1. 10月の新設住宅着工、前年比0.3%増 地方でマンション建築増


国土交通省が11月30日発表した建築着工統計調査によると、10月の新設住宅着工戸数は前年同月比0.3%増の8万3,330戸だった。2カ月ぶりに増加した。戸建て住宅の注文が増えたほか、地方都市でマンションの着工が伸びた。
10月の季節調整済みの年率換算値では前月比0.8%増だった。
持ち家は4.6%増の2万5,949戸と2カ月ぶりに増加した。
分譲住宅は9.2%増の2万1,394戸だった。3カ月連続で増加した。愛知県や地方都市でマンションの着工が増えた。
一方、貸家は7.3%減の3万5,225戸だった。銀行が個人向けの銀行融資の判断基準を厳しくし始めた影響で、地方での着工が落ち込んだ。
国交省は「金利の状況を含めて今後の状況を注視していく」としている。


2018年(平成30年)10月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 83,330戸      0.3%
持家 25,949戸      4.6%
分譲住宅 21,394戸    9.2%
貸家 35,225戸 Δ 7.3%

 

2. 大和ハウス、4~9月期純利益6%増

大和ハウス工業が11月8日発表した2018年4~9月期の連結決算は純利益が1,314億円と前年同期比6%増え、同期間で9年連続で最高を更新した。インターネット通販向けの物流施設や訪日外国人向け需要が旺盛なホテルの建設が好調だった。一方、賃貸住宅事業は苦戦した。好業績をけん引してきた3事業で明暗が分かれた。
2019年3月期通期の業績予想は売上高が7%増の4兆500億円、純利益は2%増の2,400億円と従来からそれぞれ500億円、30億円増額した。年間配当は110円(従来予想は107円)と前期から3円増やす。
油圧機器メーカーKYBの免震ダンパーを採用した一部の新築マンションの引き渡しが見通せなくなり、売上高で250億円、営業利益で50億円の影響が出る可能性があることも明らかにした。
4~9月期の売上高は10%増の1兆9,833億円だった。主要6事業のうち4事業が前年を上回り、事業施設が27%増、商業施設が14%増と大きく伸びた。戸建ては3%減。営業利益は5%増の1,895億円だった。
大和ハウスはネット通販向けの物流施設を手がける「事業施設」、小売店などを建てる「商業施設」、アパートの開発・管理を手がける「賃貸住宅」が営業利益の約9割を稼ぐ。ここ数年は、この3事業がそろって事業拡大を続け、全体の収益を大きく伸ばしてきた。
事業施設事業の営業利益は15%増と好調を維持。5月に千葉県流山市で大型倉庫を本格稼働させるなどネット通販の拡大で倉庫需要は旺盛だ。足元でも「色々な提案がきていてまだまだチャンスがある」(芳井敬一社長)という。最新ロボットを導入したり、運送トラックの待機時間を減らす仕組みを採り入れたりして付加価値を高め、さらなる受注につなげる。
商業施設事業はドラッグストアやコンビニエンスストアなど従来から得意とする小売店に加え、訪日客の増加で潤うホテルの建設が大きく伸びて23%の増益だった。1棟当たりの単価が高いホテルが好調なことで、同事業の営業利益率は20.4%と1.6ポイント上昇した。
一方、賃貸住宅事業は6%の減益だった。入居者が見込みづらい地方の物件を中心に地主の投資意欲が低下しており、金融機関が融資に慎重姿勢を崩していないためだ。相続税対策を名目に過熱していたアパート開発について、芳井社長は「今は調整局面がきているが、いずれは回復する」との見方を示した。

3. グランディハウス、埼玉に営業地域を拡大

栃木県が地盤の住宅メーカー、グランディハウスは2019年春をメドに埼玉県で戸建て住宅の分譲を始める。11月29日に都内で開いた決算説明会で、土地仕入れの拠点となるさいたま支店を今月開設したことを明らかにした。分譲用地はすでに購入しており、第1弾として10戸前後の戸建て住宅を売り出す。営業地域を北関東と千葉から埼玉に広げる。
支店はさいたま市内に開設した。林裕朗社長はさいたま市の建て売りの市場規模が「茨城全体にも匹敵する」と、同市内に進出した理由を説明している。土地の仕入れ担当者を配置し、住宅の建設が進んだ段階で販売担当者も送り込む。土地価格が北関東よりも高いことから、1区画の敷地は約100平方メートルで、価格は3,500万~4,000万円台を見込む。
決算説明会では、栃木県北部の2店舗を集約して、那須塩原市にショールーム併設型の新店舗を12月に開設することも明らかにした。建て売りではなく、オーダーメードを好む購入者が増えていることに対応する。

4. 太陽光の買い取り終了を新たな商機に

住宅用の太陽光発電設備でつくった電気の買い取りを電力会社に義務付ける制度が、2019年11月から順次、10年の買い取り期間を終える。対象となる設備は2019年11~12月で約53万件、2023年までに165万件に及ぶ。
これらの設備をどうするのか。ようやくつかんだ太陽光普及の機運を失速させてはならない。期限切れになった供給力を無駄にせず、新たな発想でビジネスにいかす機会にすることが重要だ。
電力会社による買い取り期間が終了しても、太陽光発電パネルはまだ10年以上、使える。発電設備を保有する消費者には買い取り終了後に2つの選択肢がある。
一つは別の売り先をみつけることだ。2023年までに買い取りが終了する発電能力は合計670万キロワットと、原子力発電所6~7基分に相当する規模だ。こうした期限切れになる電力を買い集め、自社の供給力として需要家に販売を考える企業が相次いでいる。
丸紅は電力ベンチャーのパネイル(東京・千代田)と新会社を設立した。期限切れの太陽光電力を買い取り、社内で使う電力を再エネで賄いたい企業などに販売する。中部電力はイオンと組み、期限切れ後の太陽光を買い取るサービスを始める。消費者は売却分を買い物ポイントに交換できる。
もう一つは自宅で使う方法だ。太陽光は天候や時間で発電量が変わるのが弱点だ。蓄電池と組み合わせれば安定的な利用が可能になるが、蓄電池はまだ割高だ。
買い取り期間の終了を事業者が新サービスを競ったり、蓄電池のコスト低減を促したりするなど、電気の使い方を変えるきっかけにしていきたい。
そのためには情報の周知が重要だ。電力会社はまず、買い取りが終わる消費者に、終了時期を早めに知らせてほしい。
期限切れになった電力の買い取りを考えている事業者は、価格などの条件を早急に公表すべきだ。消費者が電力を自宅用に使うのか、別の買い手に売るのか、その場合どこに売るのかを比較できる情報を提供する必要がある。
期限切れ後も同じ電力会社に売ることも選択肢だろう。ただし、顧客情報を持つ電力会社が消費者を囲い込むことがあってはならない。新規事業者が競争力のある買い取りプランを準備できるように、電力会社が率先して買い取り条件を公表しなければならない。

5. 太陽光の余剰分を購入へ 関西電力「FIT卒業」控え

関西電力は11月26日、住宅の太陽光発電の余剰分を2019年11月から購入すると発表した。国が導入した太陽光発電の固定価格買い取り制度(FIT)で、10年の適用期間を終える案件が2019年11月から出てくる。FIT分を関電に売電している顧客は、引き続き同社に購入を依頼できる。詳細は2019年4月に発表する。
岩根茂樹社長が表明した。使用済み核燃料の中間貯蔵候補地の年内選定については「発表する段階にない。引き続き全力を尽くす」と話した。

6. 中部電力、太陽光余剰電力をWAONに イオンとサービス

中部電力は11月12日、イオンと組んで住宅向け太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスを2019年11月から始めると発表した。中部電力が買い取った消費者の余剰電力を、イオンの買い物ポイントなどと交換できる。2019年から順次、一般家庭で余った電力の買い取り制度(FIT)の期限切れを迎える「2019年問題」を新サービスの創出につなげる。
中部エリアを対象に中部電力は一般家庭で余った太陽光発電の電力をイオンに届ける。イオンは提供を受けた量に応じ、消費者に「WAONポイント」などを届ける。現時点では余剰電力の買い取り価格やワオンポイントへの交換比率などは決まっていないという。
同日の記者会見で中部電力の林欣吾取締役は「太陽光などで誰もが電力をつくれるようになっていて個人と個人、個人と企業の間の取引サービスを始めていきたい」と説明した。
イオンは3月に事業で使う電力を全て再生可能エネルギーで賄うことを目指す企業連合の「RE100」に加盟。2050年までに消費電力を全て再生エネ由来にする目標だ。イオンは関西電力とも家庭の太陽光発電でつくった電力を店舗で使う仕組みを整備する考え。全国の電力会社とも同様の取り組みを検討している。
国が太陽光パネルの普及のために導入したFITは2019年11月から徐々に期限切れが始まる。2019年には国内全体で約50万件、中部エリアでは2019年度末までに約10万件でFIT切れが見込まれる。この動きを踏まえ、中部電力は「これからデンキ」の名称でFIT切れの住宅用太陽光の電力を買い取る方針を発表していた。

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