1.マンション着工12.6%減 5月、全体は3カ月ぶりマイナス


国土交通省が6月30日発表した5月の新設住宅着工戸数は前年同月比0.3%減の7万8,481戸ととなり、3カ月ぶりに減少した。首都圏での大規模物件の着工が少なかったマンションが同12.6%減の9,823戸にとどまった。
貸家は1.6%増の3万2,956戸と19カ月連続で増えた。相続税の節税対策や低金利を背景に増えているが、伸び率は2カ月連続で1%台に縮小した。同省は「プラス材料がある一方、アパートの供給過剰の見方が一部に出ている」(建設経済統計調査室)という。
持ち家は1.5%増の2万3,846戸。戸建て住宅も4.5%増の1万1,287戸だった。総戸数を年率(季節調整値)で換算すると、99万8,000戸にあたる。同室は「住宅着工はおおむね横ばいで推移している」との見解を示した。


2017年(平成29年)5月の新設住宅着工戸数


利用関係別 戸数 対前年同月増減率
総数 78,481戸 △0.3%
持家 23,846戸 1.5%
分譲住宅 21,347戸 △3.9%
貸家 32,956戸 1.6%

 

2. 5月戸建て受注、5社が前年割れ

戸建て住宅メーカー大手7社の5月の受注状況(金額ベース、速報値)が6月9日出そろった。5社が前年実績を下回った。前年同月に比べたマイナス幅はパナホームが25%、旭化成ホームズが11%。積水ハウスは9%、ミサワホームは5%、大和ハウス工業は2%だった。住友林業はほぼ横ばいで、三井ホームはわずかに前年実績を上回った。
昨年6月に安倍晋三首相が表明した消費増税の再延期により、消費者は購買に慎重になっている。各社が顧客獲得のために割引率を増やしたことも受注金額の減少につながった。

3.積水ハウスの2~4月、純利益69%増 賃貸住宅がけん引

積水ハウスが6月9日発表した2017年2~4月期の連結決算は、純利益が258億円と前年同期比69%増えた。都心部を中心に賃貸住宅の建設が好調で、主力の戸建て住宅は利益率が改善した。米国などで展開を加速する海外事業は2~4月期としては3期ぶりに黒字転換した。
売上高は9%増の4,407億円、営業利益は26%増の338億円だった。シンガポールなどの持ち分法適用会社の利益が21億円あり、純利益が大きく膨らんだ。
賃貸住宅の建設が業績をけん引した。同事業の営業利益は122億円と17%増加。業界では空き家の増加も指摘されるなか、土地オーナーの高い開発意欲を取り込んだ。管理賃貸物件の入居率も97%超と高い。
戸建て住宅は売上高が773億円と2%減った一方で、営業利益は71億円と9%増えた。環境対応住宅なども含め中高級路線に力を入れたことで採算が改善しており、売上高営業利益率は9%と前年同期比1ポイント改善した。部材調達や物流のテコ入れなどコスト圧縮も効いた。
前年同期に3億円の赤字だった海外事業の営業損益は20億円の黒字に転じた。米国で宅地を開発して販売する事業が好調に推移し、オーストラリアや中国のマンション販売も堅調だった。2017年1月期に伸び悩んだリフォーム事業は受注高が4%増えた。
2018年1月期通期は売上高を2兆1,440億円(前期比6%増)、純利益を1,280億円(同5%増)とする従来見通しは据え置いた。

4.積水ハウス、賃貸でもゼロエネルギー住宅 2018年から運用

積水ハウスは6月26日、2018年初めに環境対応の賃貸住宅の運用を始めると発表した。太陽電池などでつくるエネルギーが使用電力を上回るゼロエネルギーハウス(ZEH)仕様で、入居者は一定量まで電気代を払わなくていい。賃料は月5千円ほど高くなるが、生活費は割安になる可能性が高いという。
8月に金沢市内でZEHの重量鉄骨造アパートに着工する。一般住戸は13戸で、2018年1月中旬にも完成させる。31.5キロワットの太陽光パネルを設置し、断熱性能も高める。アパートはオーナーから同社グループが管理を受託する。
全住戸がZEHに対応する賃貸住宅は国内初という。同社は主力の戸建て住宅でZEHのノウハウを蓄積。昨年末にはZEH仕様の分譲マンションを2019年に完成させると発表した。

5.ポラス、前期純利益24%増

住宅事業のポラス(埼玉県越谷市)が6月26日発表した2017年3月期の連結純利益は前の期比24%増の36億円だった。注文住宅や分譲マンションの契約数が増加。売上高は11%増の1,932億円、経常利益は29%増の138億円で、いずれも過去最高だった。
受注状況を主要部門別にみると、戸建て分譲住宅の契約棟数は5%減の2,219棟。競争激化で前半に土地の仕入れが厳しく、数を減らした。一方、戸建て注文住宅は5%増の807棟、分譲マンションは137%増の254戸で、グループの合計の契約数は1%増の3,423戸となった。
建築木材を工場であらかじめ加工するプレカット材の外販も好調で、外販受注棟数は12%増の3万8,600棟だった。
2018年3月期の売上高は1%増の1,950億円、経常利益は9%増の150億円、純利益は3%増の38億円を見込む。住宅用地の仕入れが順調なうえ、新設したプレカットの佐賀工場が稼働する。同社は非上場だが、業績を公表している。

6.タマホーム最終黒字9億円 2017年5月期、リフォーム事業寄与

タマホームは6月28日、2017年5月期の連結最終損益が、9億100万円の黒字(前の期は4億4,600万円の赤字)になったと発表した。従来予想は5億円の黒字。利益率の高いリフォーム事業で引き渡し数が増えた。展示場の移転などに伴う減損損失が発生したが、円安による為替差益を計上して吸収した。
売上高は13%増の1,569億円だった。15%増としていた従来予想の1,588億円には届かなかった。リフォーム事業は好調で増収だった一方、職人の確保が難しく、注文住宅の引き渡し数が伸び悩んだ。
不動産関連のグループ会社で事業の立ち上げが遅れ、販管費は想定ほど増えなかった。決算発表は7月14日を予定する。

7.好みの天井高、空間演出 住友林業 The Forest BF

住友林業は、天井の高さを4種類から選べるうえ、新技術によって従来より開放的な空間を実現する戸建て注文住宅「The Forest BF(ザ・フォレスト・ビーエフ)」を、4月に発売した。沖縄県を除く全国で、年間5,500棟の受注を目指す。 
大きな特徴は「選べる天井高」。落ち着きのある空間となる2.25メートル、2.4メートル、開放的な空間の2.6メートル、2.8メートルの4種類を用意し、顧客の好みに合わせた室内空間を設計する。さらに、梁(はり)を露出させて天井を高く見せる「折上(おりあげ)天井」や、床を下げる設計を組み合わせることで、天井高は最大3.52メートルまで対応可能になり、消費者のニーズに合わせて幅広く対応できる。 
また、強度の高い鋼棒と木を組み合わせた「プレストレストティンバー」と呼ばれる、ハイブリッド構造の梁も特徴の一つ。この梁には、特許を取得した革新的な技術が活用されているため、柱と柱の間の最大開口幅が7.1メートルに及ぶ大空間が実現できる。大型ガレージや店舗設計などにも対応できる余裕の建物建設が可能だ。
断熱仕様も強化し、住まいの快適性を向上させている。高効率給湯システムや太陽光発電システムを組み合わせることで、エネルギー消費をかなり低減させる。  
一方、ライフスタイルの変化に対応できるよう、取り外しが容易な間仕切り壁を設定。子どもの誕生、成長、独立などに応じて2世帯住宅や店舗併用住宅なども可能だ。伝統的な本格和室もつくれるようになっている。 
さらに、床材は日本を含む世界の銘木(ナラ、クリ、ヒノキ、ウォルナット、チェリー、メープル、オーク、チーク、マホガニー等)を選択できる。室内壁のウッドタイルや木質天井などでぬくもりある室内空間も実現する。価格は130平方メートルのモデルプランの場合、3.3平方メートル当たり64万円(税抜き)。 
住友林業は「木と生きる幸福。」を感じて顧客に満足してもらえる住宅づくりを目標に掲げる。人と地球にやさしい自然素材の木を生かし、「住生活」に関するサービスを通じて豊かな社会の実現に貢献したい考えだ。

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