1. 貸家の新設着工、4カ月連続減 9月


国土交通省が10月31日発表した9月の新設住宅着工戸数は、前年同月より2.9%減の8万3,128戸だった。減少は3カ月連続。このうち貸家は同2.3%減って3万7,521戸となり、4カ月連続でマイナスになった。金融庁の監督強化を受け、地銀が融資に慎重になっていることが背景にある。
貸家着工は相続税対策や低金利を背景に地銀が積極的に融資し、今年前半まで増勢が続いていた。ただ空室の増加を招くとして金融庁などが監督を強化したことで一転、減少に転じている。国交省は「郊外では需要がピークアウトした可能性がある」としている。
地域別での貸家着工は、首都圏が1.0%減った一方、中部圏は4.2%増、近畿圏は3.2%増だった。


2017年(平成29年)9月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 83,128戸 △2.9%
持家 24,883戸 △2.7%
分譲住宅 20,202戸 △5.3%
貸家 37,521戸 △2.3%

 

2. 積水ハウス、「再エネ100%」目指す企業連合に加盟

積水ハウスは10月20日、事業活動で使う電気の全量を再生可能エネルギーで賄うことを目指す世界の企業連合「RE100」に加盟したと発表した。2030年に消費電力の半分、2040年までに全量を再エネで賄う。同社が販売した住宅に設置する太陽光発電の電気を購入することで実現させる。
RE100は2014年の結成。米アップルやグーグル、独BMW、英蘭ユニリーバなど世界的企業110社程度が参加している。米マイクロソフトなどすでに再エネで全量賄う企業も出ている。企業の持続成長を占う目安として、世界の機関投資家も注目している。日本からはリコーが参加、積水ハウスは2社目になる。
積水ハウスが建設した戸建てや集合住宅などに設置した太陽光発電の発電能力は、合計65万キロワットにのぼる。そのうち3分の1程度を調達できれば、同社が事業活動で使う電力の全量を賄えるとみている。
2019年以降、固定価格買い取り制度(FIT)による売電期間が終わる住宅用の太陽光発電設備が順次出てくる。積水ハウスはそれらの住宅から、電気を買うことで再エネ比率を高める考え。同社が施工・販売した住宅の所有者に呼びかける。
同社は太陽光発電や断熱設備などを組み合わせて、住宅の電気代を実質ゼロにするゼロエネルギー住宅(ZEH)の普及に注力している。事業活動でも環境負荷軽減を進めることで、ZEHの販売促進につなげる。

3. 積水ハウス 3~4階建て新工法 工期を5カ月短縮

積水ハウスは10月30日、3~4階建て住宅に特化した新工法を20年ぶりに発表した。建物を支える柱や梁(はり)の1本あたりの強度を高め、必要な本数を大幅に減らせるようにした。自社が販売する戸建て住宅などに11月から活用する。積水ハウスは2020年度までに新工法を使った住宅などで約3,000億円以上の売上高を目指す。
新工法「フレキシブルβシステム」では鉄骨の柱の横幅を従来の約2倍にした。建物を支えるために必要な柱の本数を1棟あたり約25%削減できる。鉄骨の梁の縦幅を約1.8倍にした。1つの梁で支えられる部屋幅が約1.6倍の最大9メートルになり、自由な設計もしやすいという。
鉄骨の本数を減らせるため現場での作業時間を短縮できる。延べ床面積3,000平方メートルで、3階建ての共同住宅を鉄筋コンクリートで建てた場合と比べると、工期は約5カ月短くなる。
全国の住宅着工戸数が減少する中、都市部などの狭小地でも建てやすいことから中階層住宅の受注は伸びているという。

4. 阪大留学生宿舎の整備運営受託 パナホームや合人社

パナホームや、マンション管理の合人社計画研究所(広島市)などは10月27日、大阪大学が大阪府吹田市に計画している外国人留学生や教員向けの宿舎の整備・運営を受託したと発表した。病院や小売店などが一体となった複合施設で、2020年9月の完成予定。海外から招いた学生と日本人学生との交流を促し、地域の活性化を図る狙いもある。
パナホームを代表企業とし、合人社と松村組(大阪市)も出資する特別目的会社が事業を受注した。老朽化が進んだ阪大の津雲台宿舎を取り壊し、跡地に「グローバルビレッジ」と呼ぶ新施設を建設する。総敷地面積は2万平方メートル強となる。
パナホームは宿舎以外の施設を保有し、介護施設や賃貸住宅、学習塾、飲食店などに活用して運営する。契約期間は2070年までとした。
松村組が旧宿舎の解体や新宿舎の建設、類設計室(大阪市)が宿舎の設計、合人社が運営を担う。学生向けの300室と教員向けの400室を備える。

5. 2025年度の太陽光発電住宅、14.4%増の23.8万戸に

富士経済は、2016年度の太陽光発電設置住宅数は20万8,000戸だったとの調査結果を発表した。このうち、新築戸建住宅は44.7%の9万3,000戸、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)は2万8,000戸で新築戸建住宅の30.1%を占めた。
2025年度は、2016年度比14.4%増の23万8,000戸で、このうち新築戸建住宅は同44.1%増の13万4,000戸、ZEHは同2.5倍の7万1,000戸に拡大すると予測する。固定価格買取制度(FIT)の買取価格低下により2013年度をピークに減少が続いていたが、今後ハウスメーカーやビルダーのZEHへの取り組みが本格化するとみている。
また、全国規模で事業展開する大手ハウスメーカー8社の2016年度のZEH販売個数は1万7,000戸で、ZEH市場全体の60.7%を占める。同年度のZEH補助金交付件数の約2倍となり、補助金交付を受けずにZEH基準をクリアする住宅が販売されている。一方で、ZEH採用率はハウスメーカーによって1~58%と開きがあるという。
大手ハウスメーカーにおける太陽光発電システムの採用率は3~8割を占め、HEMS(住宅エネルギー管理システム)を標準搭載する事業者が増加しているという。今後は、ZEH販売戸数の拡大に向けて太陽光発電設置率の向上が課題とする事業者が増加している。また、LPガスエリアではZEH熱源機器として、電気駆動のヒートポンプとガスを使う「ハイブリッド給湯器」を提案するメーカーも見られるという。
ZEHの熱源選択においては、1次エネルギーの削減目標は設定されているものの、高効率機器であること以外の条件はない。大手以外のビルダーでは、販売価格が100万円を超える燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システム「エネファーム」を提案するのは一般的ではなく、ヒートポンプ式給湯機「エコキュート」を採用するケースが多いと予想されるという。

6. 富山市に「ゼロエネ街区」、太陽光+蓄電池+燃料電池

富山市が推進する環境配慮型街区「セーフ&環境スマートモデル街区」が完成し、2017年10月25日に完成式典が開催された。富山市が火か月「ネット・ゼロ・エネルギー」に向けたPPP(官民連携)事業で、公募型プロポーザルで選ばれた大和ハウス工業が工事を手掛けた。
富山市立豊田小学校の跡地約8,500㎡(平方メートル)に、宅地21区画と公共施設を建設した。宅地に建設する戸建住宅は、すべてに太陽光発電システムと家庭用Liイオン蓄電池、家庭用燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムを搭載した「3電池搭載住宅」となる。9棟が建売住宅、12棟が注文住宅で、現在はモデルルーム1棟が建設済み。
太陽光発電とLiイオン蓄電池を連係制御するハイブリッドシステム「POWER iE 6 HYBRID(パワーイエ・シックス・ハイブリッド)」(6.2kWh・太陽光発電システムと合わせて出力5.5kW)を全戸に設置する。太陽光発電システムとLiイオン蓄電池のパワーコンディショナー(PCS)を一体化することで、エネルギー制御を効率的に行う。PCSとLiイオン蓄電池ユニットはエリーパワー製。
公共施設は、地区センターや公民館、図書館分館の機能を持つ。また、太陽光発電とLiイオン蓄電池、天然ガスによるマイクロコージェネシステムを搭載し、非常時には地域の防災拠点となる。地区センターは10月23日から、公民館と図書館分館は10月26日から業務を開始した。
このほかにも、街区で共有する「まちの太陽光発電所」(出力11kW)は、発電した電力を住宅公園内の蓄電池に蓄え、平常時はLED防犯灯や防犯カメラに供給。災害時には非常用電力として防災備蓄倉庫や防災パーゴラに設置するコンセントから携帯電話を充電できるようにする。
住宅販売は、大和ハウス工業富山支店が担当する。宅地は平均201㎡(約61坪)で、土地を含めた1戸3,500万円程度になる見込み。第1期として11区画を販売開始した。

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