住宅関連情報 平成19年8月号
 
1.

6月の新設住宅着工6.0%増、10年ぶり高水準

 
《平成19年6月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
121,149戸          6.0 %
持  ち  家
31,695戸         △7.1 %
分 譲 住 宅
34,627戸
         8.2 %
貸     家
53,406戸
         13.1 %
 
  国土交通省が7月31日発表した6月の新設住宅着工戸数は前年同月比6.0%増の12万1,149戸となった。増加は3カ月ぶり。分譲マンションが堅調で、単月では1997年5月以来の高水準に達した。建築確認審査を強める改正建築基準法の6月20日の施行を前に、駆け込み需要が影響したとみられる。
  内訳をみると、持ち家が7.1%減の3万1,695戸で、5カ月連続の減少。一方、貸家は13.1%増の5万3,406戸、分譲住宅は8.2%増の3万4,627戸で、ともに3カ月ぶりにプラスとなった。分譲のうちマンションは16.2%増加。首都圏、中部圏、近畿圏の三大都市圏では26.1%増となった。
 
2.住宅ローン、金利上昇続く・地価上昇で家計の負担感増す
 
  住宅ローン金利が上昇し続けている。大手銀行は7月から固定型金利を前月より0.1−0.25%引き上げ、3年物は約12年ぶりの高水準になった。7月に入っても判断材料の長期金利が上がっており、この水準が続けば8月も0.1%ほど引き上げる可能性が高い。大都市圏では地価も上昇し続け、住宅購入を考えている人の負担感が一段と増してきた。
  固定型住宅ローンの2、3割を占める3年物でみると、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行の金利は現在年3.4−3.5%。この1年間で0.7%ほど上昇した。日銀が量的緩和策を解除した昨年3月ごろから上がり始め、上昇幅は1年数カ月で約1%になった。3年物とともに主力の10年物は年4.2%前後で1年前に比べて0.5%ほど上がった。
 
3.路線価平均8.6%上昇、2007年分2年連続・地価回復広がる
  
  国税庁は8月1日、相続税や贈与税の算定基準となる2007年分の路線価(1月1日現在)を公表した。全国約41万地点の標準宅地の平均路線価は1平方メートル当たり前年比8.6%、1万円増の12万6,000円で、2年連続の上昇となった。東京・表参道や大阪・キタの御堂筋など都市部の一部で上昇率が40%を突破。地価の回復傾向が東京、大阪、名古屋の三大都市圏だけでなく、地方の中核都市にまで広がり始めている。
  圏域別の上昇率は、東京13.1%(前年3.5%)、大阪8.1%(同0.7%)、名古屋9.1%(同2.1%)。三大都市圏いずれも2年連続の上昇で、上昇率が大幅に拡大した。前年マイナス5.7%だった地方圏も0.0%の横ばいとなった。  
  都道府県別でみると、3年連続の東京、2年連続の千葉、愛知、京都、大阪など12都道府県で上昇を記録した。前年までの下落から上昇に転じたのは、北海道、宮城、埼玉、神奈川、滋賀、福岡、兵庫の各県。静岡、奈良、岡山、愛媛の4県は横ばいとなった。下落が続く31県のうち26県で下落率が縮小しており、下げ幅が拡大したのは大分だけだった。
 
4.住宅リフォーム、2013年までの10年間で 12.7%増・日本総研が試算
 
  日本総合研究所は国内の住宅(戸建てと分譲マンションの合計)リフォーム市場が2013年までの10年間で、2003年の水準に比べ、金額ベースで12.7%増えるとの試算結果をまとめた。建て替えの減少などにより、住宅の平均築年数の上昇傾向が今後も持続することを背景に、「今後の住宅市場ではリフォーム分野が有望」としている。  
  新設住宅着工戸数や建て替えと取り壊しの比率、増改築率などが足元の水準を維持するという前提で総務省のデータなどを基に試算した。戸数ベースでは2013年までの10年間で2003年に比べ、9.3%増えると試算。地域別では大都市圏に集中する見込みという。
 
5.年収の5倍で買える一戸建、 首都圏エリアで減少・東急不動産まとめ
 

  東急不動産がまとめた2007年1月時点の首都圏地価分布図によると、通勤時間80分圏内にあってサラリーマンが年収の5倍以内の値段で一戸建てが買えるエリアは前年より3.2%減少し1,763平方キロメートルとなった。地価が上昇した都心部に加え、郊外でもつくばエクスプレス(TX)開業による利便性が向上、物件価格が上昇した。
  調査対象は東京駅を中心とした主要駅への通勤時間が80分以内のエリア。実際の取引事例を中心に東急不動産が鑑定評価データを加え、京浜・京葉地区の勤労者世帯の平均年収約778万円(2006年時点の総務省調査)と仮定、その5倍に当たる総額3,900万円(土地・建物含み)を上限とし、該当物件の所在エリアをまとめた。  

 
6.首都圏のマンション価格、 バブル期以来の伸び示す・民間調査
 
 不動産情報の東京カンテイ(東京・品川、松村優一郎社長)は7月31日、首都圏のマンション価格調査の結果を発表した。今年の3.3平方メートルあたり単価を2000年と比較すると5割以上上昇した地域が13カ所あり、バブル期以来の伸び率を示した。
 1−6月に分譲された新築マンション約2万2,000戸を調査対象にした。京王線の富士見ケ丘駅周辺の3.3平方メートル単価は332万8,000円と2.2倍以上拡大しているほか、7割以上上昇した地域も3カ所あった。
 
7.「トクホ住宅」産学官で研究・国交省が認定制度めざす
 
  国土交通省は「健康増進につながる住宅」の認定制度の導入に向けて、産学官による研究を始める。国が健康に役立つ食品にお墨付きを与える特定保健用食品(通称「トクホ」)は、「脂肪がつきにくい」とうたう飲料などで、普及が進んでいる。同じような枠組みを住宅に設けて、「より健康になる家」の普及を目指す。
  7月18日に建築学や医学などの研究者や、住宅や設備のメーカー、厚生労働省など関係省庁で構成する研究委員会を立ち上げる。
 
8.大和ハウス、中国で大型マンション−ベトナムでは高級賃貸
 
  大和ハウス工業はアジアで住宅開発事業を拡大する。中国では江蘇省蘇州市で大型分譲マンションを建設する。上海や天津などでもマンション開発に乗りだすほか、戸建て住宅の事業化を急ぐ。ベトナムでも高級賃貸住宅の展開などを検討する。国内の住宅事業が頭打ちとなる一方、経済成長に伴い住宅需要が爆発的に増えるアジア圏で市場開拓を急ぐ。
  このほど蘇州市で敷地面積約7万7,000平方メートルの土地を購入した。住宅やホテル、商業施設が一体建設される再開発地帯の一角で、購入費用は82億円。2010年3月完成を目指し、約20階建ての高層マンションが約10棟、総戸数は1,250戸となる見通し。
 
9.住友林業、工務店に住宅部材を供給するイノス事業の会員拡大へ
 
  住友林業は会員工務店向けに住宅部材を供給するイノス事業をテコ入れする。このほど会員組織の年会費を3分の1の60万円に減額、入会金や共済会費用も引き下げた。2007年3月期のイノスの会員数は277会員とピークだった1998年3月期から半減しており、一連の施策で2009年3月末に500会員に増やしたい考えだ。
  イノスグループの年会費は基本ツール、マニュアルなどが別途約25万円かかるようになるが、180万円から減額。入会金は90万円で、入会後の会費免除期間を半年から1年に延長、共済会基金の出資金を40万円から20万円に減らした。
 
10.積水化学、開放感ある3階建て住宅
 
  積水化学工業は7月9日、3階建て住宅の新商品「デシオ・BR」を7月28日に発売すると発表した。3階建て住宅は一般に階段をできるだけ小さく設計することが多いが、階段の踊り場を大きくすることで室内空間を広く見せ、狭い敷地にも向くようにした。
  階段の各階の間の踊り場部分を広くする「スキップ・タワー」を開発。中2階、中3階のような中間階を最大6層配置でき、全部で32通りの組み合わせが可能という。吹き抜けのような効果で開放感が高まるほか、通風や採光が向上する。上下階の移動の負担も軽減するという。
 
11.パナホーム、宿泊体験型モデルハウス
 
  パナホームは関西電力と共同で、宿泊体験型モデルハウス「EL Panahome夙川」を兵庫県西宮市で7月28日に開設する。住宅購入を検討する顧客が対象で1泊2日の無料宿泊を通じ、オール電化の最新設備をそろえた生活を体感してもらう。従来は見学のみのモデルハウスが主流だが、宿泊して購入検討できるモデルハウスが増えている。
  エルパナホーム夙川は、阪急電鉄夙川駅から徒歩約7分の住宅地の一角に建てた。軽量鉄骨2.5階建てで間取りは5LDKで、大人4人、子供2人がゆったりと泊まれるという。
 
12.ミサワホーム、団塊の夫婦向けの2階建て住宅
 
  ミサワホームは夫婦2人で暮らす団塊世代をターゲットとした2階建て住宅の新商品「ジニアス・リンケージ・マスターズ」を発売した。夫婦がほどよい距離を保てるよう吹き抜けを設けるなどした。年間1,000棟の販売を目指す。
  吹き抜け空間「センターヴォイド」はほどよい距離感を保ちながらそれぞれの気配を感じられるという。夫婦それぞれの寝室として「パーソナルベッドスペース」を設けた。来客用の宿泊スペースとして「プラスワンルーム」を設けた。
 
13.シャルドネホーム、工務店60社を組織化−家具や内装の統一感狙う
 
  【岐阜】天然木の家具やシステムキッチンの専門ショップ「シャルドネ」をフランチャイズ展開するシャルドネホーム(岐阜市、高井孝之社長)は、住宅全体のデザイン事業を本格展開する。壁や建具から家具、キッチンまで統一感のある空間を作るのが狙い。工務店を組織化し、2009年度末までに全国で1,000棟の着工を目指す。
  同社の家は天井と壁がけい藻土で床板は無垢(むく)材など、自然素材を使うのが特徴。間接照明も多く取り入れ、温かみを出している。価格は延べ床面積約130平方メートルの家で3.3平方メートル当たり47万4,000円。テラスと暖炉が付けば52万6,000円だ。間取りを100−200通り想定し、色の塗り方などの細かい施工ノウハウを盛り込んだマニュアルを作り、それに沿って工務店に建築してもらう。10月から正式に契約し全国で約60社を組織化したい考え。2011年度末までに3,000棟を着工し、売上高900億円を目指す。