住宅関連情報 平成20年1月号
 
1.

11月の新設住宅着工、前年比5カ月連続減−減少率は縮小

 
《平成19年11月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
84,252戸      △ 27.0 %
持  ち  家
26,604戸
      △  7.6 %
分 譲 住 宅
18,478戸
      △ 47.4 %
貸     家
38,859戸
      △ 23.4 %
 
  国土交通省が12月27日発表した11月の新設住宅着工戸数は、マンションなどの耐震強度偽装事件を受けた改正建築基準法(6月20日施行)の影響で前年同月比27.0%減の8万4,252戸と5カ月連続で減少した。だが、減少率は前月より8.0ポイント縮小。前月比で比較すると9.5%増と、2カ月連続で増加した。
  同法施行直後には急減した建築確認申請件数も、11月は同6.3%減の5万3,293件となり、減少率は2カ月連続で縮小した。国交省は「現場の混乱も収まってきたと聞いている。反落することはもうないのではないか」と予測。今後の新設住宅着工件数に関しても「建築確認のタイミングと多少タイムラグはあるが、着実に数字が上がっていくと見ている」としている。
 
2.2007年度上半期のプレハブ住宅販売、7.9%減
  
  プレハブ建築協会がまとめた2007年度上期(4−9月)のプレハブ住宅の販売実績調査によると、販売戸数は前年同期比7.9%減の8万4,233戸となった。前年同期実績を下回るのは2半期連続で、2005年度上期以来の8万戸台となった。好調なマンション販売などにおされたことが原因という。
  戸建て住宅は同6.6%減の3万5,436戸。上半期としては8期連続で前年実績を割り込んだ。アパートなどを指す共同建て住宅は同8.7%減の4万8,797戸となった。
 
3.改正建築基準法、技術的問題見直し−建築確認の停滞受け
  
  姉歯秀次・元一級建築士による耐震強度偽装事件を受けて6月に施行された改正建築基準法について、国土交通省や建築関連団体は、構造計算書の作成など改正法の技術的問題点を見直すことを決めた。建築確認が厳しくなり、確認申請・審査に大幅な遅れが生じているため。今月中にも委員会を立ち上げ、省令や施行令などの改正で技術基準を定める。
  立ち上げる委員会は「建築構造基準フォロー支援委員会」。日本建築防災協会(東京・港)に事務局を置き、日本建築構造技術者協会(東京・千代田)などの建築関連団体、有識者などが参加する。
 
4.耐震偽装防ぐ新構造計算、プログラム認定なお難航
 
  建築物の耐震強度データ改ざんを防ぐため、国土交通省が新たな構造計算方法を定めたプログラムを動かすソフトの認定が難航、半年を経ても機能しない状態が続く異例の事態となっている。改ざん防止機能などの基準をクリアするのが難しいためで、建築確認や偽装防止の取り組みに悪影響が出る可能性がある。  
  新プログラムは姉歯秀次・元一級建築士による耐震強度偽装事件を機に定められた。構造計算書の改ざん防止機能、誤入力チェック機能など10項目の基準をクリアしたソフトには国交相の認定を与え、6月までに運用を始める予定だった。
 
5.構造計算の二重点検物件、審査期間は2倍強−建築業協会が会員調査
 
  建築業協会は会員の大手ゼネコンを対象に、改正建築基準法施行に伴う建築確認申請手続きの実態を把握するためのアンケート調査を実施した。改正法により20メートル超の鉄筋コンクリート造りなど、構造計算の二重チェックが必要となった新築の建物で、2007年9−11月に建築確認審査が終了した99物件の平均審査期間は51日と、改正前の2倍強に延びていることが分かった。  
  改正前では、審査期間はどんな建物でも最長で21日以内と定めていた。9−11月に建築確認審査を終えた二重チェックが不要の新築物件では、65物件の平均審査期間は21日と改正前と同程度だった。
  アンケートは鹿島や大成建設、清水建設など会員の大手ゼネコン13社を対象に実施し、11社から回答を得た。
 
6.住宅ローン金利、一律0.05%下げ・大手銀行、5年物固定 
 
  三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの各大手銀行が来年1月4日から適用する住宅ローン金利が12月28日出そろった。5年物の固定金利は4行そろって0.05%引き下げるほか、3年物や10年物でも引き下げる動きが広がった。市場金利の変動を反映したほか、みずほ銀行は「他行も金利を下げて顧客取り込みに動いていることを意識した」(ローン・リテール業務部)という
 
7.住宅取得時の消費税、「引き上げ反対」が7割超・アンケート調査
 

  住宅生産団体連合会(東京・港)は住宅展示場の来場者を対象に、住宅取得時の消費税について聞いたアンケートの結果を公表した。それによると、住宅を購入する際に現行税率(5%)を負担に感じている人は8割を超えた。また、住宅取得時にかかる消費税率の引き上げに反対する人は全体の7割超を占めた。
  2007年4月28日から5月31日に、29カ所の住宅展示場への来場者にアンケート用紙を配布し、その場で記入してもらい、2,628枚を回収した。

 
8.省エネ住宅改修で税優遇・自民税調方針
 
  自民党税制調査会(津島雄二会長)は12月11日、住宅の省エネを促すため改修費用の一部を税優遇する「住宅の省エネ改修促進税制」を2008年度に創設する方針を固めた。天井、壁、床、窓などの断熱工事の費用に充てるために借りた住宅ローンの残高の2%を5年間、所得税から差し引ける。限度額は200万円。改修費用が30万円を超える場合が対象で、来年12月まで適用する。  
  主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の来夏開催を控え、取り組みが遅れている家庭部門での温暖化対策を後押しする狙い。12月13日にまとめる来年度の与党税制改正大綱に盛り込む。  
  省エネ改修以外の工事も同時にした場合、省エネ改修以外の費用も残高の1%を税額控除できる。省エネ改修の費用も合わせ、ローン残高1,000万円までが対象となる。
 
9.大和ハウス工業、2世帯向け住宅設計「近居・育孫」を開発
 
  大和ハウス工業は親世帯、子世帯が快適に行き来できる住宅設計「近居・育孫」を開発した。建て替えや住み替えの際、二世帯がプライバシーに配慮しつつ自由に移動できる設計方法や商品を提案する。
  「近居・育孫」は交通手段に関係なく30分圏内に親、子世帯の住まいがある家庭を対象とする。設計面では台所や居間など人が多く集まる場所からあらゆる場所に目が届くほか、移動しやすいよう台所などを囲むように風呂やトイレ、居間など生活要所を配置する。
 
10.大和ハウス、PFIによる公営住宅の建て替え事業に参入
 
  大和ハウス工業はPFI(民間資金を活用した社会資本整備)による公営住宅の建て替え事業を始める。まず設計会社のアール・アイ・エー(東京・港)などと共同で大阪府営住宅を建て替え、千里ニュータウン(大阪府吹田市)の再開発に取り組む。大阪の中心部は遊休地がほぼ出尽くしており、老朽化が進むニュータウンの再開発に参加し周辺地域での開発事業を強化する。
  府営千里佐竹台住宅(吹田市、310戸)の建て替えで大阪府と本契約を結んだ。運営を非営利組織(NPO)に委託して子育て支援施設を設置する計画や、住宅内の死角をなくすなど安全性に配慮した設計が評価された。
 
11.住友林業と協力工務店、和風でそろえた自由設計の戸建て
 
  住友林業は、資材供給や技術支援で協力する中小工務店のグループ「イノスグループ」と共同開発した自由設計の戸建て住宅を発売した。3.3平方メートル当たりの価格を47万円台からと比較的低く抑え、和室や土間など和風の設計をそろえたことが特徴。2009年12月までに200棟の販売を目指す。
  発売したのは「和三景(わさんけい)」(商品名)。全国で1月20日から販売を開始した。軒が長く、平行な屋根を強調した「憧景」など3種類の外観パターンに加え、2間続きの和室や掘りごたつを設けた茶の間など6つの基本設計を用意した。
 
12.積水ハウスなど、茨城の分譲地で燃料電池の実験開始
 
  積水ハウスは12月13日、日本総合研究所(東京・千代田)などと共同で茨城県の分譲地において燃料電池の設置実験を始めたと発表した。分譲地内の全14戸にジャパンエナジーが家庭用燃料電池を設置。2年間にわたり電気、熱の利用データを計測する。その後近隣住宅間での電気や熱のやりとりをコンピュータ上でシミュレーションし、住宅地全体での省エネ効果を検証する。
  分譲地は茨城県古河市にある「コモンライフ古河」。2007年5月から積水ハウスが販売を始め、現在敷地内には戸建て住宅が14戸ある。
 
13.桧家住宅、戸建て分譲会社など買収−不動産事業にも力
 
  注文木造住宅の桧家住宅(埼玉県加須市)は1月7日、戸建て分譲住宅の石塚建設工業(東京都西東京市、石塚秀二社長)と不動産販売の住宅建設(同)の全株式を2社の経営陣から2月に取得し、完全子会社化すると発表した。取得金額は今後詰める。戸建て分譲住宅や不動産事業に業容を広げるのが狙い。同日、子会社のユートピアホームを4月に吸収合併することも発表した。  
  買収が決定した石塚建設工業と住宅建設は、東京都内の西武線沿線を中心に事業を展開している。住宅需要の根強い地域で分譲住宅の建設や、不動産販売を手がける同社の基盤を活用し、従来手がけてきた注文木造住宅以外にも、収益基盤を拡大させる。石塚建設と住宅建設の経営陣は高齢化や後継者がいないことを理由に、売却先を探していた。
 
14.ミサワホーム、団塊や狭小地に的を絞った住宅の新製品
 
  ミサワホームは2008年度、団塊の世代や都市部の狭い土地保有者に的を絞った住宅の新製品を相次ぎ発売する。高齢者の建て替え需要を狙った平屋建て住宅を投入するほか、郊外の一次取得者向け住宅「スマートスタイル・オー」の都市版を開発する。戸建て住宅市場が冷え込むなか、新たな顧客層の掘り起こしを狙う。  
 団塊の世代を対象にした住宅は来年7月にも発売する。収納スペース「蔵」を標準装備した平屋建てと、コストを抑えながら屋根裏のスペースを有効活用できる1.5階建てがあり、それぞれに外観や間取りで10種類程度のプランを用意する方針。階段の上り下りが不要な点や広い収納スペースなどを訴えて、建て替えを促す。
 
15.ミサワホーム、子会社の「鹿児島ミサワ建設」を解散
 
  ミサワホームは鹿児島県内で同社の戸建て住宅の施工を手がけるグループ会社、「鹿児島ミサワ建設」(鹿児島市)を12月27日付で解散した。今後、鹿児島県内では地元の工務店に施工を委託する。人件費を含む間接コストの削減につながるという。子会社解散に伴う損失はなく、ミサワホームの2008年3月期の連結業績予想は変えない。
  鹿児島ミサワ建設は2003年10月の設立。資本金は2,000万円で、ミサワホームの連結子会社、ミサワホーム九州が全額を出資していた。解散時の社員は7人で、3月下旬までに清算する。今後は元社員が経営・所属する地元工務店を中心に施工を任せる。
 
16.パナホーム、家事がしやすい住宅−棚の配置を工夫
 
  パナホームは12月13日、家事のしやすい住宅「ソラーナ・ユールキア」を2008年1月2日から発売すると発表した。収納量が大きい棚を台所や洗面所の近くに配置するなどで、家事の動線を従来製品より約2割減らせるという。乗馬フィットネス機器を置けるコーナー、風呂に泡や水流を出す装置やホームエステ機器など松下グループ製品も組み込みやすい。  
  オープンキッチンで開放的な空間を確保しつつ、ゴミや洗濯機、台所用品まで1つの棚に収納できるプランも用意。家事の動線を短くする配置で標準的な家事をした場合に1分間に136歩程度の移動で済むという。1990年の同社の住宅に比べ動線距離は約2割減るという。
  本体の標準販売価格は税込みで3.3平方メートル当たり55万円台から。北海道を除く全国で発売する。
 
17.三井ホーム、「白」基調の住宅を強化−若年層の需要喚起
 
  三井ホームは、内外装材や建具をすべて白色にできる住宅の販売を強化する。自由設計の注文住宅で白色の設定が可能な「ホワイトマイレーヴ with papa@home」(商品名)を12月14日発売するほか、すでに販売する低価格の「ホワイトバーリオ」(同)の販売を強化する。若い層に人気の高い白を訴求し需要を掘り起こす。
  「ホワイトマイレーヴ with papa@home」は自由に設計できるが、基本となる10種類の外観デザインと100タイプの間取りを備える。3.3平方メートル当たりの価格は53万円台から。30歳代を中心とした子育て世代を取り込むため、子どもに読み聞かせができるソファを設えたスペースなども備える。 。
 
18.アキュラホームの注文住宅、収納スペースを拡大−3商品を同時投入
 
  アキュラホームは注文戸建て住宅の新製品を3種類同時に発売する。収納スペースを広めにとったことや、価格を抑えながら室内空間を自由に設計できること訴求し、団塊ジュニア世代や首都圏郊外の狭小地に住宅建設を検討する消費者向けに売り込む。発売するのは「注文上手の家」「空間上手の家」「収納上手の家」の3種類。2008年が同社の創業30周年に当たることにちなんで発売する。
  注文上手の家は3.3平方メートル当たりの価格を40万円未満に抑える一方、室内の設計自由度を高めたという。空間上手の家は狭小地でも広めの住宅を設計できる工夫をした。収納上手の家は、一般的な戸建て住宅の場合、延べ床面積全体の10%程度とされる収納スペースを2倍に引き上げた。
 
19.中央住宅、集住型の分譲住宅を埼玉・越谷で販売
 
 【さいたま】埼玉県内の大手住宅メーカー、ポラスグループの中央住宅(越谷市、大久保浩成代表取締役)は同県越谷市内の区画整理事業地内に集住型の分譲住宅を開発、販売を始めたと発表した。共有スペースを充実させ、住民同士が触れ合う仕掛け作りをした「全国でもまれな」(同社)分譲住宅だという。
 販売を始めたのは「越谷ゆいまーる」。越谷市西大袋地区の大規模な土地区画整理事業地内で、街区面積は約1,572平方メートル。「9棟建てられるところを8棟にし、共有スペースを増やした」。