住宅関連情報 平成18年1月号
 
1. 11月の新設住宅着工、前年比12.6%増 −2カ月連続増
 
《平成17年11月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
110,986戸
 12.6
持  ち  家
29,679戸
  6.4%
分 譲 住 宅
31,519戸
12.2%
貸     家
49,119戸
     17.0%
 
  国土交通省が12月27日発表した11月の新設住宅着工戸数は前年同月比12.6%増の11万986戸となり、2カ月連続で増加した。
  うち持ち家は同6.4%増の2万9,679戸で15カ月ぶりの増加、貸家は同17.0%増の4万9,119戸で8カ月連続の増加、分譲は同12.2%増の3万1,519戸で、7カ月連続で増加した。
 
2.住宅公庫の提携ローン金利、1月は年2.9%
 
  住宅金融公庫は1月5日、証券化を活用した民間金融機関の提携ローン(フラット35)の1月の平均金利をまとめた。前月よりも0.07%上昇し、2004年12月以来の高い水準となる年2.9%だった。  
  公庫の調達金利にあたる提示金利が0.08%上がり、金利引き上げが相次いだ。みずほ銀行が2.8%(前月は2.72%)、新たに発足した三菱東京UFJ銀行が2.87%、三井住友銀行2.8%(同2.75%)、日本住宅ローン2.521%(同2.441%)、SBIモーゲージ2.521%(同2.49%)など。  
  住宅公庫は同日、個人向け公庫融資の基準金利を0.08%引き上げ、3.34%にすると発表した。1月10日以降の申し込み受け付け分に適用する。当初10年の基準金利は1996年4月以来の高い水準。
 
3.住宅ローンも官から民へ・銀行融資残高100兆円突破見通し
 
  全国の銀行の住宅ローン残高が今年度中に100兆円を突破する見通しだ。住宅金融公庫の直接融資の減少分を肩代わりしているのが主因。信託銀行を除く大手銀行の9月末の残高は前年同期比で約5%増え、50兆円を超えた。企業向け融資が減少する中で銀行は住宅ローンの拡大に力を注いでおり、住宅金融は公庫の「官」から「民」への移行が鮮明だ。
  日銀によると、2005年9月末の住宅ローン残高(一部アパートローンを含む)は98兆1,900億円。ここ数年、毎月の残高は平均で前年比4−5%増の伸びを維持しており、2006年3月末までに100兆円の大台を超えるのは確実だ。民間銀行に住宅公庫、信用金庫、信用組合などを加えた全体の住宅ローン残高の総額は160兆−170兆円規模で横ばいの傾向が続いている。
 
4.住宅資金贈与の非課税延長・自民税調方針
 
  自民党税制調査会(柳沢伯夫会長)は住宅取得目的で生前贈与を受ける場合に払う贈与税の非課税枠について、3,500万円に拡大している現行制度を、年内までの期限切れ後も延長する方向で調整に入った。  
 12月半ばにまとめる与党税制大綱に盛り込む見通しだ。  
  2003年に導入した相続時精算課税制度は相続の際に生前贈与の金額と相続額を合算して税額を計算し、生前贈与の際に支払った贈与税額を差し引いた分が相続税となる仕組み。65歳以上の親から20歳以上の子に一生の間に2,500万円の非課税枠がある。
 
5.三井住友とみずほ、住宅ローン金利を一部変更
 
  みずほ銀行と三井住友銀行は12月30日、住宅ローン金利の一部を1月から変更すると発表した。みずほ銀は例えば、固定金利の3年と5年を0.05%引き上げ、それぞれ年2.3%、年3%にする。三井住友銀は固定の3年を0.05%引き上げ年2.45%に、5年を0.15%引き下げ年3.05%にする。両行とも適用は1月の31日まで。
 
6.住宅ローン、ネット経由なら優遇−りそなや住信
 
  大手銀行がインターネットを活用すると、住宅ローン金利を優遇するサービスを始めた。りそなグループのりそな銀行は12月5日からネット経由で住宅ローンを申し込むと借入期間中の金利を通常より1%優遇する。住友信託銀行はネット取引口座を開けば住宅ローン金利を1.5%優遇するサービスを始めており、各行にも広がりそうだ。
  りそな、住信ともに金利優遇サービスは申し込みが来年3月までの期間限定だ。りそなのサービス対象はホームページを経由して住宅ローンを申し込んだ顧客。金利を優遇するほか、住宅ローンの借入期間中はATMの時間外手数料などを無料にする。
 
7.国交省、宅地造成に耐震基準導入へ・改良を勧告や命令
 
  国土交通省は傾斜地などに盛り土をして人工地盤をつくる宅地造成に耐震基準を導入する。建物だけでなく地盤の耐震強度も高め、地震の被害を最小限に食い止める。基準をもとに全国の地方自治体がハザードマップ(災害予測地図)を作り、既存の危険造成地には改良工事を勧告・命令できるようにする。主要な道路や鉄道など公共インフラへの影響が特に大きい約1,000カ所については、国などの補助で優先的に補強を促す計画だ。  
  国交省は今度の通常国会に宅地造成等規制法の改正案を提出する方針。造成地が地震で崩壊する現象は阪神大震災や新潟県中越地震をきっかけに知られるようになった。宅地造成の基準はこれまで集中豪雨などによる表層のがけ崩れ対策に主眼が置かれ、くぼみ、傾斜地など谷部を埋めた盛り土が根こそぎ地滑りを起こす地震への対策は念頭においていなかった。
 
8.ハウスメーカー5社、リフォームの産廃物を共同収集へ
  
  三井ホームなどハウスメーカー5社は、首都圏の住宅リフォーム工事で出る木くずなど産業廃棄物の共同収集を1月に始める。小口のごみを5社でまとめて産廃業者に委託し運搬効率を上げる。実績をみて全国に広げ、リサイクル率90%以上を目指す。
  参加するのは三井ホームのほか旭化成ホームズ、住友林業、東急不動産、ミサワホームの各リフォーム子会社。5社合計で首都圏の産廃排出量は年間5万トン程度。建設工事の産廃は多種類のごみが混ざり分別に手間取るため、三井ホームのリサイクル率は3−4割どまりだった。収集・処理は首都圏の3業者が担当する。
 
9.アイダ設計、大型開発分譲地向け戸建て新ブランド
  
  戸建て分譲大手のアイダ設計(さいたま市、会田貞光社長)は、数十戸以上の大型開発分譲地専用の新ブランド戸建て商品「スプレーゼ」を発売した。モルタル外壁などイタリア風のデザインが特色で、分譲地にイタリアの街並みを再現できるとしている。第1弾としてさいたま市大宮区の「スプレーゼ大宮」(全93戸)に投入した。  
  スプレーゼはイタリア語で「すばらしい街」を意味する造語。デザインは都市型の「モダン」、カントリー調の「ナチュラル」、重厚感を強調した「クラシック」の3種類で、それぞれ3色ずつ用意した。内装では、キッチンカウンターがタイルなど3種類から選べるほか、浴室テレビやミストサウナ設備などを標準仕様とした。
 
10.アイフルホーム、戸建て住宅の規格化推進 −設計・施工を効率化
  
  住生活グループ傘下で住宅フランチャイズチェーン(FC)を展開するアイフルホームテクノロジー(東京・墨田、中村雅守社長)は製品の見直しに着手した。主力製品の規格化を進め設計、施工の効率を高める。FC店の数も増やし、営業力を強化する。  
  主力の戸建て住宅「アイズ」で7種類の外観を用意した。石積みの外壁や直線的な設計の外観など7種類をそろえた。これまで外観は5種類だった。外観デザインを増やしたのに伴い、内装も充実させた。 アイフルホームは2003年に主力製品を一本化したうえで翌年、顧客の多様な要望に応えられるよう内装の自由設計を取り入れた。今後も間取りや仕様、設備は原則自由に変更できる。規格製品を増やし顧客に提案する幅を広げたことにより顧客からの変更要望は少なくなると見ている。
 
11.エス・バイ・エル、戸建て住宅商品の開発体制を強化
  
  エス・バイ・エルは戸建て住宅商品の開発を強化する。新たに開発本部を設置、生産・営業などに分散していた商品開発機能を集約した。社長直轄の研究施設も開発本部の下に置いた。市場での需要が大きい、1戸当たりの価格が2,000万円前後の戸建て住宅商品の開発に力を注ぐ。将来はこれまで手掛けてこなかった戸建て分譲住宅の開発も検討する。  
 10月1日付で商品開発を統括する「開発本部」を新設した。商品戦略の立案や商品企画を担当する「開発企画部」と商品を具体化する「商品開発部」、研究所の3つから成る。生産、直販、代理店販売の3つの本部に所属していた商品開発担当者14人が移籍した。  
  開発企画部には企画担当の4人が所属。市場調査などを通じて顧客の年代別や販売地域別の特性を把握。分析結果をもとに商品企画する。商品開発部は設計担当者など10人で構成。開発企画部の企画に基づき住宅商品を設計・開発する。
 
12.NCN、新築全戸対象に構造体を無償保証 −瑕疵保険料を負担
  
  住宅部材供給のエヌ・シー・エヌ(東京・港、杉山恒夫社長)は自社の独自構法を使い建設した木造住宅に関し、柱や梁(はり)などの構造材や基礎、構造計算などに起因する瑕疵(かし)を新築引き渡しから10年間、無償で保証する新制度を今月導入した。瑕疵担保保険料をNCNが全額負担して、工務店や入居者の負担をなくす。登録施工店を支援、顧客にも安心感を与える。
  新設したのは「SE住宅性能保証」。損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険の3社と組み、1棟あたり3万5,000円−5万円の保険料をNCNが支払い、瑕疵があった場合に保険が適用される。構造体を対象にした保険だが、保証の上限額は工事の請負金額に設定しており、万が一建て替える場合も入居者の負担は実質ゼロになるという。
 
13.クインランド、住宅設計から施工会社選定までワンストップで提供
  
  インターネットマーケティングなどを手掛けるクインランドは「住まい総合プロデュース事業」を始める。来年1月に相談コーナーや図書コーナーを設けた施設「ロンジャビティ」(東京・目黒)と情報サイト「ロンジャビティウェイ」を開く。住宅の設計・企画から施工会社の選定までワンストップで提供するのが特徴だ。
  ロンジャビティの相談コーナーでは内外装の企画・設計サービスに加え、登録設計士による住宅設計コンペ、200社以上の施工会社による競争入札を受けられる。住宅に関する書籍を集めた図書サロンも用意した。入場料・相談料は無料で、図書サロンの利用料は未定。
 
14.住生活グループ、柱など部材を共同調達
  
  住生活グループで住宅フランチャイズチェーン(FC)を展開する5社は2007年3月期にも部材の共同調達を始める。柱や梁(はり)などの木質系構造部材のプレカット工場の共同利用も本格化する。グループの中核であるトステムの業績が低迷しており、シナジー効果を出しやすい分野でコスト削減を急ぐ。  
  共同調達をするのはアイフルホームテクノロジー(東京・墨田)、ワンダーホーム(同)、ブライトホーム(東京・江東)、ジーエルホーム(同)ゴーイングホーム(神戸市)の5社。玄関ドアなどの開口部製品をトステムから、外壁材をニチハや旭トステム外装(東京・江東)などから調達する。一括購入を進め、資材調達費の2%以上の削減を目指す。
 
15.スウェーデンハウス、建売住宅を本格化
  
  輸入住宅最大手のスウェーデンハウス(東京・世田谷、羽山定克社長)は建売住宅の分譲に本格進出する。これまで注文住宅を主力事業に据えてきた。気密・断熱性能の高さを顧客にアピールするほか、他社との開発事業も加速する。ここ数年、年間1,800棟台にとどまっていた販売棟数を建売住宅の上積みで2009年3月期(2008年度)には2,500棟を目指す。  
  街並みを重視した中高級路線で建売住宅を売り込む。2005度末までに都市周辺部を中心に宅地を600区画購入する。2006年度以降も同規模の仕入れを続ける。  
  建物は延べ床面積が115平方メートル前後で、価格は2,500万−2,800万円。土地を含む分譲価格は郊外で3,500万円から、都心近郊では7,500万−9,000万円の見込みだ。
 
16.大成建設、住宅子会社を1社に集約
  
 大成建設は戸建て住宅事業の合理化策をまとめた。全国7カ所に分散する販売・施工子会社を一本化し、営業体制を効率化する。戸建て住宅市場は少子化やマンションとの競争激化の影響で採算が厳しくなっている。販売・施工の集約により競争力を強化する。  
 全国に7つある住宅子会社を解散し、営業権を来年4月1日付で住宅パネル製造の「大成建設テクノ」(千葉県下総町)に譲渡する。そのうえで大成建設テクノの社名を「大成建設ハウジング」に変更し、住宅系子会社を1社にまとめる。
 
17.ミサワホーム、受注棟数が4カ月連続増に
  
  ミサワホームは12月14日、12月まで4カ月連続で受注棟数が前年実績を上回る見通しだと明らかにした。上期(4−9月)の受注は前年同期比3.5%減だったが、9月は6.5%増、10月は19.6%増、11月は9.2%増と好調に推移し、12月もプラスが確実な情勢だという。  
  同日の新製品発表会で佐藤春夫社長が明らかにした。昨年の同時期は経営悪化懸念による信用不安で受注が落ち込んでいた。反動増の要因が大きいとはいえ、10−11月は一昨年の実績と比べても3%ほど上回った。佐藤社長は「中高級路線の定着により戸建ての受注単価が伸び、受注総額も膨らんでいる」と、復調に自信を示した。  
  戸建ての受注単価は2003年度が2,473万9,000円、2004年度が2,556万8,000円、2005年度上期が2,580万8,000円となっている。
 
18.ミサワホーム、3子会社解散
  
  ミサワホームホールディングスは12月22日、傘下の工事会社など3社を12月26日に解散すると発表した。事業再生計画の一環で、保有不動産の処分などにめどが付いた。損失額は3社合計で約334億円。2005年3月期に前倒し処理しており、2006年3月期の業績予想は変更しない。  
  解散するのは建設用足場の架設工事「ジェイエス(旧テックビルド)」(横浜市、新田和行社長)、宅地開発・販売の「ミサワランド開発」(東京・新宿、片桐和幸社長)、土木工事の「オナーズヒル」(東京・世田谷、同)。2006年3月末に清算を完了する。
 
19.ミサワ、展示棟の新設・建て替えで販社支援
  
  ミサワホームは総合展示場内のモデルハウスを再び拡大する。全国のディーラー(販売施工会社)に新設・建て替えを促すため、展示棟用に供給する住宅部材の割引やリース料の一部肩代わりなどの支援策を打つ。2008年3月末の拠点数を2005年末比で約3割増の300カ所に増やす。産業再生機構やトヨタ自動車などの支援を受け財務リストラに一定のメドが立ったことから、営業強化策に転じる。  
  新設は周辺商圏などの動向に応じ、支援内容をディーラーと協議する。総合展示場内のモデルハウスは一般の住宅に比べ大きく内装も最高級にするため、1棟あたり平均でも6,000万−7,000万円かかる。ディーラーが自社で建設する場合、部材価格を最大で5割引きにし、負担を抑える。
 
20.ミサワ、体験型展示場を全国展開・営業強化投資へ
  
  ミサワホームは体験型の住宅展示場を全国に広げる。戸建て住宅の耐震・制震構造や室内空気環境の体験シミュレーション装置などを設置し、住宅の基本性能を顧客に理解してもらう。  
  東京・杉並の本社内にある「MIFパーク」を大幅に刷新し、名称も変更。同様の施設を大阪と名古屋にも新設する計画で、用地取得に乗り出した。全国の直営10工場のうち5カ所では敷地内に併設する。第1弾として年内にも岡山工場(岡山県備前市)と福岡工場(福岡県鞍手町)で開業する。2008年末には都市型3カ所、郊外型5カ所の体制を整える。
 
21.三井不動産、製販一体の住宅分譲事業で新会社設立
  
  三井不動産は12月16日、2006年10月にも始動する製販一体の住宅分譲事業で受け皿となる新会社「三井不動産レジデンシャル」を12月26日付で設立すると発表した。本体と三井不動産販売で分散しているマンション分譲や、戸建て分譲にかかわる経営資源を集約し、商品企画力や販売促進を強化する狙い。  
  新会社は資本金1億円で東京都中央区に本社を置く。三井不動産で住宅事業本部長を務める松本光弘・専務執行役員が社長に就く予定。三井不動産が企画・開発部門、三井不動産販売が営業部門や契約コンサルティング部門を切り離し、新会社が分割事業を引き受けて統合する。分割する部署や異動する人員規模などは今後詳細を詰める。