1. 住宅着工 7月2.3%減 2カ月ぶりマイナス


国土交通省が8月31日発表した7月の新設住宅着工戸数は前年同月比2.3%減の8万3,234戸だった。2カ月ぶりのマイナス。持ち家と貸家がいずれも2カ月連続の減少となったことが響いた。
持ち家は5.7%減の2万5,370戸となった。前年が高水準だった反動とみられる。
貸家は3.7%減の3万6,365戸。このところ、アパートローンなど個人による貸家業向け融資が落ち込んでいるとの日銀の統計もあり、国交省によると、事業者から「着工が一服した」との指摘が出ている。ただ、都市部の建設需要は底堅いとの声もある。
分譲住宅は5.7%増の2万1,037戸。一戸建ては減少したが、マンションは大規模案件が多かったことから15.2%増と大きく伸びた。
3大都市圏は首都圏が4.6%減、中部圏が1.3%減、近畿圏が3.3%減だった。


2017年(平成29年)7月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 83,234戸 △2.3%
持家 25,370戸 △5.7%
分譲住宅 21,037戸 5.7%
貸家 36,365戸 △3.7%

 

2. 住友不動産、4~6月純利益最高 29%増、オフィスビル賃貸好調

住友不動産が8月9日発表した2017年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比29%増428億円となり、4~6月期としては前年に続いて過去最高を更新した。主力のオフィスビル賃貸は都心中心に好調だった。分譲マンションなどを手掛ける不動産販売や中古住宅の仲介する不動産流通はそれぞれ部門営業利益が2ケタ増と大幅に拡大した。
売上高にあたる営業収益は2%増の2,709億円だった。オフィスビル賃貸では、既存ビルの賃料上昇に加え2017年3月期に竣工した「住友不動産六本木グランドタワー」の稼働が寄与した。マンション契約戸数は1,762戸と前年同期より229戸増えた。営業利益は18%増の631億円だった。

3. 高級感増すリフォーム 住友不動産がモデルルーム

住友不動産はマンションリフォームのハイエンド(高級)商品「CITY HOUSE STYLE」を具体的にイメージ、体感してもらうモデルルームを東京・六本木のマンションリフォームギャラリーに増設し、オープンさせた。高品質な仕様やスタイリッシュな設備を備えた「高級リフォーム」の訴求力をさらに高めたい考えだ。
住友不動産は、古い住まいをまるごと再生する「新築そっくりさん」部門において、マンションの内装、設備をすべて解体・撤去し間取りも自在に変更して新築マンション同様に再生する「マンションスケルトンリフォーム事業」を展開している。住友不動産はマンションリフォームの売上高(2016年、「リフォーム産業新聞」調べ)でトップに位置する。
こうした中、1993年より15年にわたって大量供給されてきた分譲マンションが「リフォーム適齢期」と呼ばれる築20年を迎え始め、市場の活性化が見込まれることを踏まえて昨年8月に発売したのが、「CITY HOUSE STYLE」だ。同社の供給する高級新築分譲マンション「シティハウス」シリーズと同等グレードの仕様や設備でトータルコーディネートし、新築高級マンションと見劣りしない仕上がりにできる。グレードの高いラグジュアリーな住まいを求める顧客の関心が高く、「モデルを見て検討したい」との多数の要望を受けて今回のモデルルーム増設にいたった。
モデルルームは、東京メトロ日比谷線「六本木」駅など3駅から徒歩4~5分の高級賃貸マンション「ザ・グランスイート六本木」(東京都港区六本木3の5の28、15階建て)の3階にあり、完全予約制。リフォーム完成後をイメージできる3室があったが、新たに「CITY HOUSE STYLE」の1室を追加した。施工過程を再現した工事中ルームのほか、個別相談できるカンファレンスルームやセミナールーム、さらに大手メーカーの最新キッチンなど水回りから建具などの住宅設備機器や建材を見られる展示ルームもあり、「ワンストップ」で体感、選択、相談できる。

4. 飯田GHDの4~6月、純利益9%減 マイナス金利の恩恵薄れ

飯田グループホールディングスが8月9日発表した2017年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比9%減の167億円だった。主力の戸建て分譲販売は前年同期に日銀のマイナス金利政策の恩恵を受けて1棟ごとの利益率が上がったが、その効果が薄れた。
売上高に相当する売上収益は7%増の2,956億円だった。戸建て住宅の分譲販売棟数が増えた。

5. 戸建て受注、4社が前年割れ 大手7社の7月

戸建て住宅メーカー大手7社の7月の受注状況(金額ベース、速報値)が8月10日出そろった。4社が前年実績を下回った。大和ハウス工業が15%減り、パナホームが17%減だった。17%減だった旭化成ホームズは過去最高の売り上げだった前年同月の反動で落ち込んだ。三井ホームと住友林業、積水ハウスの受注は微増だった。

6. 勾配屋根とエレベーター標準搭載の3階建て パナホーム

パナホーム(1924)は3階建て住宅「Vieuno3E(ビューノ スリーイー)」を発売した。勾配屋根の形状を生かして3階建て部分に最大天井高3.1メートルのリビングを実現。フロア間の移動をしやすくするため、パナソニック(6752)製の住宅用エレベーターを標準搭載した。太陽光発電システムの搭載も可能で、建築規制の厳しい都市部での住宅に向く。北海道や一部地域を除く全国で展開する。

7. エネルギー、理論上100%自給自足の平屋 積水化学工業

積水化学工業(4204)は鉄骨系の平屋住宅の新商品「スマートパワーステーションGR“楽の家”」の販売を始めた。創立70周年を記念した商品で、太陽光パネル一体型の屋根「スマートGルーフ」を採用した。理論上はエネルギー自給自足100%が実現でき、長期停電や電気代上昇という電力不安を限りなくゼロに近づけられるという。販売価格は3.3㎡当たり税別77万円台から。

8. 不動産情報をブロックチェーンで共有 HOME'S運営会社

不動産情報サイト「LIFULL HOME'S」運営のLIFULL(ライフル)が、ブロックチェーンを使って不動産情報を共有する実証実験を近く始める。将来は民間事業者同士が不動産情報をブロックチェーンで共有する仕組みを構築し、業界全体の効率化と市場活性化につなげる考えという。
空き家情報、修繕・リフォーム履歴、住宅評価情報、広告履歴など、官民のデータベースに散在する不動産情報をブロックチェーンに集約し、事業者間で共有できるようにする。まずはLIFULL1社で実験し、有用性が証明できれば複数の民間事業者が情報を共有できるデータベース基盤の構築を目指す。
実証実験はシステム開発のカイカ、ブロックチェーンソフト開発のテックビューロと共同で実施する。LIFULLが不動産関連情報のデータを提供し、カイカが技術支援、テックビューロが技術基盤の提供を担う。
将来は登記簿謄本や契約書、公的証書などの共有も視野に入れる。ただし実現には法務局や関連省庁などとの協議が前提になるという。

9. 空き家活用も提言 震災時の住宅修理支援 内閣府検討会

南海トラフ巨大地震などの大災害が発生した際の住宅問題について話し合う内閣府の有識者検討会は8月29日、報告書をまとめた。個人が所有する空き家を被災者の住まいとして活用することや、自宅を応急修理して住み続ける住民への支援策のあり方を提言。内閣府は報告書を受け、具体的な仕組みづくりの検討に入る。
内閣府の試算などによると、南海トラフ巨大地震で全壊する建物は最大239万棟に上り、最大205万戸の仮設住宅が必要になると想定。首都直下地震では最大61万棟が全壊、仮設住宅は最大94万戸が必要になる見込みで、住まいの大幅な不足が懸念されている。
有識者検討会は報告書で、東日本大震災の際に被災者が親族から物件を借りて入居するケースがあったことなどから、個人所有の空き家を災害時に活用できる可能性が高いと評価。「空き家・空き室を活用し、応急借り上げ住宅として積極的に供給していくことが必要」としている。
空き家を災害時に素早く提供するため、自治体が必要な手続きのマニュアルを定め、業務の進め方について、官民で訓練を実施する必要があると強調。自治体が「空き家バンク」に登録された物件の状態を平時から確認する必要性も訴えた。
検討会は、被災者が可能な限り自宅での生活を続けられるよう、災害救助法に基づく住宅の応急修理を促す必要があると指摘。都道府県が相談体制を整備したうえで、被災者が事業者選びの参考にできるよう、対応できる工事の種類などを記した指定業者のリストを整えることを求めた。
災害時は、被災者が一時的な住まいで長期間の避難生活を余儀なくされる恐れもある。このため検討会は、仮設住宅の有効活用策にも言及。住みやすいように改修したり、個人の敷地内に建設したりする案や、長期間の居住に耐えられるよう、住宅の基礎を鉄筋コンクリートでつくるなど、最初から強固な構造で建設する案を提示した。

10. 大和ハウス、米シアトルで賃貸住宅664戸運営

大和ハウス工業は9月1日、米シアトル近郊で賃貸住宅664戸を運営すると発表した。米国で協力関係にある不動産会社、リンカーン社(テキサス州)との共同事業で、2020年1月の完成をめざす。大和ハウスは6階建てと8階建ての賃貸住宅を建設する。専有面積は49~111平方メートル、賃料は月16万円台~33万円台を計画する。2019年6月に一部の入居を始める。
大和ハウスは昨年、約260億円を投じて米住宅会社を子会社化した。全米で賃貸事業を展開する戸建て住宅や商業施設も強化する。東南アジアやオーストラリアの事業も拡大し、2019年3月期の海外売上高を2017年3月期の2.2倍の2,500億円とする計画だ。

11. スマート住宅の関連市場縮小 太陽光苦戦、民間調べ

矢野経済研究所は8月18日、エネルギーを効率的に使うスマート住宅の関連設備市場が縮小傾向にあると発表した。2020年度には2016年度比で3割減の5,074億円になると予測する。住宅向け太陽光パネルの導入が落ち込む影響という。
住宅向けの太陽光パネルや蓄電池、スマートメーターなど7品目の市場規模を分析した。市場の大半を占める太陽光パネルは、発電した電気の売電価格が年々下がっているため縮小する見込み。
一方、太陽光パネルとスマートメーターを除いた5品目では2020年度に1,784億円と2016年度の4割増となる。国は、エネルギー収支が実質ゼロとなる「ゼロエネルギー住宅(ZEH)」の導入を後押ししており、燃料電池などが伸びるとみる。
市場の拡大には機器の導入コストの低減が不可欠と指摘。導入を計画する世帯は「比較的経済力が豊かな世帯に限られている」と分析している。

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