししたい」と語った。

12.京セラ、太陽光発電リース新会社

京セラは新電力事業者などに太陽光発電システムをリースする新会社を設立した。新電力は大手電力に比べて資金力が乏しく、太陽光発電を導入する初期投資が負担になっていた。住宅向けに加え、法人向けでも初期費用ゼロで導入できる仕組みを整えることで、京セラが製造する太陽光パネルの導入につなげる。
新設した京セラEPA合同会社(京都市)は初期費用無しで太陽光発電を導入できるサービスを提供する。契約した新電力などは発電量に応じた料金を京セラに支払う仕組み。新電力は太陽光発電を企業の工場や本社に売り込みたいが、資金力が乏しいため、普及が遅れている。

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