1. 2018年12月の新設住宅着工、前年比2.1%増 マンション建設増で


国土交通省が1月31日発表した建築着工統計調査によると、2018年12月の新設住宅着工戸数は前年同月比2.1%増の7万8,364戸だった。分譲住宅の着工増が寄与し、2カ月ぶりに増加した。季節調整済みの年率換算値では前月比0.6%増だった。
分譲住宅は16.5%増の2万2,756戸と5カ月連続で増加した。マンションが28.6%増の9,546戸と大幅に増加したのが寄与した。
持ち家は4.8%増の2万4,415戸と3カ月連続で増加した。
一方、貸家は7.9%減の3万788戸と4カ月連続で減少した。金融機関が個人のアパート建設向け融資を厳しくしていることが響いた。
同時に発表した2018年の新設住宅着工戸数は前の年に比べ2.3%減の94万2,370戸だった。前の年を下回るのは2年連続。個人のアパート・マンション建設向け融資減少の影響で、貸家が5.5%減の39万6,404戸と7年ぶりの減少となった。


2018年(平成30年)12月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 78,364戸      2.1%
持家 24,415戸      4.8%
分譲住宅 22,756戸   16.5%
貸家 30,788戸 Δ 7.9%

 

2. 2018年の新設住宅着工戸数、2.3%減の94万2,370戸、持ち家は平成で過去最少戸数

国土交通省が発表した2018年(1~12月)の新設住宅着工戸数は、前年比で2.3%減となる94万2,370戸だった。2年連続での減少。
利用関係別にみると、持ち家は0.4%減の28万3,235戸と2年連続で減少した。リーマンショック後2009年の戸数を下回り、平成では最少の戸数となった。貸家は5.5%減の39万6,404戸で7年ぶりに減少した。分譲マンションは3.8%減の11万510戸で、2年ぶりのマイナス。分譲戸建住宅は3.0%増の14万2,393戸で、3年連続の増加となった。
プレハブは5.4%減の13万1,496戸で、2×4は2.6%減の11万6,988戸。


2018年(平成30年)の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 942,370戸 Δ   2.3%
持家 283,235戸 Δ   0.4%
分譲住宅 255,263戸    0.0%
貸家 396,404戸 Δ 5.5%

3. 鶴弥、壁にも「瓦」で耐久性高く 三州瓦の未来開く

鶴舞公園(名古屋市)に昨春開業したスポーツ施設「テラスポ鶴舞」。事務室などが入るクラブハウスは現代的な造りだが、落ち着いた雰囲気を醸し出している。屋根に瓦、壁に瓦由来の陶板材を使っているためだ。
■外壁材市場で注目
瓦と陶板材を製造したのが鶴弥だ。同社は三河特産の三州瓦の伝統を受け継ぎつつ、瓦と現代建築の融合を目指している。
同社の技術力を象徴しているのが「スーパートライウオール」と呼ぶ陶板材。粘土を成形して乾燥させ、セ氏1,000度以上の高温で焼成する。研究開発を数年間重ね、2015年に製品化にこぎ着けた。最大の特長は耐久力の高さだ。10年相当の耐性試験でも色や形質の変化はなかった。
外壁材の国内市場はタイルと、セメントと木質繊維を混ぜた窯業系サイディングの二極化が進んでいる。タイルは丈夫だが、施工の手間がかかる。サイディングは施工は楽だが、経年劣化しやすい。
鶴弥社長の鶴見哲(52)は「屋根瓦だけでは限界がある」と瓦の用途拡大を追求してきた。陶板材は耐久力が高いうえ、金具でとめ付けができるなど施工がしやすい。これまでなかった材料として外壁材市場で注目を集めている。
鶴弥の歴史は明治時代にさかのぼる。信州で瓦の製造技術を学んだ初代が、愛知県刈谷市で個人で事業を興したのが始まりだ。
瓦は約1400年前に中国から伝わった。当初は城郭や神社仏閣で使われたが、江戸時代に入ると徐々に町家でも使われるようになった。刈谷市周辺では良質な粘土が採取でき、瓦産業が発展した。
鶴弥が家内工業から脱皮する転機になったのが1968年に導入した「トンネル窯」。当時はひとつひとつ手作業で瓦を窯に入れていた。おのずと生産量に限界があったが、トンネル釜の導入により、瓦を焼成台車に乗せてまとめて焼き上げて量産できるようになった。同年に株式会社化し、初代社長となった鶴見弥四郎から社名を「鶴弥」とした。
■輸送効率に着目
高度成長期には三州瓦産地に約150社がひしめいていた。激戦区の中で鶴弥が勝ち残ってこれたのは量産体制の構築だけでなく、いち早く輸送効率の向上に目を付けた点にある。
瓦のトラックへの積み下ろしは手作業が主で、10トントラックに積んだ8,000枚の瓦を1人で降ろすのには5時間かかった。鶴弥は業界に先駆け、フォークリフトを使ったパレット輸送を導入した。
三河地域に集積する自動車関連工場に荷物を運ぶトラックにも着目した。部品や材料を運び終えたトラックは荷を空にして帰るケースが少なくなかった。運送会社に頼んで帰り便に瓦を積み込み、全国で売り込む事業も始めた。事業は軌道に乗り、1991年に半田市に本社を移転し、1994年には株式を上場した。
2006年3月期には台風で飛ばない加工を施した防災瓦がヒットし、売上高は122億円と過去最高を更新した。直近では東日本大震災の復興工事で需要が膨らんだ2012年3月期が利益のピークで、その後は太陽光発電の普及による屋根瓦の需要減などが響き、減収減益傾向が続いている。2018年3月期の売上高は80億円で、陶板材が徐々に伸びているものの、まだほとんどは瓦だ。
閉塞を打破しようと、鶴見が力を入れているのがトヨタ式のカイゼン活動だ。2013年にトヨタ自動車で副社長を務めた清水哲太(81)を顧問に招き、受注状況をみながら必要に応じてつくる「ジャストインタイム」を生産現場に採り入れてきた。「在庫を適正水準に保つ意識が高まってきた」と鶴見は手応えを感じている。
2018年3月末の商品・製品在庫は8億円と、5年前の半分になった。新設住宅着工の低迷という逆風が吹き付けるなか、カイゼン効果もあって2019年3月期は5年ぶりに増収営業増益になる見通しだ。
「今後の課題は海外だ」と鶴見はみる。かつて台湾に瓦を輸出したことがあったが、海外の売り上げは現在ほぼゼロだ。鶴弥の瓦は粘土を国内で全てまかなっている。「日本産のブランドをアピールするのも手かもしれない」と模索する。
少子高齢化で日本国内は住宅関連の市場縮小が避けられない。成長を続けるには外壁材のような新たな用途の開発に加え、海外需要の取り込みが重要になる。これからも三州瓦の可能性を追求する日々が続く。(敬称略)
■鶴見社長に聞く
「西三河は矢作川が育む良質な粘土に恵まれたことに加え、関東、関西へのアクセスが良く、瓦の一大産地に成長した。当社は接合部に突起を付けた台風で飛びにくい瓦など新製品の開発を進め、需要を掘り起こしてきた」
「工場を見てもらえれば分かるが、生産設備は自動化が進んでいる。粘土を練り上げたり、乾燥して焼成炉に送ったりする作業に人手はかからない。カイゼンで効率化の余地が大きいのは在庫だ。工場敷地内に製品を積み上げているが、フォークリフト操作などの人手がかかる。在庫を適正水準にすれば、こうしたコストも削減できる」
「劣化しにくい瓦の特長を生かしながら用途を広げていきたい。外壁材はそのひとつだ。戸建てのほか、公共施設などへの納入実績も出てきた。陶板材ならではの質感を評価して、内壁材として活用するケースもある」(聞き手は湯浅兼輔)

4. 積水ハウス、健康見守る住宅発売へ NECや日立などと提携

積水ハウスは1月9日、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用して住む人のデータを収集して健康サービスを提供する戸建て住宅を2020年春に発売すると発表した。NECや日立製作所、慶応大学などと提携し、脳卒中や転倒などを早期に発見し、対応につなげる。
米ラスベガスで開かれている世界最大の見本市「CES」で、仲井嘉浩社長が明らかにした。他にはNTTコムウェア、慶応大学病院、コニカミノルタ、産業技術総合研究所も加わる。
開発する住宅は、呼吸数や心拍数など生体データや、温度や湿度などの住環境データを、日常生活を送る住人にストレスをかけることなく取得。住人のプライバシーに配慮しながらデータを取得する方法や、提供するサービス内容は今後詰める。
異常を検知すると安否確認や通報をし、急性疾患や事故などに即応する。今後、複数の大学病院での実証実験などを実施する。2020年春に発売する戸建て住宅はこうしたサービスを標準装備し、価格は通常の住宅に上乗せする。

5. 積水ハウス、FIT切れ太陽光買い取り 市場価格より高く

積水ハウスは1月31日、太陽光発電でつくった電力を家庭から買い取るサービスを11月から始めると発表した。固定価格買い取り制度(FIT)が順次期限切れになるのをにらみ、同社が建てた住宅の余剰電力を購入する。東京電力と大阪ガスを通して買い取り、積水ハウスのオフィスや工場などで使う。買い取り価格は1キロワット時あたり11円で、現在の市場価格よりも高めに設定する。
家庭向け太陽光の余剰電力買い取りは2009年11月に始まった。10年間の買い取り期間が終わる今年11月以降、利用者は自ら電力の販売先を探す必要がある。積水ハウスはこれまで約10万軒の住宅に太陽光発電設備を設置し、年間発電量は約3.5億キロワット時にのぼる。
積水ハウスは事業で使う全ての電力を再生可能エネルギーで賄う「RE100」に加盟しており、年間約1.2億キロワット時の電力を再生エネに切り替える。住宅販売後も顧客と接点を持つことで、リフォームなどの受注獲得を目指す。
電力の卸売市場では1キロワット時あたり8~10円で取引されている。積水ハウスは営業コストなどを省くことで、買い取り価格を高く設定した。新電力のLooop(東京・台東)は6~7円で家庭から電力を買い取ると発表しているが、大手電力は4月以降に買い取り価格を明らかにするとしている。

6. 雑木林と一体 分譲住宅

積水ハウスなど住宅会社で構成する住宅生産振興財団(東京・港)は相模原市で、雑木林と一体になった分譲住宅を開発した。都心への通勤圏内にありながら、緑に囲まれ「自然」を感じながら別荘のような暮らしができることをアピールする。雑木林で住民同士が交流することで都会では薄れがちなコミュニティーを形成し、住民が助け合いながら暮らせるようにする。
1月19日から販売を始める「つなぐ森淵野辺プロジェクト」は、JR横浜線・淵野辺駅からバスで約10分の場所に立地。開発面積は約8,200平方メートルで、うち雑木林は約1,500平方メートルを占める。雑木林の周囲に住宅を配置する形を取り、戸数は40戸を予定する。雑木林を核にした分譲住宅地の開発は、首都圏で初めてだという。実際の住宅の販売は各住宅メーカーが手がける。
最寄りの淵野辺駅からは横浜駅まで約40分、新宿駅には同50分で行ける。都内や横浜に通勤する子育て世帯の会社員らの購入を想定している。各住宅は平均130平方メートルの敷地に木造または鉄骨2階建てで、分譲価格は平均6,500万円。1月19日からの第1期は13戸販売し、残りは2019年秋に宅地分譲を予定する。
雑木林は居住者の共有部とし、住民同士がバーベキューをしたり、子どもが遊んだりと、居住者間でコミュニケーションが取れるよう利用してもらう。各住宅には塀を設けず、庭先などから気軽に行き来できるようにする。車は各住宅の駐車場を出入りする以外は基本的にエリア内は通行できないようにし、小さい子どもも安心して遊べるようにする。
各庭には南側に落葉樹を植え、葉が茂る夏場は強い日差しを遮って直接住宅内に差し込まないようにする。葉が落ちる冬場は暖かな光が部屋まで入り、ぬくもりを感じられるようにする。
淵野辺プロジェクトは住宅系コンサルタント会社のエス・コンセプト(福岡市)が、2008年に北九州市で分譲した住宅地「サトヤマ ヴィレッジ」を参考にした。同ヴィレッジは財団が主催したコンクールでグランプリを受賞している。
財団は「住民コミュニティーが確立しており、関東にも広げたい」(松岡俊一郎事業部部長)として、相模原以外での事業化も予定している。

7. セキスイハイム中四国、VRで住宅体感 広島に展示場

積水化学工業の全額出資子会社で住宅販売のセキスイハイム中四国(岡山市)は、仮想現実感(VR)を活用した住宅展示場を広島市内に開いた。施設名は「ハイムギャラリーパーク広島」。
建物の仕組みや構造、建築工程などをVRで体感できる。巨大地震の揺れを感じられる映像システムなども用意した。建物は3階建てで延べ床面積は269平方メートル。

8. ポラスグループ、分譲地に交流拠点 住民と機能練る

住宅事業のポラスグループ(埼玉県越谷市)が同市で販売中の分譲地で建設していた集会所「南荻島出津自治会館2」が完成した。施設の機能や活用方法を近隣住民と共に検討してきた。地域に開かれたコミュニティー拠点として、新旧住民の交流を後押しする。
分譲地は同グループの中央グリーン開発(越谷市)が販売する「パレットコート北越谷・フロードヴィレッジ」(64戸)。越谷市は50戸以上の住宅を建設する場合、集会所設置を義務付けており、「どうせつくるなら、コミュニティー形成に生かす方法を地域住民と一緒に検討しようと考えた」(同社)という。
2017年10月、出津自治会(670世帯)と「南荻島未来会議」を設置し、住民や近くの文教大学の学生が参加するワークショップを定期的に開催。自治会館はすでにあるため、新たな集会所は隣接する公園や河川敷と合わせて「まちのリビング」と位置づけ、誰もがふらっと立ち寄れるオープンな場所とした。
集会所は2階建てで延べ床面積約130平方メートル。「みずべのアトリエ」の愛称を付け、住民や学生による「南荻島まちづくりサポーター」が運営する。1階は図書コーナーやキッチンを設け、住民が立ち寄れる空間。2階は予約制で、ワークショップなどに利用してもらう。今後、バーベキューセットの貸し出しなどもするという。
1月12日に開かれた完成披露イベントでは、大学生や高校生が和太鼓や書道のパフォーマンスを披露した。埼玉大学工学部特任教授でもある出津自治会の大熊久夫会長は「分譲地や集会所を作っておしまいではなく、住民の生活やコミュニティー形成を考慮してくれた。住民が広く交流できる基地にしたい」と話していた。

9. 住宅用太陽光発電の防火 「パネル近くは不燃に」

消費者安全調査委員会(消費者事故調)は1月28日、住宅用の太陽光発電による火災の調査結果を公表した。構造上、全製品に発火の危険性があるため、太陽光パネルと屋根の間に瓦や鉄板といった不燃性の素材がない場合、延焼して重大な火災になるとして注意を呼びかけている。
所有者の7割が保守・点検をしていないこともインターネット調査で判明した。事故調は所有者に対し、(1)パネルと屋根の間の素材について、ハウスメーカーなど事業者に問い合わせる(2)不燃性素材がなく、木材の上に直接パネルが乗っているような場合は早急に対応を依頼する――ことを求めている。
事故調は、2008年3月~2017年11月に太陽光パネルやケーブル部分から出火した13件を分析した。屋根に延焼して被害が拡大した全てのケースで不燃性の素材がなかった。一方、国内の複数のメーカー製品について、発火の恐れがあることが分かった。事故調によると全国に設置されている太陽光発電は2018年10月時点で累計約240万台。

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