住宅関連情報 平成20年4月号

 
1.

2月の新設住宅着工戸数、8カ月連続減・ 前年比5%のマイナス

 
《平成20年2月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
82,962戸      △  5.0 %
持  ち  家
22,494戸
      △  2.1 %
分 譲 住 宅
26,757戸
      △  9.7 %
貸     家
33,063戸
      △  3.1 %
 
  国土交通省が3月31日発表した2月の新設住宅着工戸数は前年同月比5.0%減の8万2,962戸となった。8カ月連続で減少したが、1月に続いて1ケタの減少幅にとどまった。耐震偽装の再発防止のため建築確認を厳しくした改正建築基準法施行の影響は小さくなりつつある。一方、建物を建てる前に取る「建築確認」の申請件数で前年同月比の下落幅が拡大するなど、景気低迷の影響とも取れる動きが出てきた。
  新設住宅着工戸数は昨年7月以降、2ケタの大幅減が続いたが、1月(前年同月比5.7%減)は減少幅が縮小していた。地域別では1月に回復していた首都圏に加え、中部圏、近畿圏も総戸数がプラスに転じた。同省は「法改正の影響は解消しつつある」とみる。ただ三大都市圏を除く地方は20.7%減で、低迷が続いている。
  住宅着工の先行指標である建築確認の申請件数は5.0%減で、1月(3.9%減)より下落幅が拡大。2月の着工戸数も季節変動による影響を除いた季節調整値(年率換算)でみると、115万戸と前月比3%減った。
 
2.住宅ローン金利、一部引き下げ−三菱東京UFJ銀など
  
  三菱東京UFJ銀行とりそな銀行は3月28日、4月から適用する住宅ローン金利を発表した。7年物以上の固定金利を一律0.1%引き下げる。市場で長期金利が低下していることが主因。変動金利は2.875%で据え置く。
 
3.新規の住宅ローン、6年ぶり低水準・2007年14.8兆円、1割減
  
  銀行の住宅ローン貸し出しの減少が目立っている。日銀によると2007年の国内銀行の新規実行額は前年比10.1%減の14兆8,643億円と6年ぶりの低水準。住宅価格が上がる一方で金利の先高観が後退したためだ。建築基準法改正に伴い住宅着工が減った影響は今後に出てくる見通しで、減少に拍車がかかる可能性もある。
  新規実行額の減少は2年連続で、17兆円近かった2005年に比べて13%減った。景気回復のもたつきなどで、昨年に一時強まった日銀の追加利上げ観測が後退。利用者に「慌てて借りる必要はない」との心理が働き、ローンの申し込みにブレーキをかけたようだ。
  株価の下落によって富裕層が高額マンションの購入を手控えたり、景気の減速で個人の住宅購入意欲が減退したりしていることも響いている。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で、高額の住宅ローンを組むのを敬遠する雰囲気も出ているという。
 
4.2008年の公示地価、2年連続上昇・全国伸び率、1.7%に拡大
 
  国土交通省が3月24日発表した2008年1月1日時点の公示地価は全国平均(全用途)で前年比11.7%上昇し、2年連続で前年を上回った。根強いオフィス・住宅需要を背景に3大都市圏(東京と大阪、名古屋)で大きく上昇し、地方中核都市や大都市周辺にも波及した。ただ昨年後半からは米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題などの影響が出て、都心部では伸びが鈍った地点が広がっている。
  公示地価は2007年に全国平均で16年ぶりにプラスに転じた。2008年の伸び率は前年の0.4%上昇を上回った。2008年の全国平均は商業地が3.8%、住宅地も1.3%上昇した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏の平均で商業地が10.4%、住宅地が4.3%上昇した。
  中でも東京都は伸びが高く、商業地が前年比15.8%上昇した。渋谷区や「六本木ヒルズ」がある港区など都心の一等地では前年比3割以上地価が上がった地点がある。オフィスビルや商業施設などの再開発に加えて、ファンドによる資金が流入した。東京都は住宅地も9.1%伸び、人口増を反映した。 。
 
5.高齢者住宅需要、今後4年で新規に20万人分・ 民間調査
 
  長谷工総合研究所(東京・港、山本理所長)は2012年3月までに有料老人ホームなどの高齢者向け住宅の需要が約20万人分発生するとの調査結果をまとめた。多額の給付を受けられる介護保険施設「介護型療養病床」が全廃されることに注目。経営していた医療法人が施設形態を変更する必要に迫られるため、新規の需要が生まれると指摘している。
  医療・介護保険の両財政の健全化を目指し2006年6月に成立した「医療制度改革関連法」に基づき、2012年3月までに介護型療養病床が廃止される。
  既存入居者の受け皿として、有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅など、運営する事業者が受け取る介護報酬が比較的少ない、一般の住宅に近い施設に形態が変わるという。要介護5の高齢者の場合、介護型療養病床では月約40万円の介護報酬を、有料老人ホームの場合は、月約25万円の介護報酬を事業者が受け取ることができる。
 
6.経産省、建材・住設産業向け指針を策定  
 
  経済産業省は、原材料価格の高騰や建築確認の厳格化に伴う住宅着工の減少で中小企業経営が圧迫されていることを受け、建材・住宅設備産業を対象に、親企業と下請け企業間での適正な取引例を示した指針をまとめた。製品単価が原材料価格に連動して変動するシステムを導入するよう求めたのが柱。下請け企業が親企業と値決め交渉する際の参考としてもらう。
  指針では親企業が建物に対する施工主の希望を十分に確認するよう要求。施工主の希望が変わり、建材の仕様変更が繰り返され、下請け企業の負担が増えるのを抑える狙い。
 
7.首都圏の1月の分譲戸建ての供給戸数は42%減・日本住宅建設産業協会
 

  日本住宅建設産業協会(東京・千代田)は、1月の首都圏の戸建て分譲住宅の供給動向を発表した。首都圏全体の供給戸数は前年同月比42.1%減の537戸で、3カ月連続の前年割れとなった。建築コストの増加による住宅の販売価格上昇を受けた、買い控えなどが響いたようだ。
  首都圏全体の住宅価格は前年同月より4.2%高い1,038万円となったが、敷地面積は同8.1%減の123平方メートル。建築費や地価の高騰により、敷地や住宅の面積を抑える傾向が顕著になった。3.3平方メートル当たりの価格は7.2%高い35万1,000円となった。

 
8.トヨタホーム、横浜に体験型ショールーム開設
 
  トヨタホームは3月27日、横浜市に大規模ショールームを開設する。電気とガスによる料理を比較できる台所や雨戸の自動開閉により快適な睡眠と目覚めを実現する寝室など、体験型の施設を多く取り入れた。同社が名古屋市以外にショールームを開設するのは初めてで、市場規模の大きな首都圏で販売を強化する。
  トヨタ自動車グループが開発した商業施設「トレッサ横浜」に「アトリスプラザ横浜」を開設する。面積は約1,400平方メートルで、 地震や防犯設備の体験ができるコーナーも設ける。壁や扉などの部材を展示するほか、商談スペースも設けて、販売会社のトヨタホーム東京(東京・千代田)が営業活動に使えるようにする。(名古屋)
 
9.住友林業とイノスグループ、子育て世代向けの低価格戸建て住宅
 
  住友林業は中小工務店の会員組織「イノスグループ」と共同開発した戸建て住宅を3月26日に発売する。子育て世代を主な売り込み先として想定しており、住友林業の他の商品に比べ価格を抑えた。初年度に100棟の販売を目指す。
  発売するのは、イノスの家 子どもとともに育つ家「co.co.to(ココト)」(商品名)。子どもが遊んだり、家族で一緒に入浴できるように、広い土間や浴室を設ける基本設計を5種類用意した。3.3平方メートル当たりの価格は45万円台から。住友林業が提供する他商品の平均価格に比べ、約10万円安くしたという。
 
10.
住友林業、豪州の戸建て住宅市場に参入−現地企業と合弁
 
  住友林業は4月1日、オーストラリアの戸建て住宅市場に参入すると発表した。1日付で現地企業と折半出資の合弁会社を新設。メルボルン市近郊で分譲住宅の開発・販売に着手する。日本の住宅会社が豪州に進出するのは初めて。鉄鉱石の高騰など資源ビジネスが活況を呈しており、伸びが期待できる優良な市場と判断した。
  現地で年間約1,200棟の戸建て住宅を販売する「ヘンリーアーチ」(ビクトリア州)と住友林業の豪州現地法人との間で、合弁会社「ヘンリー―SFCハウジングユニットトラスト」(同)を設立した。資本金は50万豪ドル(約5,000万円)。メルボルン市近郊のメルトン市で平均土地面積が約600平方メートルで11区画からなる分譲住宅地を開発。2009年秋までにツーバイフォー工法の木造住宅を販売する。
 
11.
積水ハウス、「中2階」で収納確保した新型木造住宅
 
  積水ハウスは3月10日、木造住宅「シャーウッド」シリーズの新商品として"中2階"を設けて広い収納スペースを確保できる「パーソナルオーダーメイド ルーモア」を発売した。1階と2階の部屋の天井高を通常より10−30センチ程度低くし、その間に高さ1.03−1.33メートルの収納用の部屋を造る。月20棟の販売を目指す。
  通常の1階と2階の間に収納スペースを確保することで、居住用の部屋を広く設計できるようにした。3階建ての住宅よりも階段の上り下りの負担が少なくなるという利点もある。
  建築基準法では天井高が1.4メートル以下で設置階の床面積の2分の1未満であれば延べ床面積に算入されないことから、都心部などで敷地面積に対する延べ床面積の比率である「容積率」の制限が厳しい地域などで需要を見込む。
 
12.
積水ハウス、「CO2オフ住宅」を発売・燃料電池を標準装備
 
  積水ハウスは3月18日、4月3日から燃料電池を標準装備した初めての住宅「二酸化炭素(CO2)オフ住宅」を発売すると発表した。太陽電池と燃料電池の導入で家庭の電力使用量の大半を自家発電でまかなえるのが特長。余った電気を売って火力発電を減らすことで、調理などで住宅から出るのと同量の二酸化炭素を削減できるという。価格は従来商品より1割程度高くなる。
  新商品では国が定める省エネ基準よりさらに約2割省エネ性能が高い断熱材や発光ダイオード(LED)照明、省エネ食器洗乾燥機などを採用。価格は従来品より300万円前後上乗せされるが、標準的な世帯であれば年間光熱費は5万円程度で1980年代に建てられた平均的な木造住宅よりも約17万円安いとしている。
 
13.
積水ハウス、家の設備を携帯で遠隔操作できる住宅
 
  積水ハウスは3月24日、携帯電話を使ってドアの施錠などといった住宅設備の操作ができる住宅を4月から販売すると発表した。NTTドコモの遠隔操作サービスを栃木県足利市の建て売り戸建て分譲地「コモンアベニュー毛野」の住宅すべてに導入する。分譲地への導入は初めてで、戸建て住宅市場が低迷する中、IT(情報技術)サービスで差別化を図る。
  携帯電話の「おサイフケータイ」機能を応用し、玄関に付いた非接触型ICチップの読み取り装置に携帯電話をかざすことで鍵の開閉ができる。外出先からでも施錠のほか、照明、エアコン、窓シャッターの開閉などを確認でき、遠隔操作することもできる。サービス対応設備込みで住宅の最多販売価格帯は3,400万−4,200万円程度となる。
 
14.
パナホーム、宿泊体験型モデル住宅の展開を拡大
 
  パナホームは総合展示場が中心だった住宅営業を見直し、宿泊体験型モデル住宅の展開を拡大する。2008年度から全国にある総合展示場の約1割を閉鎖、宿泊が可能なオール電化モデル住宅を20倍の100カ所に広げる。戸建て住宅市場が冷え込むなか、これまでの営業手法を見直す。
  モデル住宅は分譲地に建設する。松下電器産業グループの最新製品のショールームの一つとして位置づけ、薄型テレビや冷蔵庫、洗濯機など一般的な家電に加え、ホームシアターや乗馬式運動器具なども備え付ける。
 
15.
松下電工、住建事業で製造17拠点を再編
 
  松下電工は3月7日、主力の住建事業の再編計画を発表した。3月末までに660人を削減し、営業所を150カ所から2割減らす。同月末までに戸建て住宅向けエクステリア事業から撤退し、2008年度には製造工場17カ所を再編する。将来の国内住宅市場の縮小をにらみ事業体制を見直し、採算性を改善。水回り製品やオール電化製品の拡販や海外事業拡大などで、10年度に売上高で2007年度比15%増の6,000億円を目指す。
  同日都内で開いた記者会見で、住建事業副本部長の北野亮執行役員は、「国内市場は先行き不透明感が強い。利益を生み出せる筋肉質な事業構造を早急に構築する」と狙いを語った。一連の構造改革で85億円の費用削減効果を見込む。
 
16.
ミサワホーム、消費エネルギーをすべて賄う住宅・ 旭川で実験
 
  ミサワホームは3月17日、住宅建設時や実際の生活で消費するエネルギーを住宅に設置した太陽光発電装置ですべて賄う実証実験を北海道旭川市で始めると発表した。断熱性や暖房効率を高めた実験用住宅を新設。4月以降、実際に入居者に住んでもらい、データを収集する。環境負荷を低減できる住宅の研究開発を強化する。
  新設した実験用住宅は2階建てで延べ床面積が139平方メートル。同社が北海道で販売する標準的な住宅に比べ、外壁の厚みを1.8倍にし、熱を反射する効果の高い高断熱ガラスを導入した。同社の寒冷地仕様の従来の住宅にくらべ、消費エネルギーを約65%抑えたという。
 
17.
トステム住宅研究所、省エネの新ブランド・風や光を活用し快適に
 
  住生活グループ傘下で戸建て住宅フランチャイズ(FC)事業を統括するトステム住宅研究所(東京・江東)は、自然の力を活用し、快適性を高めた「アリエッタ」を4月1日に発売する。窓の形状や位置を工夫するなどして、効率的に風や光を取り入れ、エネルギー消費の削減を図る。同日付で発足する住宅の新ブランド「フィアスホーム」の初商品となる。
  顧客の希望により、風の流れや光の動きなどのシミュレーションも実施する。風や光を活用し、冷暖房費や照明代の削減につなげる。延べ床面積が102−162平方メートル(31−49坪)まで20プランあり、価格は162平方メートルのタイプで2,600万円など。
 
18.
三井住友建設、物流施設向け工期を3割短縮
 
  三井住友建設は3月26日、物流施設向けの施工で従来と比べ工期を3割短縮できる工法を開発したと発表した。柱とハリをあらかじめ工場で作るプレキャスト部材を一部改良したことで大幅な工期短縮が可能になった。
  物流施設は柱を鉄筋コンクリート、はりを鉄骨で構成するケースが主流。今までも柱とハリはプレキャストだったが、柱とハリの接続部だけは現場でコンクリートを打つ必要があった。今回の工法は、はりの一部にあらかじめコンクリートを設置し、現場では柱にはめるだけで接続できるよう改良した。
 
19.
三井不動産グループ、リフォームなど手配の専門会社
 
  三井不動産販売と三井ホーム、リフォームなどを手掛ける三井ホームリモデリングの3社は、リフォーム、引っ越し、ハウスクリーニングなどの手配を専門に手掛ける共同出資会社を4月1日付で設立する。同様の事業を担っていた三井不動産販売の「営業推進部関連事業グループ」を切り離し、専門会社化する。2010年度をメドに年間の取扱件数を現在の7,800件から1万2,000件に増やす。
  新会社は「リハウスサポート」で資本金は5,000万円。三井不動産販売が60%、三井ホームと三井ホームリモデリングが20%ずつ出資する。