住宅関連情報 平成20年3月号
 
1.

1月の新設住宅着工、5.7%減 −減少率1ケタ台に縮まる

 
《平成20年1月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
86,971戸      △  5.7 %
持  ち  家
22,480戸
      △  4.2 %
分 譲 住 宅
25,052戸
      △ 11.6 %
貸     家
38,776戸
      △  2.7 %
 
  国土交通省が2月29日発表した1月の新設住宅着工戸数は前年同月比5.7%減の8万6,971戸で7カ月連続で減少した。耐震偽装の再発を防止するため昨年6月に建築確認を厳しくした改正建築基準法を施行した昨年7月以降、2ケタ台の大幅減が続いていたが1月は1ケタ台に縮まった。建築確認の申請件数も減少幅は縮小傾向で、同省は「法改正の影響は解消に向かいつつある」とみている。
  1月の着工戸数を季節変動による影響を除いた季節調整値(年率換算)でみると前月比13%増の118万7,000戸。昨年9月の73万戸を底に4カ月連続で増えている。住宅着工の先行指標である建築確認の申請件数も前年同月比3.9%減で、減少率は昨年12月(9.3%減)に比べると小さくなった。
  同省が改正建築基準法の施行で建築確認手続きを厳しくしたため住宅着工は急減、住宅関連の企業が業績を下方修正するなど実体経済に影響が出ていた。建築確認基準が明確になるにつれ混乱は収まりつつあり、住宅着工は足元では回復傾向にある。ただ住宅資材の受注などに波及するにはまだ時間がかかるとの指摘もある。
  昨年7月から2ケタの減少率が続いていた貸家の新設住宅着工件数も1月は前年同月比2.7%減にとどまった。小規模物件の多い持ち家は4.2%減だった。建築確認の審査に時間がかかる大規模物件が多いマンションは12.0%減ったが減少率は前月(49.7%減)に比べると縮小した。
 
2.住宅ローン返済、大手銀行がサービス強化・ネット手続き無料に
  
  大手銀行が住宅ローンの返済サービスを相次ぎ拡充している。三井住友銀行や新生銀行がインターネット上の返済手続きを24時間無料で受け付けているほか、みずほ銀行は固定金利と変動金利の切り替えをネットでできるようにした。住宅需要の低迷で融資残高は伸び悩んでおり、金融機関は顧客の獲得に向けて金利水準以外でも競い合っている。
  住宅ローンの融資期間は長期に及ぶこともあり、返済のサービス内容も金融機関を選ぶ際の重要な要素になっているという。三井住友銀はネットを使った繰り上げ返済手続きを無料で24時間受け付けるようにした。同行では繰り上げ返済する顧客のうち、7割程度がネットを利用している。従来は平日の午前9時から午後3時までだったが、「昼間働いている借り主の使い勝手を高める必要があった」(ローン事業部)という。
 
3.大手4銀行、住宅ローン金利引き上げ
  
  三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの各銀行が3月から適用する住宅ローン金利が2月29日、出そろった。ローン金利を決める際の指標となる市場金利の上昇を受けて、3、5、10年物の固定金利を4行そろって引き上げる。
  3年物と5年物ではみずほ銀行が0.05%引き上げて、それぞれ3.05%、3.15%とする。他の3行は0.15%引き上げて、3.15%、3.25%とする。10年物は0.05−0.15%上げて、3.55−3.7%になる。変動金利は2.875%で据え置く。
 
4.地銀共同住宅ローン、24銀行が参加に意欲
 
  横浜、千葉など関東周辺の地方銀行7行が進めている住宅ローンの共同開発に、全国の20以上の地銀が加わる見通しになった。女性や地球環境に配慮した住宅購入者らを囲い込む商品をつくる計画で、住宅ローン事業への参入を目指すゆうちょ銀行を迎え撃つ狙いがある。
  地銀7行は2月上旬、ゆうちょ銀行への対抗を目的として、住宅ローンの共同開発で合意した。他行にも合流を呼びかけたところ、2月26日までに北海道、岩手、京都、西日本シティなど24行が加入の意欲を示した。64行ある地銀のうち、ほぼ半数がかかわる事業になるもようだ。
 
5.2007年の住設・建材市場、前年比4.5%減−改正建築基準法響く
 
  富士経済(東京・中央)は2月12日、2007年の住宅設備・建材の市場規模が前年比4.5%減の5兆3,318億円となった模様だと発表した。改正建築基準法施行の影響で、新設住宅着工件数が前年比81.9%と急減したことが響いた。ただ、省エネ商品の人気の高まりなどを理由に、2011年には市場規模が2007年比10.9%増になると予測した。
  2007年の市場規模は、住宅設備が前年比1.8%減の2兆9,396億円、建材が同7.6%減の2兆3,922億円だった。2004年から続いていた年平均3.6%の順当な伸びから一転した。
 
6.改正建築基準法、審査期間2倍強に・建築業協会調べ 
 
  建築業協会は会員の大手ゼネコンを対象に、改正建築基準法施行後の建築確認審査の実態に関する2回目のアンケート調査を実施した。20メートル超の鉄筋コンクリート造りなど新たに構造計算の二重チェック(ピアチェック)が必要となった新築の建物で、2007年11月−2008年1月に建築確認審査が終了した146件の平均審査期間は51日。依然として法改正前の2倍強に延びた状態が続いている。
  調査は鹿島など会員の大手ゼネコン13社を対象に実施。平均審査期間51日のうち、通常の審査に19日間、ピアチェックに32日間かかった。1月に審査を終えた物件の平均審査期間は56日。法施行から3カ月が経過した2007年9月に審査を終えた物件の所要日数が54日で、審査期間の短縮が進んでいない。
 
7.建築確認の耐震審査、木造2階義務化先送り
 

  国土交通省は2階建て以下の木造住宅について、2008年末に導入する見込みだった耐震強度の審査義務づけを先送りする方針を決めた。建築確認の厳格化で住宅着工件数が急減。新たな審査を増やせば再び混乱を深めかねないと判断した。建築業界や設計士への周知を徹底したうえで改めて導入時期を判断する。
  2階建て以下の小規模な木造住宅を建築する際、建築士による設計の場合は耐震強度の審査を省略できる特例がある。壁などの耐震強度が基準を満たしているかを建築士が点検することを前提にしているためだ。 。

 
8.国交省、「200年住宅」法案固める
 
  国土交通省は2月15日、数世代にわたって住み続けられる「200年住宅」の普及を促す長期優良住宅普及促進法案を固めた。耐震性や改修がしやすいなど一定の基準を満たした住宅を自治体が認定し、税制優遇などの普及支援策を適用。定期点検や補修工事などの履歴情報を記録した「住宅履歴書」の作成・保存を義務づけ、中古住宅市場の活性化を目指す。与党の了承を得たうえで2月26日に閣議決定し、通常国会に提出する。
 
9.スウェーデンハウス、最長50年融資する住宅ローン
 
  スウェーデンハウス(東京・世田谷)は2月7日、農林中央金庫グループの協同住宅ローン(東京・目黒)と組み融資期間が最長50年の住宅ローンを導入すると発表した。スウェーデンハウスの住宅にのみ利用できる。住宅を取得して間もない時期に毎月の返済額を抑えられるうえ、繰り上げ返済をしやすくした。若年層に売り込み住宅拡販につなげる。
  導入するのは「ファミリエ50」。融資期間は最長50年で、借入限度額は1億円。協同住宅が開発した変動金利の50年ローンと、住宅金融支援機構の固定金利の35年ローン「フラット35」を組み合わせた。手数料を無料にすることで繰り上げ返済をしやすくした。2月13日から受け付け、2009年3月期で300件の受け付けを目指す。
 
10.
スウェーデンハウス、全顧客に住宅の詳細情報提供
 
  戸建て住宅販売を手がけるスウェーデンハウス(東京・世田谷)は使用している住設機器やリフォーム履歴など住宅に関連する詳細な情報を全顧客に提供する。情報公開の徹底を約束することで住宅の品質に対する顧客の安心感を高め、住宅の拡販につなげる狙いだ。
  同社がこれまでに販売した住宅約2万3,000戸すべての顧客に情報を提供する方針。提供するのは使用している建材や住設機器、リフォームをした場所と時期、住宅の設計図、点検履歴、不具合があった場所、断熱性の試験結果などのデータ。これまでは原則、同社が情報を一括で保管・管理していた。
 
11.
ユニバーサルホーム、住宅・住設関連の大型フェア
 
  ユニバーサルホームは、住宅関連のイベントを積極開催する。会場内にモデルハウス1棟を建設するほか、周囲には他社の建材や住設機器など最新の製品を紹介するブースも設置。制震装置や環境に配慮した建材などを実際に見てもらうことで、同社製品への理解を深めてもらうのが狙い。
  2月9−10日にさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)で開催した「進快適 家づくり フェア」は、入場者が3,125人だった。今回が初のイベント開催だったこともあり、入場者数は当初目標の3分の1程度にとどまった。今後は知名度を高める工夫を凝らしながら、集客増に努める方針だ。
 
12.
積水ハウス、燃料電池付きエコ住宅
 
  積水ハウスは今夏、燃料電池や省エネ機器を標準装備した「エコ住宅」を発売する。太陽光発電などと合わせれば電力使用量の大半を自家発電で賄え、家庭の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に減らせるという。燃料電池を標準装備した住宅の販売は国内で初めて。工場に比べ遅れている家庭のCO2排出削減対策に弾みが付きそうだ。
  新しい住宅に装備する燃料電池は天然ガスから水素を取り出して酸素と反応させ、電力と熱を同時に賄う方式を採用。給湯や暖房の効率が上がるほか、火力発電の電気を使う場合に比べ二酸化炭素排出量を2割以上減らすことができる。太陽電池も標準装備するため理論上の排出量はゼロになるという。
 
13.
積水化学、住宅のリサイクル事業を拡充
 
  積水化学工業は、同社が販売した住宅の再生事業を拡充する。住宅を解体して工場に持ち帰り、補修・刷新し、新築並みにして建て替えるのが特徴。新築着工が低迷する中、中古住宅の再生需要を掘り起こすほか、自社製品の長寿命化をアピールする。再生住宅の受注を5年後に現在の約3倍にあたる年間約100棟に引き上げる。
  同社の「セキスイハイム」を再生する「再築システムの家」は、住宅を構成する「ユニット」と呼ぶ鉄骨製の箱形部材を最寄りの工場に搬入。鋼材表面にめっきを再塗装したり、キッチンやバス・トイレといった経年劣化した住設機器を交換するなどして刷新。現地で再び建築する。
 
14.
東日本ハウス、太陽光発電システムを標準搭載した住宅発売
 
  ジャスダック上場で木造住宅の東日本ハウスは2月20日、環境に優しいをテーマに設計した住宅「スーパーエコイズム40」を3月から販売すると発表した。同社が創立40周年を迎えた記念キャンペーンとして4月20日までの期間限定で売り出し、200棟の販売を目指す。
  「スーパー」は、オール電化の設計と太陽光発電システムの標準搭載が目玉。同社従来比で光熱費を年間16万4,712円(首都圏在住を想定)減らせるほか、二酸化炭素(CO2)の排出削減効果も期待できる点をアピールする。
  価格は首都圏の玄関南向き約132平方メートルタイプで2,380万円。通常より「300万円割安に設定した」(東日本ハウス)。外観は和洋2タイプから選べる。