1. 11月の新設住宅着工、前年比0.6%減 市場予想は0.3%減


国土交通省が12月27日発表した建築着工統計調査によると、11月の新設住宅着工戸数は前年同月比0.6%減の8万4,213戸だった。2カ月ぶりに減少した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.3%減だった。
うち持ち家は2.5%増の2万5,527戸で、2カ月連続で増加した。貸家は6.9%減の3万4,902戸と3カ月連続で減少した。分譲は6.1%増の2万3,220戸と4カ月連続で増加した。


2018年(平成30年)11月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 84,213戸 Δ   0.6%
持家 25,527戸      2.5%
分譲住宅 23,220戸    6.1%
貸家 34,902戸 Δ 6.9%

 

2. 系列外物流増で新倉庫 大和ハウス系が15カ所新設

大和ハウス工業の物流子会社、大和物流(大阪市)は2021年度末までに、滋賀県竜王町など15カ所前後に物流センターを新設する。総事業費は約500億円。主力だった建材物流が先細りのため、インターネット通販関連などを強化し、2021年度には売上高を2017年度比6割増の1千億円まで伸ばす。数年内にベトナムやインドネシアにも進出する。
大和物流はもともと大和ハウスグループ向けの売り上げが多く、大和ハウスが建てる戸建て住宅や賃貸住宅に使う建材の保管、運送が主力だった。だが、近年はグループ外向けの売り上げが6割超となっている。建設中のホテルや小売店など向けに外壁を運ぶほか、ベッドや風呂は据え付けまで手がける。アパレルなどネット通販関連の受注も伸ばしている。
こうしたグループ外からの受注が拡大しているため、現在は全国に約80カ所ある物流センターを2021年度末までに新たに約15カ所増やす計画だ。7月に京都府久御山町、12月に神奈川県海老名市で稼働させたほか、2019年夏に愛知県小牧市、2019年度中に千葉県柏市、2020年度中に滋賀県竜王町などに建設する。
海外進出にも乗り出す。大和ハウスがベトナムのホーチミン近郊やインドネシアのジャカルタ郊外で開発する工業団地などで建材の運送事業を展開する。大和ハウスが物流施設を建設し、大和物流が倉庫内の物流運営を担うことで、グループでサービスを提供する。アジアで需要が高まる冷凍や冷蔵対応の運送会社の買収も今後検討し、海外事業を新たな柱に育てる考えだ。

3. JBR、住友不動産と提携検討

ジャパンベストレスキューシステム(JBR)は12月25日、住友不動産と不動産や住宅に関連する業務で提携の検討を始めたと発表した。JBRは住宅設備の補修や保証の事業に加え、鍵の紛失やガラス破損など日々の生活トラブルの解決に対応している。JBR担当者は「2019年中にも、具体的なサービスの提供を始めたい」としている。

4. サンヨー名古屋が上位モデル住宅 レンガや天然木で魅力

サンヨーハウジング名古屋は戸建て住宅に上位モデルを投入し、新規顧客を開拓する。新築住宅市場が縮小するなか、屋根や外壁、窓枠などの外観デザインに加えて耐震性や断熱性能をさらに高めた。価格はやや高めだが、住宅にこだわりの強いファミリー層などを取り込む。
新ブランド「AVANTIA(アバンティア)」で上位モデルの販売を始めた。愛知県日進市で土地付き戸建て住宅6棟を販売している。建物面積は約107~111平方メートルで販売価格は4,720万~5,410万円。制震ダンパーを標準装備するなど品質にもこだわっており、同社の従来商品と比べ1割ほど高い。
外壁には、白い壁にコントラストが出るようにレンガや天然木材を一部採用したりしている。内観は床材の色などに加えて、家族構成に合わせて間取りも自由に選べるため、幅広いニーズに応えられるとみている。
アフターサービスにも力を入れる。通常は1~2年の住宅設備の機器のメーカー保証を10年間に延長。鍵の紛失や水回りの困り事など緊急性の高いトラブルには24時間365日対応する。
国土交通省によると、「持ち家」の新築件数は2017年度に愛知県内で1万9,136戸と、10年間で約14%減少した。サンヨーは付加価値の高い新ブランドを打ち出して、2021年8月期には連結ベースで現在より約2割増の年1,048棟の引き渡しを目指している。

5. グランディハウス、太陽光パネルと蓄電池をセット販売

グランディハウスはリフォーム事業で太陽光パネルと蓄電池のセット販売を始めた。太陽光発電は買い取り価格が年々引き下げられているうえ、高価買い取りは10年間に限られる。今後は太陽光パネルと蓄電池を自宅に備え、売電から自家消費へと顧客の需要が変化すると判断した。災害時の非常電源としての利点を訴え、顧客にセットでの購入を促す。
同社は栃木県を中心に戸建て分譲住宅を販売している。住宅購入者を対象に実施している定期点検で太陽光パネルと蓄電池の導入を勧める。太陽光パネル設置済みの住宅には蓄電池の導入を提案する。一般的な発電能力4キロワットのパネルと容量5.6キロワット時の蓄電池を設置すると、導入費用は240万円となる。
新規にパネルと蓄電池を設置する場合、10年間は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)を使って家庭で日中に使い切れない電力を売電し、11年目からは自家消費に切り替える。月々の売電収入や電気料金、ローン負担の試算を示し、長い目で見ればお得だと理解してもらう。
FITは2009年に始まった。買い取り価格は1キロワット時当たり48円に設定され、設置から10年前後で元がとれるとあって、家庭での再生エネの普及を促した。グランディもピーク時はリフォーム事業の売上高の6割超をパネル設置工事が占めた。
しかし、買い取り価格は年々引き下げられ、2018年は1キロワット時当たり26円となった。一方で再生エネの普及を促す再エネ賦課金や燃料費の上昇で、電気料金は年々高くなっている。すでに2018年の価格改定で買い取り価格は電気料金を下回った。パネル価格も下がっているものの、消費者は売電メリットを感じづらくなっている。
加えて、2019年11月以降はFITによる買い取り終了で売電先を失う家庭が全国で毎年数十万戸単位で生まれる。グランディリフォーム(宇都宮市)の上野谷宏二社長は「太陽光発電の余剰電力は売るよりも自家消費する時代になる」とみる。災害時の非常電源としてのメリットも伝え、蓄電池の設置を促す考えだ。

6. 住宅への電気供給、蓄電池で最適化 北陸電力が実験着手

北陸電力は2019年1月から蓄電池を使って電気の融通を最適化する実験を始める。金井豊社長が12月21日、日本経済新聞の取材で明らかにした。電気自動車(EV)や太陽光発電を活用し、住宅の電力需要に合わせて充放電する。電力自由化で競争が激化する中、ICT(情報通信技術)を使った高付加価値サービスを相次いで投入し、顧客をつなぎ留める。
北陸エリアの販売電力における新電力の割合は、法人向けの高圧以上で3%(3月末)から12%(9月末)に大きく増加。金井社長は4月に実施した電気料金の値上げで顧客の離脱が増えているとした上で、「デジタルの技術を組み合わせて事業展開することが重要」と語った。
2020年3月まで「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」の実証実験に取り組む。住宅1戸にEV3台と蓄電池を設置するほか、太陽光発電も行う。その上で、スマートメーター(次世代電力計)を活用し、住宅内の電気使用量を把握できるようにする。
電力需要が少ないときに太陽光発電から蓄電池に充電し、需要の多い時間には蓄電池やEVのバッテリーから放電して電気をまかなう。蓄電池からEVへの充電もできるようにする。カーシェアサービスを付帯した事業を育成する。
顧客へのスマートメーターの導入も進める。現在の導入比率は4割程度だが、2024年3月までに全ての顧客で導入を目指す。
9月にスマートメーターの通信システムを活用したガスの遠隔検針や駐車場の予約サービスの実証実験を開始。12月には水道メーカーなど10社と連携し、電気、ガス、水道メーターの共同検針による見える化などを実験し始めた。
一方、北陸電管内で最大出力の火力発電施設のひとつである、七尾大田火力発電所2号機の停止が利益を圧迫している。2019年2月末をメドに運転を再開する見通しだが、今後、新事業の推進と共に発電事業の安定が求められる。

7. 増税や資産運用どうする 2019年の家計、専門家の処方箋

2019年は家計を取り巻く環境が大きく変わる。10月に消費税率の8%から10%への引き上げが予定され、増税対策として住宅ローン減税が拡充される。株価の波乱が続けば資産運用でさらなる対応が求められそうだ。相場の見通しを含め、家計への処方箋を専門家に聞いた。

■消費増税
「購入時期の工夫を」 辻・本郷税理士法人 浅野恵理氏(税理士)
消費税率の引き上げは家計の収支に大きく影響する。2019年は8%から10%への移行期なので、契約や購入のタイミングによっては増税後に利用する商品やサービスでも8%で済むケースがある。スケジュールを確認し、計画的に行動することが大切だ。
まず、2019年3月31日までに契約する注文住宅や披露宴などの代金には、住宅の引き渡しや披露宴の日程が10月以降でも、8%が適用される。ただし、4月以降に披露宴の人数が増えたり追加工事を発注したりすると、その分には10%になる。4月以降に変更が出ないよう注意したい。
また、電車、バス、船舶、飛行機などの旅客運賃や映画、音楽、スポーツ、美術館などの入場料については9月30日までに支払えば、サービスを利用するのが10月以降でも8%で済む。6カ月定期券や遊園地の年間パスなどは9月末までに購入する方が有利だ。
増税後も酒類を除く飲食料品や一定の新聞には軽減税率が適用され、8%に据え置かれる。飲食料品については消費者が混乱する場面があるかもしれない。
例えば、出前やテークアウトの食品は8%だが、同じものを店で食べると外食になるため10%になる。みりんとみりん風調味料、発泡酒とノンアルコールビールなど、似たような商品でも税率が異なる。
増税後の消費の落ち込みを防ぐため、10月以降、値下げやポイント還元なども行われる予定だ。少しでも家計の負担を減らすためには情報収集も重要になりそうだ。

■住宅
「中古は値下がりも」 さくら事務所会長 長嶋修氏(不動産コンサルタント)
消費増税は住宅市況に大きな影響を与えないだろう。
住宅ローン減税の期間が現行の10年から13年に延長されるほか、一定額以下の収入の人に一時金を渡す「すまい給付金」の年収要件が緩和され金額も拡充が検討されている。借入額や収入によっては、増税前の8%よりも増税後の10%で購入したほうが減税や給付金の効果で得をする人もいるだろう。このため、住宅を駆け込みで購入する動きや、その後の反動減は限定的だとみている。
新築は都心のマンションで需要に息切れはあるものの、デベロッパーが価格の維持を狙って発売戸数を減らしてくる可能性が高いと思われる。
一方、中古マンションについては、株価動向を注視することが必要だ。東京都心3区(千代田、中央、港)の中古マンション価格は日経平均株価と一定の時間差で連動する。都心の高額な中古マンションを購入する高所得層は株式への投資比率が高く、株価の下落傾向が続けば需要が減って、2019年春ごろの値崩れもあり得る。結果的に、新築と中古の価格差が広がる1年となるかもしれない。
今まで以上に資産価値が落ちにくい物件を選ぶ姿勢が大切になってくる。都心、郊外とも駅前、駅チカなど利便性の高いエリアの住宅は価値を保ちやすいのが一般的だ。
すでに住宅ローン金利の水準は低く、一段の低下余地は狭い。先行きの上昇リスクを考慮すれば、変動型より固定型を選ぶほうが無難だといえる。

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