住宅関連情報 平成19年12月号
 
1.

10月の新設住宅着工、前月比で4カ月ぶり増加

 
《平成19年10月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
76,920戸      △ 35.0 %
持  ち  家
27,724戸
      △  8.0 %
分 譲 住 宅
17,037戸
      △ 50.2 %
貸     家
31,706戸
      △ 40.2 %
 
  国土交通省が11月30日発表した10月の新設住宅着工戸数は、マンションなどの耐震強度偽装事件の再発防止を目的とする改正建築基準法(6月20日施行)の影響から前年同月比35.0%減の7万6,920戸と4カ月連続で減少したが、減少率は前月より9.0ポイント縮小し、前月比では22.1%増と4カ月ぶりの増加に転じた。
  同法施行直後の7月には前年同月比40.6%急減した建築確認申請件数も、10月は5万5,108件と同7.4%減少したものの、減少率は前月より15.2ポイント縮小。前月比では21.3%増加した。国交省は建築確認申請の先行きに関して「小規模な物件については、ほぼ改正法施行前の水準に回復し、構造計算を伴う建築物についても増加傾向が現れている。申請自体を自粛する過剰反応はほぼ収束してきた」と強気な見方を表明。住宅着工件数についても「これからの改善に期待したい」としている。
 
2.住宅機構、「フラット35」平均金利低下
  
  住宅金融支援機構は12月4日、民間金融機関と提携した最長35年の長期固定ローン「フラット35」(買い取り型)の12月の適用金利を発表した。取扱336機関の平均金利は返済期間が21年以上で2.909%。前月より0.128%下がった。
  長期金利の低下を映し、2カ月連続で前月比マイナス。2006年3月以来、1年9カ月ぶりに平均金利が2%台に下がった。返済期間20年以下は平均2.723%で、前月比0.110%低下した。
 
3.大手4行、12月の住宅ローン金利引き下げ
  
  三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの大手4行が12月から適用する住宅ローン金利が11月30日、出そろった。ローン金利を決める際の指標となる長期金利の低下を受けて、ほぼすべての期間で金利が下がった。
  金利の固定期間が3年のローンが、三菱東京UFJ、三井住友、りそなの3行が前月比0.05%低い年3.2%。みずほは前月と同じ年3.15%に据え置いた。10年物では三菱東京UFJとりそなが0.1%低い年3.65%にする。みずほは前月と同じ年3.65%。三井住友は0.05%低い年3.55%にする。
 
4.ソニー銀行、住宅ローンの繰り上げ返済手数料を無料に
 
  ソニー銀行は12月3日、住宅ローンの繰り上げ返済にかかる手数料を来年1月1日から一律無料にすると発表した。繰り上げ返済の金額に応じて2,100−3万1,500円の手数料がかかっていた。「利便性向上でローン残高を伸ばしたい」(広報部)としている。
 
5.9月の23区新築戸建て、成約4.9%増・1年2カ月ぶりプラス
 
  不動産情報サービスのアットホーム(東京・大田)がまとめた首都圏の売り物件市場動向によると、9月の東京23区の新築戸建て成約件数が237件となり、前年同月比4.9%増加した。増加は1年2カ月ぶり。5,000万円以上の高額物件が伸びた。
  23区の平均成約価格は5,445万円で、10.4%上がった。成約物件に占める5,000万円以上の物件の割合が47%と15ポイント上昇した。地価高騰を受けて建売住宅の価格も上昇基調で、「高額物件を求める資金に余裕のある層が購入者の主体で、供給側でも売れ筋物件がそろい始めた」(アットホーム)という。
 
6.9月の首都圏戸建て分譲供給、27.6%減− 地価上昇など響く
 
  日本住宅建設産業協会(東京・千代田)は、9月の首都圏の戸建て分譲住宅の供給動向を発表した。首都圏全体の供給戸数は前年同月比27.6%減の793戸と4カ月連続で前年実績を下回った。同30.1%の増加となった千葉県(203戸)を除く全地域で前年同月実績を割り込んだ。地価や住宅価格の高騰が響いたもようだ。
  最も落ち込み幅が大きかったのは、東京都下で同52.7%減の98戸だった。神奈川県が同39.4%減の152戸で続いた。住宅面積も同1.3%減の98.86平方メートルで、全地域で縮小した。
 
7.安全性証明で設計変更容認・国交省、建築確認混乱収拾へ改正
 

  改正建築基準法を受けて住宅着工戸数が急減するなど、建築確認の現場で広がっている混乱を収拾するため、国土交通省は11月14日、同法の施行規則を一部改正した。設計変更でも安全性に影響しない場合は、建築確認の申請後でも変更を認めると明示したのが柱。これまではどんな場合に設計変更を認められるのかわかりにくく、安全性に問題がないのに建築確認申請のやり直しを求められ、着工が大幅に遅れるといった混乱につながっていた。
  改正は同日付の官報で告示した。耐震性や防火面などで安全性が下がらないと証明できれば、申請後でも設計変更を認めることを明記した。国交省は「軽微な変更」は認めていたが、定義があいまいで、建築確認申請の現場では、変更をまったく認めずに再申請させる審査機関もあった。
  法改正で審査を厳格にした結果、「大量の申請書類を用意しなければならなくなって建築士に過剰な負担がかかり、建築確認手続きを遅らせている」との批判にも対応。  

 
8.政府、中小建築関連に緊急支援− 住宅着工減、保証枠2倍に
 
  政府は、建築関連の中小企業が民間金融機関から借り入れた資金の返済保証を拡大する緊急支援に踏み切る。設計、工事など関連15業種の企業が対象で、来年3月末まで通常の中小企業の2倍の公的保証が使えるようになる。改正建築基準法施行に伴う建築確認の厳格化で混乱が生じ、住宅着工が急減しているのに対応する。中小企業の年末の資金需要に応え、着工減に伴う景気の冷え込みを最小限に食い止める狙い。
  甘利明経済産業相が11月27日に発表する。測量、鉄鋼の卸売業、サッシなど住宅関連の製造業も対象で、最大15万社程度が今回の支援策を利用できる。同日から来年3月末までの時限措置になる見通し。
 
9.「200年住宅」普及へ、固定資産税4分の1に・政府が支援税制
 
  政府は2008年度税制改正で、数世代にわたって暮らせる「200年住宅」構想を促進するための支援税制を創設する方針を固めた。耐久性・耐震性や維持管理のしやすさなどについて、国が定める認定基準を満たせば、固定資産税を築後3年間は4分の1に軽減するのが柱。短命とされる日本の住宅の寿命を延ばすのが狙いだ。
  新税制は今後、自民党税制調査会と調整し、来月中旬にまとめる与党の来年度税制改正大綱に盛り込む。
  200年住宅構想は耐久性に優れ、維持管理や補修がしやすい住宅の普及や、中古住宅市場の活性化によって、住宅購入の費用負担の軽減や、環境破壊を抑えるのが狙い。福田康夫首相が所信表明演説に盛り込んだ重点政策のひとつだ。
 
10.住宅リフォーム市場、2010年に8兆円強・2006年比8%増
 
  2010年の住宅リフォーム市場は2006年比8%増の8兆円強−。富士経済(東京・中央、阿部界社長)は、住宅リフォーム業界に関するリポートをまとめた。2006年の市場規模は前年比1.2%増の7兆5,620億円だった。建物も住宅の評価基準という認識が広がっており、順調に市場が拡大、3年後に8兆1,700億円となる見通しだ。
  2007年7−10月にかけて企業や行政機関、業界団体への聞き取り調査を実施した。リフォーム市場は2000−2001年に景気低迷で一時縮小したが、2003年には回復。2004−2005年には悪質リフォーム事件の続発で再び縮小した。
 
11.若年層の半数は二世帯住宅に肯定的・住宅コンサル会社調べ
 
  若年層の5割が二世帯住宅に前向き−。住宅を設計・施工する工務店などの経営指南を手がけるハイアス・アンド・カンパニー(東京・港)はインターネット上で実施した二世帯住宅に関するアンケートの結果を公表した。それによると、回答を寄せた20−30歳代の51.1%が二世帯住宅に肯定的だった。
  アンケートは同社のサイト上で10月中旬、1週間かけて実施。現在、二世帯住宅に住む人を含めた825人から有効回答を得た。このうち、20−30歳代は575人。二世帯住宅に対する自由記述を同社が分類し、肯定派と否定派に分けたところ、51.1%に当たる294人が二世帯住宅に賛成だったという。
 
12.積水ハウス、リフォーム施工現場でゼロエミッション達成
 
  積水ハウスは住宅リフォームの施工現場で出る廃棄物のゼロエミッションを達成したと発表した。工事で発生する廃棄物の回収から再資源化までの工程をグループで一貫管理する体制を整えた。生産工場や新築住宅の施工現場だけではなく、リフォーム現場まで加えた廃棄物の排出ゼロは建設業界で初という。
  同グループは自社で建設した物件のリフォームのみ手掛ける。積水ハウスが販売、積水ハウスリフォームが建物の解体、改修、増築する現場で発生する廃棄物を対象にする。廃棄物となった製品のメーカーが都道府県をまたがって処理できる広域認定制度を活用した。
 
13.エス・バイ・エル、女性社員考案の収納法を住宅展示場で提案
 
  エス・バイ・エルは中低価格帯住宅を扱う展示場で女性スタッフが考案した具体的な収納法の提案を始める。女性中心の企画チームを結成し、収納設備の設計に台所の使用頻度の高い女性の生の声を反映させた。自社物件の台所収納設備の有効活用法をアピールし、営業力向上につなげる。
  企画チームは営業系、技術系、管理系の人材の混合チームで、全社から選抜した女性9人と男性3人で構成している。首都圏で6割以上が所有している台所用品をすべて集めた上で、収納、取り出し頻度などを研究。自社物件設備でのキッチン用品の具体的な収納例をまとめた。
 
14.パナホーム、松下「ビエラ」経由でサポートサービス
 
  パナホームは11月27日、戸建て住宅の購入者と賃貸住宅オーナーに対し、12月10日から松下電器産業製の「ビエラ」経由でサポートサービスを試験的に始めると発表した。テレビを通して住宅関連の相談や問い合わせができるサポートサービスは住宅業界で初めてという。強いブランド力を持つ松下グループの資源を生かし、住宅販売の拡大につなげる。
  同サービスの対象はネット接続対応のビエラの購入者または購入予定者。100名程度の応募を想定している。
 
15.ミサワホーム、下期は分譲住宅の供給強化へ
 
  ミサワホームは2007年度下期、建売住宅事業を強化する。2007年度通期の建売住宅の受注戸数見込みを、期初見込みにくらべ1割増の1,320戸に引き上げた。来年初めの発売を目指し、建売住宅の新商品を検討していることも表明。一次取得者向けに価格を抑えた商品として売り込み、注文住宅の落ち込みを補う考えだ。
  2007年9月中間期の建売住宅の受注実績は前年同期比18.2%増の636戸。全国の販売会社が建売住宅向けの土地取得に注力したことなどが奏功した。下期も土地の取得を継続し、建売住宅の供給ペースを引き上げる考えだ。
 
16.ユニバーサルホーム、住宅展示場などへの集客をテコ入れ
 
  ユニバーサルホームは戸建て住宅販売を強化するため、住宅展示場などへの集客をてこ入れする。来年2月に埼玉県内で集客イベントを開催するほか、住宅建設現場の見学会の実施頻度を高める。実際に住宅を見て暖房を体験してもらうことで、戸建て住宅の受注につなげる。
  開催するイベントは「進快適 家づくり フェア」。さいたま市にあるさいたまスーパーアリーナ内のコミュニティアリーナ(広さは約7,500平方メートル)で、来年の2月9−10日に開く。モデルハウスを展示するほか、外壁材の遮音性を体感するブース、住設機器の紹介コーナーを設ける。事前登録すれば原則入場無料で、2日間で1万人の来場者を見込む。同様のイベント開催は同社としては初めて。
 
17.三井不動産、東京ミッドタウンに住宅の情報発信拠点
 
  三井不動産グループは、東京・港の東京ミッドタウン内に、住宅に関する情報発信拠点を開設した。住宅の介護設備などについて、ケアマネジャーや看護師らの専門家が直接、相談に応じるコーナーや、マンションリフォームのモデルルームなどで構成する。
  名称は「三井不動産グループ 住まいのプラザ」。介護設備などのコンサルティングコーナーは有料・予約制で、他にも一級建築士や介護福祉士らも参加する。
 
18.注文住宅のライク、西日本進出−まず来年滋賀に
 
 【甲府】注文住宅メーカーのライク(甲府市、中島鷹秀社長)は西日本地域に進出する。来年9月までに滋賀県に店舗を開き、大阪府や兵庫県でも市場調査を始める。北方では宮城県に新店を設けるなど東北地方まで商圏を広げている。今後は中国地方まで含めた西日本を出店戦略の中心に据え、成長を加速させる。
  滋賀県の大津市、草津市、近江八幡市の3地域で市場調査を終え、店舗用地を探し始めた。来年9月までに1店舗を開く。愛知県でも来年1月、瀬戸市に初出店。豊田市、岡崎市、豊橋市で用地選定を進めている。
 
19.穴吹興産、不動産開発を多様化−医療モール・戸建てなど
 
【高松】穴吹興産は非マンションの不動産開発を強化する。来秋にも同社初となる複数の診療所が入る医療モールを高松市内に開設。年内にセシールから一括取得する倉庫などの不動産は戸建て住宅建設などに活用する。
  「メディカルモールアルファ楠上(仮称)」はベアリング大手の旧光洋精工(現ジェイテクト)高松工場跡地に建設する。敷地面積は約1万5,000平方メートルで昨年取得した。1階に商業施設と調剤薬局を設け、2階には内科や整形外科、歯科など7−8つの診療所が入る。駐車場は約150台分を用意する。