住宅関連情報 平成19年9月号
 
1.

7月の新設住宅着工、23%減−建築確認強化が影響

 
《平成19年7月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
81,714戸      △ 23.4 %
持  ち  家
24,093戸
      △ 26.0 %
分 譲 住 宅
21,243戸
      △ 20.6 %
貸     家
34,763戸
      △ 25.3 %
 
  耐震偽装の再発を防ぐため建築確認を厳しくした改正建築基準法が6月20日に施行され、住宅着工の遅れや着工件数の急減といった予想外の影響が出ている。国土交通省が8月31日発表した7月の新設住宅着工戸数は8万1,714戸と前年同月に比べ23.4%減り、減少率は1997年11月以来、約10年ぶりの大きさになった。現場では「改正後の審査基準がよくわからない」との戸惑いがあり、申請を手控えたり、審査期間が長期化したりしている。  
  7月の着工件数は年率換算(季節調整済み)では94万7,000戸で、40年ぶりの低さ。持ち家は同26.0%減の2万4,093戸で6カ月連続の減少、貸家は同25.3%減の3万4,763戸で2カ月ぶりの減少、分譲は同20.6%減の2万1,243戸で、2カ月ぶりの減少となった。工場や店舗など非居住建築物の着工床面積も21.3%のマイナスとなった。  
  建築基準法の改正では構造計算書の二重チェックに加え、申請書類に不備があった場合、審査段階での修正を認めず、再申請させるなど手続きを厳しくした。改正法の詳細な解説書の発行が遅れるといった混乱も発生。建て主は自治体や民間の検査機関から建築確認を受けないと着工できないため、着工件数の急減につながっている。  
  マンション建設大手の長谷工コーポレーションは申請に際し1カ月の再チェック期間を設けた。「申請書にミスがあった場合、修正だけでは済まず、申請のやり直しを求められる可能性もある」のが理由だ。申請資料が整った後、再び図面と構造計算書を突き合わせるなどの作業手順を加えた結果、「7月の申請件数は大幅に減った」。
  都内の大手設計事務所は「これまで1カ月で建築確認がおりていたが、法改正後は『完了まで3カ月みてください』と自治体に言われるようになった」という。東京・世田谷区内で自宅の建て替えを進める会社員のAさん(43)は「手続きの遅れで仮住まいの期間が予定より数カ月長引いてしまった」といい、影響は個人にも広がっている。
 
2.国交省、住宅長寿命化へ税優遇−中古市場整備で支援策
 
  国土交通省は中古住宅市場の取引活性化の支援策に乗り出す。建物ごとに設計図やその後の改修、点検の履歴などの情報をまとめたデータベース「住宅履歴書」の制度づくりに2008年度から着手。国が信頼できると認めた履歴書のある住宅には減税措置を適用する。中古住宅の質や状態を判断しやすくすることで「良いものを長く使う」方式を定着させ、短命といわれる日本の住宅の寿命を延ばす狙いだ。
  日本では中古住宅の流通市場が整っていない。国交省によると、日本の中古住宅の取引戸数は年間で20万戸弱。約680万戸の米国や約180万戸の英国に比べて、格段に規模が小さい。
 
3.2007年度の戸建て供給計画、7.2%増−住宅・マンション供給調査
  
  不動産経済研究所と市場経済研究所は9月4日、「全国住宅・マンション供給調査」の結果を発表した。2007年度の住宅(マンションを除く)供給計画は2006年度実績比7.2%増の32万4,802戸(有効回答394社)、マンションは同7.4%増の11万9,463戸(同147社)となった。堅調な需要を背景に強気の計画となった。  
  住宅で2006年度の戸数実績ランキングの上位10社をみると、計画を明らかにしていない大東建託を除く9社のうち、ミサワホームと積水化学工業以外の7社の供給が実績を上回る見通しだ。「団塊世代の建て替え需要などが期待できる」(三井ホーム)
 
4.住友林業、オール電化と太陽光発電を標準装備した戸建て
 
  住友林業はIH(電磁誘導加熱)クッキングヒーターなどのオール電化設備と太陽光発電装置を標準装備した戸建て住宅を発売した。オール電化設備、太陽光発電ともに従来は顧客から要望があれば個別に応じていたが、標準装備するのは同社としては初めて。環境問題への関心が高まる中、商品の幅を広げる。  
  商品名は「マイフォレスト―ソラボ」。ヒートポンプ型給湯器「エコキュート」も備えている。1棟ごとに周辺環境などを考慮し、日照と通風のシミュレーションを実施、家の中に風の通り道などをつくるなどして、夏は涼しく冬は暖かい構造にする。  
  価格は3.3平方メートル当たり58万円台から。沖縄を除く全国で販売中。
 
5.タマホーム、今期販売棟数1万3,000戸に拡大・6割増
 

  注文住宅のタマホーム(東京・港、玉木康裕社長)は2008年5月期の販売棟数を1万3,000戸と前期より6割増やす方針だ。今期末のモデルハウス数を前期末比5割増の約150カ所に増やし、営業力を強化する。低価格を武器にここ数年で急成長しており、今期で販売数は大手と肩を並べる見通しだ。  
  同社は販売棟数を2006年5月期に約4,900棟、2007年5月期に約8,000棟と毎期ほぼ2倍に増やしてきた。前期に約1万棟受注しており、引き渡しベースの販売棟数で大幅増を達成できるとみている。  

 
6.積水化学工業、耐震性高めた住宅−価格は据え置き
 
  積水化学工業は耐震性や気密性を高めた住宅「パルフェ・マスターデザイン2・0」を10月6日から発売する。高性能耐力外壁を新たに採用するなどして、耐震性を向上し、標準仕様で住宅品質確保促進法(品確法)の耐震、耐風分野で最高等級を実現したほか、気密性も次世代省エネ基準を大きく上回る。昨年発売した主力商品の機能を向上させる一方で、価格は据え置いた。
  同社の従来品では耐震、耐風分野で最高等級を得るには一部の鉄骨の厚みを増すなど、平均で20万円弱の追加費用がかかっていた。外壁の材料を変えるとともに、壁と柱の接合部を工夫するなどして追加費用をかけずに最高等級を実現した。
 
7.旭化成ホームズ、1階部分がガレージの住宅
 
  旭化成ホームズは8月29日、1階部分を車庫にした3、4階建て住宅「ヘーベルハウス フレックス ピロティガレージのある家」を8月31日に発売すると発表した。都市部の狭小地向け。制振装置「ダンパーフレーム」を開発、1階の柱、梁(はり)に組み込む。
  1階ガレージの大部分を柱だけで支えるピロティ形式で居住空間は2階以上の階に設ける。駐車場や作業スペースなど多目的に使える。ダンパーフレームは道路を利用した場合などに生じる微振動が住宅に伝わるのを防ぐ。ホームエレベーターを標準搭載し、上下階移動の負担を低減した。プロトタイプの本体価格は4,200万円。初年度の販売目標は150棟。
 
8.三洋ホームズ、地震速報システムを戸建て住宅に標準採用
 
  三洋電機子会社の三洋ホームズ(大阪市)は地震の強い揺れが来る直前に警報や照明で情報を各家庭にいち早く知らせるシステムを開発した。9月から販売する戸建て住宅すべてに標準採用する。気象庁が10月から一般へ提供を始める緊急地震速報に対応している。
  三洋ホームズの配信サーバーが気象庁から速報を受信すると、インターネットで各家庭に情報を配信する。天井のスピーカーが警報を鳴らし、震度や地震の揺れが起きるまでの時間などの情報を音声で知らせる。
 
9.北野建設、個人住宅の販売強化
 
【長野】北野建設は個人向け住宅の販売を強化する。9月に長野市に常設の住宅展示場を開設し、独自の全館暖房システムや制振装置などをPRする。同社はマンションやビルなど法人向け工事が主力。個人向けも強化し、現在年20棟の販売を5年後をメドに50棟に増やす計画だ。  
  長野市西尾張部に274平方メートルの土地を確保し、床面積が147平方メートルのモデルハウスを建設した。9月1日にオープンした。同社が住宅展示場を設けるのは初めて。
  モデルハウスには床下に放熱器を設置し、家全体を暖める独自の全館暖房システムを導入。壁の外側に断熱材を設置する「外断熱」で暖房効率を高めた。ブリヂストンが開発した「クロスダンパー」と呼ぶ筋交いも取り付け、制振性能も向上させた。
 
10.山梨県住宅供給公社、展示型分譲住宅を9社と組み販売
 
【甲府】山梨県住宅供給公社は、甲斐市の双葉・響が丘分譲地で展示型分譲住宅(オープンハウス)の販売を始めた。大和ハウス工業や積水ハウス、県内メーカーなど9社の23棟を展示。10月21日までの土曜・休日を中心にした期間中は常時見学可能で、その場で購入契約もできる。
  平均面積は宅地が215平方メートル、建物が125平方メートルで、平均販売価格は3,700万円。来場者は気に入った物件をいつでも購入できるが、引き渡しは展示期間終了後になる。
 
11.ダイエープロビス、「子育てしやすい」分譲住宅
 
【長岡】総合建設業のダイエープロビス(新潟県長岡市、河野滋社長)は、「子育てしやすい」と認定を受けた分譲住宅の販売に乗り出した。同県新発田市のJR西新発田駅前の物件の販売を始めたもので、11月には長岡市内でも分譲する。子供のいる20−40代前半の第1次住宅取得層に的を絞り、付加価値の高い物件を供給する。  
  同社が西新発田駅前で売り出したのは土地区画整理事業の一画。全体面積4,081平方メートルに22区画を整備、分譲住宅を建てた。これまでの公共施設事業のノウハウを生かし、土地取得から設計・施工、販売に至るまで一貫して自社で手掛ける。
  3LDK、4LDKが中心で土地と建物を合わせた販売価格は2,700万円台から3,200万円台まで。