1. 6月の新設住宅着工、前年比0.3%増 市場予想上回る


国土交通省が7月31日に発表した建築着工統計調査によると、6月の新築住宅着工戸数は前年同月比0.3%増の8万1,541戸だった。QUICKがまとめた市場予想の中央値(2.7%減)を上回った。季節調整済みの年率換算値では前月比2.4%増。持ち家と分譲住宅の着工が好調だった。
持ち家は前年同月比12.9%増の2万8,394戸と9カ月連続で増加した。一部の富裕層が消費増税前に一括で住宅を購入していることが増加に寄与した。
分譲住宅は7.8%増の2万1,870戸と3カ月ぶりに増加に転じた。内訳は、マンションが4.2%増の8,597戸、一戸建て住宅は10.0%増の1万3,096戸だった。中部圏や近畿圏でのマンション着工の伸びが増加をけん引した。
一方、貸家は12.2%減の3万645戸と10カ月連続の減少だった。金融機関による融資条件の厳格化などを受けて「民間資金による貸家」が25カ月連続減少となり、公的資金による貸家も減少したことが影響した。
同時に発表した4~6月期の新築住宅着工戸数は前年同期比4.7%減の23万3,511戸だった。内訳を見ると、貸家が14.9%減の8万6,320戸、分譲住宅が3.8%減の6万6,498戸となった。持ち家は9.6%増の7万8,656戸だった。


2019年(令和元年)6月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 81,541戸 0.3%
持家 28,394戸 12.9%
分譲住宅 21,870戸 7.8%
貸家 30,645戸 Δ12.2%

 

2.消費増税前の駆け込み「前回と比べ限定的」 日銀分析

日銀は7月31日、2019年10月の消費増税前の駆け込み消費に関する分析結果を公表した。自動車や住宅などで駆け込み的な需要の増加がみられるとしたうえで「2014年4月の消費増税時と比べ規模は限定的だ」と指摘した。個人消費や住宅投資は増税後に一定の反動減が生じるものの、2020年度後半にかけて持ち直し、景気の下押し効果も前回増税時よりは軽微とみる。
同日公表した7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の全文のなかで、日銀が算出する消費活動指数などを使った分析結果を示した。
消費増税の1年半前と比べた場合、今回は増税5カ月前の時点で車や家電の販売はおおむね5~10%程度伸びている。ただ前回は同じ時点で10~20%程度伸びており、盛り上がりに欠ける。住宅着工も持ち家と分譲戸建ては拡大基調だが、前回ほどの勢いはなかった。
日銀は駆け込みが限定的な理由について、今回の増税幅が2%と前回(3%)より小さいことが一因とみる。ポイント還元などの政府の増税対策も需要の振幅を抑えており、「駆け込みで生じる需要の『山』が高くないため、反動減という『谷』も深くはならない」(日銀幹部)との見方だ。
もっとも、消費増税時は物価上昇に伴い家計の実質的な所得が目減りし、消費を抑えるという現象も生じやすい。日銀内には「駆け込みは小さくても、こうした負の影響が景気や物価を下押しするリスクまでは読み切れない」との声もある。

3.住宅ローン金利、全期間固定型が1%切る水準に

住宅金融支援機構の全期間固定型住宅ローン「フラット35」の金利が7月、過去最低金利を更新し年1%を切る商品が現れた。大手銀行の変動型金利との差も過去最小の水準となり、固定型の優位性が増している。金利を固定する好機ともいえるが、新規借り入れか借り換えかで、選択肢は異なるようだ。
「保証型」の選択肢広がる
「フラット35」は住宅金融支援機構が金融機関と提携して扱う全期間固定金利型の住宅ローンだ。支援機構が金融機関から債権を買い取る「買取型」と、利用者が返済できなくなった場合の保険を支援機構が提供する「保証型」がある。
主力は300以上の金融機関が扱う買取型だがここ数年、保証型の伸びが目立つ。2018年度の保証型の新規融資額は前年度比75%増の2,420億円。保証型の方が金融機関の自由度が高く、頭金比率などで厳しい条件を設けることにより、買取型より低い金利を提供できるからだ。
6月24日からクレディセゾン、7月からは住信SBIネット銀行が保証型の取り扱いを始めるなど、新規融資を受け付ける金融機関が6機関に増え、選択肢が広がっている。
7月の金利は買取型(借入期間21~35年、融資率9割以下)の最低金利が1.18%。保証型(融資率8割以下)は住信SBIネット銀が0.97%と1%を切る金利を打ち出した。
過去最低水準に
2017年10月以降のフラット35の金利は団体信用生命特約料込みが原則なので、それ以前と単純比較は難しいが「7月の1.18%という金利は過去最低水準」と住宅ローンコンサルティングMFS(東京・千代田)の中山田明社長は指摘する。
買取型も保証型も、省エネ性能などで一定基準を満たす住宅なら「フラット35S」と呼ぶ金利優遇制度が使え、最長で当初10年間、金利がさらに年0.25%下がる。最近はフラット35利用者の大半がこの優遇を受けている。優遇が適用されれば保証型の金利は0.7%台まで下がる。
フラット35を一般の住宅ローンと比較してみる。
住宅金融支援機構が今年4月に行った調査によると、一般の住宅ローン利用者の60%が変動型、25%が固定期間選択型を選んでいる。固定期間選択型とは、当初一定期間だけ金利が固定されるタイプで、主力は当初10年固定型だ。
金融機関が独自に提供する変動型や当初10年固定型の金利も非常に低い水準にある。10年固定型の7月適用分の最優遇金利は三菱UFJ銀行が0.69%、三井住友信託銀行が0.65%(保証料型)など。ただ、10年が経過した後の金利は上昇するのが一般的だ。
借り換え用は高め
もう一つの変動型はここにきて金利引き下げの動きが鈍い。MFSが調べた平均値によると、7月はインターネット銀行で0.48%、大手銀行は0.59%と前月から変化がなかった。既に限界まで金利を下げている銀行が多いからだ。
その結果、フラット35と変動型、当初10年固定型との金利差は、かつてないほど縮まっている。この差を「将来の金利上昇リスクに備える保険料」ととらえれば、極めて低いコストで金利上昇に備えられる。新規で借りる人はフラット35が有力な選択肢になる。
ただ、借り換えの場合は事情が異なる。フラット35が有利なのは主に新規で住宅ローンを借りる人だ。ARUHIや住信SBIネット銀には借り換え用の保証型もあるが、金利は新規融資用より高め。例えばARUHIの「スーパーフラット借換」の金利は年1.13%。フラット35Sも借り換えは対象外となる。
残り期間が短いと逆効果
銀行は変動型について、借り換えの利用者に新規より低い金利を提示するケースが多い。残りの返済期間が短いなら金利上昇リスクにさらされる期間も短くなる。「金利差分を払ってまで全期間固定型を選ぶ方がいいかどうかはケースによる」(中山田氏)
半面、借り換えには手数料などの諸費用がかかるため、残り期間が短すぎると逆効果になりかねない。一般には「残りの返済期間10年以上、残債1,000万円以上、借り換え前後の金利差1%以上」が借り換えが有利になる目安となる。
8月以降の金利にも気を配りたい。長期金利の低下が今後も長引くかは予断を許さない。低金利とはいえ、借入額をむやみに増やさず、収入からみて無理のない返済額にとどめる注意も欠かせない。

4.住むなら愛知」後押し 名古屋銀行が新住宅ローン

中部地方の金融機関が首都圏からの移住拡大の後押しに動きだした。名古屋銀行は今夏から、東京23区から移住・就職した人に、支給条件を緩和した新たな住宅ローンをスタート。十六銀行も岐阜市への移住者向けに新たな住宅ローンを始めた。2027年のリニア中央新幹線開業でアクセスの大幅な向上が見込まれる中、中部への移住を増やし活性化につなげる。
愛知県は6月1日、23区内から県内に移住し、県のマッチングサイトに掲載した企業に就職するなどの条件を満たす人に最大100万円の移住支援金を支給する制度を始めた。名古屋銀行は同制度に連動し、7月18日から支援金の受給対象者向けの「地方創生『移住・定住』住宅ローン」をスタートした。
通常は申し込みに「勤続年数2年以上」「前年の税込み年収300万円以上」といった条件があり、移住後もすぐ申し込めなかった。新住宅ローンは、県の移住支援金の受給者で「保証会社の保証を受けられる」などの条件を満たせば申し込める。移住から間もない人も受給できるようにし、移住を後押しする。
融資金額は200万円以上1億円以内(10万円単位)で、融資期間は1~35年以内(1年単位)となる。同行は県内全本支店にパンフレットを置いて宣伝するほか、東京支店を窓口に23区内の人に周知していく。
8月1日に県庁を訪問した藤原一朗頭取は大村秀章知事に「私自身も移住者で、16年前のきょう東京から名古屋銀に来た。地元の地銀としてお手伝いしたい」と述べた。大村知事も「東京圏からのUIJターンを大いに後押しするものだ。愛知県への人材環流を一層促進していく」と応じた。
移住者を対象とした金融支援の試みは岐阜県でも始まった。十六銀行が岐阜市に移住・定住する人を対象にした住宅ローンの取り扱いを7月から始めた。従来は会社勤めは2年以上、自営業は3年以上だった勤続年数の条件を撤廃。年収も400万円以上を100万円以上に引き下げた。
同行が移住者向けの住宅ローンを販売するのは岐阜市が同県内で10市町村目だ。今回の住宅ローンは世帯人数2人以上などが条件で、同市に移住・定住する人を対象に最大1億円を融資する。少子高齢化が進むなか、地域の活力を金融面で支援する。
中部の自治体や金融機関が移住支援に動くのは、2027年のリニア開業が背景にある。東京・品川―名古屋が約40分で結ばれ、中部と東京圏のアクセスが飛躍的に向上する。
中部の魅力をアピールする絶好の機会になる一方、人口流出の懸念もくすぶる。例えば愛知県の場合、2018年9月末までの1年間で東京圏との間は差し引き1万22人の転出超過だった。20~24歳の若年層が2,689人と最も多い。リニア開通によるストロー化現象で流出が加速する懸念もある。
県は2017年5月に品川駅前に首都圏からの移住を促進する「あいちUIJターン支援センター」を設置。2018年度から東京圏や関西圏の大学と就職支援協定を結び、若年層へも働きかけている。中部地方は東京圏に比べて住宅の建設費用や物価などが安く、通勤時間も短くなるケースが多い。こうした割安の生活コストや職住近接の魅力をアピールし、人口増加につなげる考えだ。

5.若くて持ち家、借金膨らむ 20~30代の残高最高に

若い世帯の借金が膨らんでいる。2018年の20~30代の負債残高は政府による現行調査が始まった2002年以降で最高となった。持ち家志向が強く、住宅ローン残高が増加している。ローン金利の低さなどから「賃貸住宅に住むよりも得」と判断した人が多いが、負債を抱えたことで普段の消費は節約に努める傾向が見える。
JR横浜駅から私鉄で5分ほどの住宅地。会社員の女性(37)は延べ床面積100平方メートル超の戸建て住宅を建設する計画だ。家族4人で暮らすマイホーム。今住む社宅から年内に移る計画だ。
女性は同じ条件の住宅を借りた場合の月間コストを計算した。住宅ローンを借りて購入する方がおよそ10万円安いという結果になり、「持ち家が得」と判断した。「働いているうちに住宅ローンを払い終える」という計画で、退職した後は売却する選択も思い描く。
彼女のような30代までの人による戸建てやマンションの購入が活発だ。日本総合研究所の根本寛之氏が国勢調査を基に調べたところ、2000年に46.6%だった30代の持ち家比率は2015年に52.3%まで高まった。
これに合わせて若い世帯が抱える住宅ローンも増えた。総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、世帯主が30~39歳の家計の全負債額は2018年に1,329万円と、調査が始まった2002年以降で最高。2002年比で1.8倍だ。29歳以下も675万円と2.7倍になった。
一方、50代の世帯の負債額はほぼ横ばいの傾向にある。根本氏は「持ち家比率の上昇は若年層に限られる」と指摘する。
日銀の超低金利政策による住宅ローン金利の低下で購入を決めやすくなったことが知られるが、原因はほかにもある。
一つには企業が社宅や賃貸補助を減らしたことが影響している。経団連によると企業の住宅関連の福利厚生費は2017年度に従業員1人当たり月1万1,436円。ピークの1996年度に比べ3割減った。低負担で賃貸住宅に住みながら貯蓄する機会が減り、購入に踏み切るタイミングが早くなった。
第一生命経済研究所の星野卓也氏は「大都市への人口集中が続き、都心の不動産は価値が下がりづらいという見方が購入動機になっている」と推測する。ある都内のタワーマンションの営業員は「山手線の内側は下がりにくい」という売り文句で取得を勧めている。
このように生涯のコストを考えて購入しながらも、日常生活では節約を迫られる若者が多い。可処分所得に対する消費支出の割合を示す消費性向について内閣府は「若年層は低下傾向にある」と指摘し、理由として住宅ローンで支出の余力が落ちていることを挙げる。
日本政策投資銀行は総務省による5年に1度の全国消費実態調査を基に2人以上の勤労者世帯を分析した。1999年には住宅ローンのある世帯の方が住宅ローンのない世帯より消費支出が多かったが、
2004年に逆転。2014年にはローンのある世帯が月31万3千円だったのに対し、ローンなしの世帯は33万1千円だった。
今は低位で安定している金利が上がれば、ローンを抱える世帯がさらに消費に慎重になる可能性もある。住宅金融支援機構の調査によると、2018年10月~2019年3月に変動金利で借りた人の割合は60.3%と過去最高。10年前に比べると15ポイント以上も高くなっている。
2018年の家計調査によると、世帯主が30代の家計の負債(1,329万円)に対して貯蓄は631万円だ。負債は貯蓄の2.1倍で、10年前の1.3倍から急拡大した。
2千万円の老後資金が必要とした金融庁金融審議会の報告書。計画的に資産をつくる必要を訴える狙いだったが、「30~40代は負債超過で資産形成どころではない」と指摘する声も上がった。
多重債務など社会問題になった場合を除くと、個人の債務は政府や企業に比べ政策の論点になりにくかった。低金利がもたらした若い世帯の債務増加は、そんな状況を変えるかもしれない。

6.セキスイハイム中四国、松江に体験型展示場 7月6日開業

積水化学工業の子会社、セキスイハイム中四国(岡山市)は7月6日、松江市に体験型ショールーム「セキスイハイムミュージアム松江」を開業する。家づくりについての情報を拡張現実(AR)や映像などを用いて分かりやすく説明し、顧客の獲得を目指す。
同社の体験型ショールームは中国地方では岡山市、広島市に続き3カ所目。完全予約制で、開館は午前10時~午後6時。火・水曜日が定休。1、2階のフロアに開設し、延べ床面積は約230平方メートル。雨天や湿気が多い山陰地域で住宅を建設する際の注意点を、材料の選び方なども含めて解説する。

7.ヤマダ電機にセンチュリー21が出店 家電と住宅、セット販売

家電量販店最大手のヤマダ電機は不動産仲介大手センチュリー21・ジャパンと業務提携する。ヤマダの店舗内にセンチュリー21の加盟店が出店し、家電と住宅、住宅ローン商品などをセットで提供する。ヤマダは自社でも不動産仲介を手掛けているが不動産取引の有資格者の確保に難航している。提携を通じて事業拡大の基盤を整える。
センチュリー21・ジャパンがヤマダ電機の店舗内で不動産事業を担う(写真は出店ブースのイメージ)
センチュリー21が出店するのは、家電に加えて家具や雑貨、住宅を扱うヤマダの新業態店「家電住まいる館」。現在は80店あり、年内に100店、2020年度末までに最大300店体制にする計画だ。「宅地建物取引士」の有資格者を大量に確保する必要があった。
家電販売は少子化による市場停滞やネット通販との競合などで厳しい状況が続く。ヤマダは住宅関連を「家電の次」に位置づけ育成を急いできたが、業績への寄与はまだ少ない。提携を通じててこ入れを目指す。
センチュリー21はフランチャイズチェーン(FC)方式で全国に不動産店約950店を持つ業界大手だ。年間取引件数は売買が3万件、賃貸は10万件に上る。多くの買い物客が訪れるヤマダの店舗内への出店は顧客の開拓にもつながる。出店する加盟店はヤマダともFC契約を結び「ヤマダ不動産」の看板を使う。
センチュリー21で住宅を買った人がヤマダ傘下の金融子会社で住宅ローンを組むと、ヤマダ電機のポイントを通常より多く付与するサービスなども検討する。

8.ヤマダ電機と大塚家具がコラボ店舗 業務提携を加速

家電量販店最大手のヤマダ電機と家具販売店の大塚家具は7月17日、両社の品ぞろえを合わせたコラボレーション店舗を開くと発表した。ヤマダが運営する住宅関連に特化した新型店の改装を機に、大塚が家具を供給する。両社は2月に業務提携しており、人材派遣や接客ノウハウの協力を進めてきた。商品面でも提携を加速、相乗効果を探る。
7月19日に改装開店する「インテリアリフォームYAMADA前橋店」(前橋市)に大塚家具の商品をそろえる。同店は家電を置かないヤマダの新型店で、家具や日用雑貨、リフォーム関連を中心に販売している。
大塚家具が提供するのは家具やじゅうたん、寝装品など約900点。パキスタン製の手編みじゅうたんや無垢(むく)材の天板、子ども用家具などが加わる。ソファでは5万~70万円まで広い価格帯の商品をそろえ、来店客の選択肢を広げる。同社から社員5人も店舗に出向し、ヤマダの販売員に接客手法を共有するという。
両社は提携以来、大塚家具からヤマダ店舗に20人の従業員を派遣したほか、ソファの商品提供も進めてきた。

9.積水ハウス、ロボやドローンで住宅点検 クラウド経由で即時診断

積水ハウスは7月16日、自社で建てた戸建て住宅を対象に、複数のロボットやドローンを使った点検サービスを8月1日から始めると発表した。床下や屋根などをカメラで撮影し、クラウド経由で画像をオフィスと共有。専門スタッフが不具合の有無を即時に診断する。
「スマートインスペクション」の名称で展開する。同社が独自に行っている戸建て住宅の定期点検のうち、引き渡し後10年、20年、30年の時期に無料で行う。具体的にはドローンを飛ばして屋根の上を、2種類のロボットを活用して床下や天井裏の様子を搭載カメラで撮影。オフィスに待機する同社の専門スタッフがすぐに画像を確認し、不具合がないかどうかを診断する。
現状は2人かがりの点検を1人で行い、時間も短縮できる。現状の屋根の点検は高所カメラを移動させながら撮影するため時間がかかり、屋根の形状によっては撮影できない箇所もあるが、ドローンによる点検は5分程度で済み、全ての箇所を詳細に確認できる。床下や天井裏の点検では作業員が潜り込むなどの負担が無くなるため、作業員の人手不足や高齢化にも対応する狙いがある。

10.グランディハウス、神奈川の住宅会社買収

戸建て分譲主力のグランディハウスは7月8日、神奈川県で戸建て分譲や土地売買を手がけるプラザハウス(川崎市)とウェルカムハウス(同)を買収すると発表した。7月19日付で両社の全株式を取得し、完全子会社とする。栃木地盤のグランディは千葉や埼玉には進出しているが、都内や神奈川の営業が手薄だった。買収をテコに南関東で住宅販売を加速する。
プラザハウスとウェルカムハウスは川崎市を中心に田園都市沿線で不動産の売買、仲介を手がける。両社の決算期は異なるが、単純合算した売上高は約28億円。グランディは両社の全株式を保有するプラザハウスの社長から株式を取得する。買収額は公表していない。

11.ミキ株式会社、震度7に5回耐える住宅を展開 太陽光で光熱費ゼロ

注文住宅などを手掛けるミキ株式会社(石川県小松市)は8月3日、高い耐震性をもつ住宅の販売を始める。国の指標で最も高い耐震等級3をもつほか、震度7の地震に5回耐えられる構造をとる。太陽光発電で全ての消費エネルギーをまかなうことで、光熱費の負担もなくす。生活コストを減らしながら安全な暮らしを求める20~30代の若い家族層の需要を見込む。
9月末まで、小松市内にモデルハウスを一般向けに公開する。木と鉄を組み合わせて住宅を造るパナソニックの耐震工法「テクノストラクチャー」によって、高い耐震性を備える。
同住宅は全ての電力を太陽光でまかなってエネルギー消費を実質ゼロにする「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」とした。オール電化に対応して、屋根の部分に太陽光パネルを設置する。
モデルハウスの価格は土地代や消費税などを入れて2,488万円。別の土地で新築を建てたい消費者にも対応する。同社の谷内隆一社長は「防災意識の高まりで耐震性の高さを求める消費者が増えている」と語る。

12.東北電力「仮想発電所」を本格化 卒FITに別メニュー

東北電力が複数の太陽光発電設備などをまとめて管理する「仮想発電所」(VPP)の事業化へ向け、取り組みを本格化している。固定価格買い取り制度(FIT)後の新サービスとしてVPPを活用したり、自治体や外資と協定を結んだりするなど、他社よりも遅れていた実証を強化し巻き返しを目指す考えだ。
東北電は2018年度にVPPの実証事業を始めた。太陽光発電や蓄電池など地域に点在する電源を、あらゆるものがネットにつながる「IoT」技術を通して一括制御し、無駄のない電気の活用を目指している。
一方、東京電力や関西電力などは2016年度から実証を始め、東北電は遅れる形となっていた。
VPPの事業化には多くの電源を対象に実証を展開し課題などを洗い出すことなどが鍵となる。
東北電は11月、住宅用の太陽光発電で余った電力を1キロワット時当たり9円で買い取るサービスを始める。いわゆる「卒FIT」向けサービスだが、別メニューとしてVPPを活用したサービスも展開する。
家庭の太陽光発電設備をVPP実証の電源として組み込んでもらう代わりに、電子マネーなどと交換できるポイントを付与する。卒FIT向けサービスにVPPを活用するのは国内初で、最大100人を対象に募集を始めている。
翌日の太陽光の発電量を予測して蓄電池を最適に制御し、充放電を繰り返すことで家庭にとっては蓄電池の長寿命化につながる。東北電にとってもVPPを事業化する上でのノウハウを得ることができ、一石二鳥だ。
「海外大手の知見や技術を活用し、VPP事業化を目指したい」。東北電の石山一弘執行役員(現常務執行役員)は5月、ドイツのVPP大手ネクストクラフトベルケと協定を結び、期待を込めた。
ネクスト社は欧州を中心に再生可能エネルギーを販売し、VPPの出力は計約700万キロワットと原子力発電所7基分に相当する。
ネクスト社は複数の設備ごとに発電量の予測や測定ができるシステムを手掛けている。東北電は実証にネクスト社のシステムを活用するが、VPPの本事業にも採用することを検討している。
ネクスト社のアレクサンダー・クラウツ部長は「東北は太陽光などの再エネが多く、これからも再エネが増えるだろう。電力の安定網を維持するノウハウを提供したい」と話している。
東北電の再エネ連系量は太陽光が全国の約10%(2018年9月末時点)、風力が約33%を占めている。東北には広い土地が多くあり、他都市と比べても地価が安く、VPPを進める上では好条件がそろっている。
東北電は2018年4月、VPP事業化に向けて仙台市とも協定を結んでいる。指定避難所の小中学校などにある太陽光設備や蓄電池を最適な状態で制御し、地域の防災力強化へつなげる。仙台市をはじめ、福島県郡山市や新潟市とも協定を結んだ。
東北電はVPP実証の対象電源を、2019年度には前年に比べ倍となる5,000キロワットを見込み、2020年度は1万キロワットへ拡大することを目指している。家庭や企業、自治体も巻き込み、事業化までに万全の体制を整える。

→過去の住宅関連情報一覧へ


トップページへ


一つ前のお知らせ(陶板壁材「スーパートライ Wall」新色追加のお知らせ)へ →


ページの先頭へ