1. 3月の新設住宅着工、前年比8.3%減 2017年度は3年ぶり減少


国土交通省が4月27日発表した建築着工統計調査によると、3月の新設住宅着工戸数は前年同月比8.3%減の6万9,616戸だった。減少は9カ月連続。持ち家、貸家、分譲のすべてが減少した。QUICKがまとめた市場予想の中央値は5.3%減少。季節調整済みの年率換算値では前月比3.4%減だった。
内訳をみると、貸家が前年同月比12.3%減の2万9,750戸と減少が目立った。金融機関がアパート向けローンの貸し出しを見直していることが響き、10カ月連続で減少した。
分譲は3.6%減の1万9,019戸と2カ月ぶりに減少した。分譲マンションが8.0%減と大きく落ち込んだ。持ち家は4.2%減の2万576戸と2カ月連続で減少した。
同時に発表した2017年度の新設住宅着工戸数は前年度に比べて2.8%減の94万6,396戸だった。3年ぶりに減少した。貸家は4.0%減と3年ぶりに減少した。持ち家は3.3%減、分譲は0.3%減だった。


2018年(平成30年)3月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 69,616戸 △ 8.3%
持家 20,576戸 △ 4.2%
分譲住宅 19,019戸 △ 3.6%
貸家 29,750戸 △12.3%

 

2. 2017年度の新設住宅着工戸数、2.8%減の94万6396戸

国土交通省が発表した2017年度の新設住宅着工戸数は、前年度比2.8%減の94万6,396戸で、3年ぶりの減少となった。利用関係別にみると、持ち家は3.3%減の28万2,111戸。3年ぶりのマイナスで、消費増税前の駆け込み需要に対する反動減で27万戸台となった2014年に次いで少ない戸数となり、リーマンショックの影響が色濃く出た2009年度を下回った。都道府県別にみてもプラスとなったのは9道県のみで、残り38都府県は前年度比で減少した。
貸し家は4.0%減の41万355戸で、3年ぶりの減少。利用関係別では最も減少幅が大きかった。分譲マンションは3.6%減の10万8,278戸で、2年連続の減少。分譲戸建住宅は、2.3%増の13万7,849戸で、3年連続の増加となった。
2018年3月の新設住宅着工戸数は、8.3%減の6万9,616戸だった。9ヵ月連続のマイナス。季節調整済み年率換算値は89万5千戸となった。持ち家は4.2%減の2万576戸で、2ヵ月連続の減少となった。貸し家は12.3%減の2万9,750戸で10ヵ月連続のマイナス推移。分譲マンションは8.0%減の7,865戸で、戸建て住宅は0.8%減の1万957戸だった。


2017年度(平成29年度)の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 946,396戸 △ 2.8%
持家 282,111戸 △ 3.3%
分譲住宅 248,495戸 △ 0.3%
貸家 410,355戸 △ 4.0%

 

3. 戸建て住宅受注、大手7社中4社増加 3月

戸建て住宅メーカー大手7社の3月の受注状況(金額ベース、速報値)が4月11日出そろった。4社が前年実績を上回った。前年同月に比べたプラス幅は三井ホームが19%、住友林業が15%、旭化成ホームズが7%、ミサワホームが4%だった。大和ハウス工業、積水ハウス、パナホームは前年実績を下回った。2017年度の年間受注状況は、7社中4社が前年度を下回った。
建設現場人手不足で工期が長期化し、建設コストが高騰していることが要因。一方、注文住宅に比べ平均で3~4割割安で購入できる建売住宅の受注は都市部を中心に堅調に推移しており、「価格の高騰により注文住宅を買う層が大型分譲住宅地の建売住宅を購入している」(東京カンテイ市場調査部の井出武上席主任研究員)という。
鉄やコンクリートの輸入資材も昨年比で約3割高騰しており、注文住宅の受注は今後も伸び悩みそうだ。
人口減少により販売棟数が減少傾向になる中、住宅大手は1棟あたりの受注単価を上げている。三井ホームは高価格帯の商品を発表したことで2016年度と比べ1棟あたりの受注単価を約100万円上げた。5月末には同社の注文住宅で最高価格帯の商品を発表する予定で、受注単価を上げることで売り上げを伸ばす。

4. 消費増税の転嫁、柔軟に 政府が対策検討

政府は4月13日、2019年10月に予定する税率10%への消費増税前の駆け込み需要と直後の反動減を和らげる会議を開いた。増税時に一斉に価格を引き上げるのではなく、増税前から少しずつ商品やサービスの価格を引き上げるよう小売業者などに促す。増税前後の景気の変動を少なくする。
古谷一之・内閣官房副長官補をトップとした作業部会の初会合を開いた。消費税と同じ性格の付加価値税の税率が20%前後の欧州の事例を参考に、今夏までに方向性をまとめる。来年度の予算や税制に反映させる。
2014年4月に税率を8%に引き上げた時から、消費税転嫁対策特措法(転嫁法)によって「消費税還元セール」が禁止された。これを受け、小売業界では「増税開始時から増税分は厳格に商品やサービス価格に転嫁しなければいけない」との受け止めが広がった。
政府は「増税時の価格転嫁を強制しているわけではない」との立場だが、企業の意識を変えるため「法改正によって、柔軟に価格を引き上げられるというメッセージを打ち出す必要がある」(財務省幹部)との声もある。このほか増税前のセールの自粛を要請したり、増税後に住宅や耐久財の消費刺激策を設けたりすることも検討する。
税率8%への増税時は直前の2014年1~3月期の実質個人消費は前期比年率換算で8%と大きく伸びた一方、同年4~6月期は17%も減少した。
景気回復のもと、人件費の上昇分などを消費者向けの価格に転嫁する動きがじわりと広がっている。ただ最大手の企業に追従するといった「横並び」の値上げも多い。
菅義偉官房長官は4月13日の記者会見で「予定通り消費増税できる経済環境をつくることが極めて大事だ」と語った。

5. 大和ハウス、全工場で装着型ロボ導入 作業負担4割軽減

大和ハウス工業は4月10日、住宅部材などを製造する国内全9工場にサイバーダインが開発した装着型ロボット「HAL」を導入したと発表した。作業員が身に着けることで腰の負担を最大で4割軽減できるという。河村太郎執行役員は「人員確保や高齢化に対応するため、働きやすい職場を整えたい」と述べた。
報道陣に同日公開した奈良工場(奈良市)では計4台のHALを導入した。顧客ごとに部材を集める工程で活用し始めた。現在約6割の自動化率をさらに高める一方、多様な生産品に柔軟に対応するのに欠かせない人手での作業にはHALの活用を進めていく。
大和ハウスは多角化のため2007年にサイバーダインに出資して介護支援用ロボットを販売。労働環境を改善するため、工場などに導入する検証をしてきた。建設現場での活用も検討する。

6. 住友不動産、渋谷にタワービル サイバーエージェント入居

住友不動産は2019年3月、東京・渋谷で高さ111メートルのタワービルを完成させる。オフィスフロアはインターネットテレビ「アベマTV」を提供するサイバーエージェントが全館借り、本社機能を移転。ビル名を「アベマタワーズ」とする。渋谷を再びIT企業の街として盛り上げる。
アベマタワーズは地上21階建てで延べ床面積は約3万8,000平方メートル。4~16階のオフィスフロアはサイバーエージェントが全て借りる。18~21階は住宅となる。サイバーエージェントは2019年、現在10カ所に分散する渋谷のオフィスをアベマタワーズと超高層ビル「渋谷スクランブルスクエア」の2カ所に集約する。
渋谷では米グーグルの日本法人が2018年秋に開業予定の大型ビル「渋谷ストリーム」に本社を移す予定。かつては大型オフィスビルの不足で渋谷から出て行く企業が相次いだが、最近はIT企業がオフィスを戻す動きが続く。アベマタワーズの完成で、IT企業の渋谷回帰に弾みがつきそうだ。

7. タマホーム、増収増益

2018年5月期は主力の低価格帯の注文住宅が伸びる。リフォーム事業も過去に住宅を購入した顧客への提案が奏功し受注が拡大。増収。採用増で人件費がかさみ経常利益は小幅増。減損損失が減り純利益は大幅増。年15円増配。2019年5月期は注文住宅・リフォームともに堅調で増収増益。

8. ヤマダ・エスバイエルホーム、黒字転換

首都圏を中心に住宅展示場を増やす。営業担当者も増員して販売件数を伸ばす。これまでの購入客への訪問に注力してリフォームの受注も拡大。増収。新規の工事事業者・建設会社を積極的に活用して支払い条件を見直し工事原価を抑える。採用・出店のコストの伸びを吸収し黒字転換。

9. サンヨーハウジング名古屋、純利益3割増 2017年9月~2018年2月期

注文住宅大手のサンヨーハウジング名古屋が4月13日発表した2017年9月~2018年2月期の連結決算は、純利益が前年同期に比べ34%増の4億6,200万円だった。注文住宅の受注残が豊富にあり、戸建て住宅の販売も好調だった。
売上高は8%増の166億円。注文住宅と戸建て販売を含め、引き渡し棟数は1割増の約360棟だった。建築や土木など請負工事事業も子会社を中心に堅調だった。
2018年8月期の連結業績は従来予想を据え置いた。売上高は前期比4%増の388億円、純利益は5%増の13億円を見込む。名古屋市内や三河地域では競争が厳しい。戸建て販売向け用地の取得が計画を下回っているものの、営業体制を立て直して増収増益を目指す。

10. 積水化学、40億円で電池新工場 住宅向け生産能力6倍に

積水化学工業は4月23日、住宅向けリチウムイオン電池の生産能力を約6倍に増やすと発表した。愛知県で約40億円を投じ、工場を増設する。政府による再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)開始から2019年で10年を迎えるにあたり、自家発電の目的が売電から自宅での使用に切り替える動きが広がるとみて増産体制を敷く。
リチウムイオン電池の開発子会社、エナックス(東京・文京)が中部事業所(愛知県常滑市)で、既存工場の隣に新しい建屋と生産設備を整備する。2020年3月までに稼働させる計画だ。
増産で1万棟分の電池を供給でき、現状の生産能力から約6倍に増える。積水化学が茨城県つくば市に持つリチウムイオン電池の製造機能は、愛知県に移設、集約する。現在の供給先は積水化学が作る新築住宅向けがメーンだが、今後は他の住宅メーカーによる新築住宅や、リフォーム向けにも展開したい考えだ。
2009年に始まったFITによる電力の買い取り期間は、住宅用の太陽光発電では10年間と決められている。このため、売電していた一般消費者の間では2019年以降、つくった電力を自宅での消費に回す動きが増える見通し。積水化学は蓄電用でリチウムイオン電池の需要が増えると見ている。
積水化学のリチウム電池製造事業は業界では後発組。自社で取り組んでいたが、事業拡大を狙って2015年、エナックスを買収した。自動車向けの開発・販売も進めている。

11. 積水化学の純利益5期連続最高 2018年3月期、年5円増配

積水化学工業が4月26日発表した2018年3月期の連結決算は、純利益が前の期比4%増の634億円となり5期連続で過去最高を更新した。自動車向けなど高機能樹脂の需要が増えた。大都市の再開発向けに配管用パイプなども伸びた。期末配当をこれまでの計画より2円増やし、年間配当は5円増の40円とする。
売上高は4%増の1兆1,074億円だった。自動車用ガラス向けの音や熱を遮る中間膜が好調だった。車載電池の放熱材料も欧州の電気自動車などへの採用が進んだ。
スマートフォン(スマホ)のディスプレー関連素材は中国メーカーの新製品投入が遅れたため第4四半期に需要が鈍ったが、昨年末までの伸びで補った。住宅部門は戸建て住宅の販売が伸びたものの鋼材が値上がりして利益は横ばいだった。
同日発表した2019年3月期の業績予想は、売上高を前期比5%増の1兆1,680億円、純利益は6%増の670億円とした。年間配当は2円増の42円を計画する。あわせて2019年3月末までに160億円を上限とする自社株買いを実施すると公表した。

12. 劇場並みの音質楽しむモデル住宅 セキスイハイム中四国

セキスイハイム中四国(岡山市)は4月23日、埋込型スピーカーやスマートスピーカーを設置した「音を楽しむ」コンセプトモデル住宅を岡山エリアで先行展開すると発表した。オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン(東京・墨田)と提携し、オンキヨーのサラウンドシステムとAI(人工知能)スピーカーを導入、劇場のような音質環境と日常生活の効率化を図った。
岡山市内で5月12日にオープンするモデルハウスを先行公開した。リビングの天井に設置したセキスイハイム向けの埋込型5.1chシネマスピーカー5本で、部屋置きスピーカーや配線をなくした。米グーグルのAI「グーグルアシスタント」を搭載したAIスピーカーは、電動ロボット掃除機や電動カーテン、照明、テレビなどと連動、声だけで操作できる。
セキスイハイムの創立70周年記念商品「スマートパワーステーションGR」をベースに、オンキヨーのスピーカーを導入した。共働きの子育て世代を意識した、「セキスイハイム中四国だけの商品」(津田健取締役岡山支社長)という。

13. 積水ハウスのCO2削減目標に「科学的根拠」認定

積水ハウスは、同社の温室効果ガス削減目標が「パリ協定」の「2℃目標」を達成するのに科学的に根拠のある水準であると認められる、国際的組織「SBT(Science Based Targets)イニシアチブ」の認定を取得したと2018年4月9日に発表した。住宅業界におけるSBT認定は国内初という。
同社は、2008年に50年を目標とした脱炭素宣言をし、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及や、事業活動で発生する温室効果ガスの削減に取り組んでいる。同社の2016年度の新築戸建て住宅におけるZEH販売実績は74%。また、事業活動で使用する電力の再エネ100%を目指す「RE100イニシアチブ」に加盟している。
今回、SBT認定された目標は、「製品として供給する戸建ておよび賃貸住宅の使用に伴い消費されるエネルギーや電力によるCO2排出量(スコープ3、カテゴリー11)を2030年までに2013年比で45%削減」、「自社で消費するエネルギーによるCO2排出量(スコープ1、スコープ2)を同35%削減」。
この目標を実現する取り組みの一つとして、3年をめどに事業活動で使用する5万本超の蛍光灯をLEDに替える。
SBTイニシアチブは、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)、国連グローバルコンパクト(UNGC)の4団体によって設立された。「パリ合意」にコミットし、低炭素経済社会への移行を実現する企業の取り組みを加速する目的で、科学的知見に基づく目標設定を認定している。

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