住宅関連情報 平成17年9月号
 
1.7月の新設住宅着工、8.3%増−賃貸とマンションけん引 
 
《平成17年7月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
115,343戸
   8.3%
持  ち  家
32,908戸
  △ 8.5%
分 譲 住 宅
35,874戸
 14.0%
貸     家
45,148戸
      17.3%
 
  国土交通省が8月31日発表した7月の新設住宅着工戸数は前年同月比8.3%増の11万5,343戸と、4カ月連続で前年実績を上回った。一戸建ては持ち家、分譲ともマイナスが続いたものの、貸家と分譲マンションが全体をけん引した。
  季節調整済みの年率換算は133万戸で、6カ月ぶりに130万戸台に達した。アパートなどの貸家は4カ月連続の増加。分譲マンションも3カ月連続の増加となった。持ち家は11カ月連続の減少で、分譲の一戸建ても3カ月連続で減少した。
  三大都市圏別では首都圏が11.4%増、うち分譲マンションが33.1%増、また中部圏が20.4% 増、うち貸家が62.8%増と全体を押し上げている。
 
2.住宅公庫提携ローン、今年度3倍以上に
 
  住宅金融公庫は証券化を活用した民間金融機関の公庫提携ローン(フラット35)の取り扱いが今年度6万−7万件に達するとの見通しを明らかにした。昨年度の実績約1万7,000件に比べ3倍以上に膨らむ。公庫は同ローンが将来的には年40万件程度まで拡大する余地があるとみており、金融機関向けの営業を強化する。
  元三井物産副社長で民間出身としては初めて公庫トップに就任した島田精一総裁が明らかにした。島田総裁は「長期固定型ローンの供給は証券化がないと実現できない」と強調。長期金利に上昇の兆しがあることなどを踏まえ、提携ローンの需要が順調に伸びるとの見通しを示した。
 
3.地域金融機関、住宅ローンで知恵競う
 
  地方銀行や信用金庫などの地域金融機関が住宅ローンの商品設計で競い合っている。融資残高の伸びが鈍るなか、単純な金利引き下げ競争に走ると負担が大きいため、商品内容に工夫を凝らすところも多い。住宅金融公庫との提携ローンと組み合わせて公庫部分の金利を割引する商品や、保険と組み合わせた商品などが相次いでいる。
  地銀と第二地銀合計の住宅ローン残高は3月末で前年同期比6%増の約43兆4,000億円。伸び率は2004年3月末の9%などと比べると鈍ってきた。銀行全体や信金の住宅ローン残高の増加率も伸び悩んでいる。大手銀行は地域金融機関の顧客層にも攻勢をかけており、体力で劣る地域金融機関は商品開発を急いでいる。
 
4.三井住友とみずほ銀、住宅ローン金利一部上げ
 
  三井住友銀行とみずほ銀行は8月31日、それぞれの住宅ローン金利の一部を9月1日から引き上げると発表した。長期金利の上昇傾向を反映した措置で、適用期間は9月末まで。三井住友の新規(住み替え含む)住宅購入者対象のローンでは、超長期固定型の20−35年を0.14%引き上げて2.82%にする。みずほは固定金利方式について15年や20年は引き上げるが、10年以下は据え置く。
 
5.3大疾病なら返済免除・三井住友銀が新型住宅ローン
 
  三井住友銀行はがん、脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)と診断されれば、住宅ローンの返済を免除−。仏BNPパリバグループのカーディフ損害保険(東京・渋谷)と組み、三大疾病保障付きの新型住宅ローンの取り扱いを10月から始める。医療保障への関心が高まっていることに対応する商品で、借り手の選択肢を広げて住宅融資の拡大につなげたい考えだ。  
  三大疾病保障付き住宅ローンは一部地方銀行も扱っているが、全額保障は邦銀で初めてという。  
  新商品は住宅ローンの契約者が三大疾病のいずれか(上皮内がんを除く)と診断された場合、診断給付金が保険会社から銀行に支払われ、残りのローンの全額返済に充てる仕組み。「三大疾病保障100%型」の融資金利は通常型の店頭金利(変動金利型で現行年2.375%)に年0.3%、がんに限定した「がん保障100%型」は0.2%を上乗せした水準になる。
 
6.日本住宅保証検査機構、千葉銀と住宅ローン販売
 
  住宅の検査、保証を手がける日本住宅保証検査機構(JIO、東京・江東、大久保三郎社長)は千葉銀行と提携し、9月1日から住宅ローンの受け付けを開始する。JIOが1都3県で地方銀行と手を組むのは初めて。地方銀行との提携を進め、地域に密着したサービスを促す。
  扱うローンは「JIO安心ローン」。提携金融機関は11行目になる。通常、施主は住宅を建てる際、着手金、中間金、残金と3回に分けて業者に支払う。住宅ローンでは建物が完成して初めて融資が実施されるため、完成前に一定の資金を用意する必要がある。安心ローンでは中間金の部分をつなぎ融資として受け取ることができるのが特徴だ。住宅の完成保証もつけ、施工業者が倒産しても建築を他社が引き継ぎ住宅を完成させる。
 
7.アイフルホーム、住宅融資でみずほ銀と提携
 
  住生活グループ傘下で住宅フランチャイズチェーン(FC)を展開するアイフルホームテクノロジー(東京・墨田、中村雅守社長)は、自社の戸建て住宅の施主向けに住宅ローン提供を拡充する。このほど、みずほ銀行と提携、同行の持つ全国ネットワークを生かした資金融資を実施し、住宅受注の拡大を目指す。  
  アイフルホームテクノロジーが提携する金融機関はみずほ銀で9行目だが、これまで地方銀行などが多かった。みずほ銀との提携ローンは「安住アシストローン」。
  住宅ローンは通常、建物が完成し、所有権が施主に移った段階で実行される。このため、建築途中で必要になる費用は別途調達する必要があった。アシストローンはこのような費用を賄うためのつなぎ資金も融資可能。返済負担も年収300万円の場合で年収の25%にとどめた。
 
8.ソニー銀行、住宅ローンの金利優遇キャンペーン
  
  ソニー銀行は8月10日、同行で取り扱う住宅ローンの標準金利から一律0.7%を引き下げる優遇キャンペーンを実施すると発表した。2−20年超の固定型と変動型のすべての住宅ローン商品で適用する。申込期限は11月末までで、来年3月末までのローン実行分に優遇金利を適用する。
  他の金融機関からの住宅ローンの借り換えの際にも金利優遇を受けられるようにする。ローンを完済するまで同行の標準金利から0.7%引き下げた金利が適用される。同行の8月の標準金利は3年固定の場合で年1.987%。

9.住宅大手6社が増収・2005年度第1四半期連結業績
  
  住宅大手8社の2005年度第1四半期連結業績が8月10日、出そろった。増収は6社でうち3社が2ケタ増になり、2社がわずかながら減収だった。住宅産業は季節変動要因が大きいが、出足は明暗が分かれた。  
  第1四半期で売上高が最も伸びたのは三井ホーム。前期に台風など自然災害で一部の注文住宅の完成がずれ込んだことが増収につながった。積水化学工業は「光熱費ゼロ住宅」に、パナホームは太陽光発電などを標準装備した省エネ住宅に注力した結果、販売単価が上昇した。大和ハウス工業は前下期から連結子会社化した大和工商リースの業績が寄与した。  
  売上高が落ちたのはミサワホームホールディングスと住友林業の2社。住友林業は木造ユニット住宅からの撤退に伴い子会社を清算したことが響いた。産業再生機構などの支援が決まったミサワホームホールディングスは前年同期と比べ減収幅が縮小した。
 
10.プレハブ住宅販売戸数、3年ぶりマイナス・昨年度
  
  プレハブ建築協会(東京・千代田、樋口武男会長)がまとめた2004年度の販売戸数は前年度比0.8%減の20万7,280戸となった。アパートやマンションなど共同建ての伸びが鈍化し、3年ぶりにマイナスとなった。  
  販売戸数を階層別にみると、一戸建ては前年度比2.7%減の8万209戸。共同建ては同0.4%増の12万7,071戸だった。共同建ては2003年度は6.9%増の12万6,509戸だったが、2004年度は「プレハブでマンションを建設するケースが減ってきた」(同協会)という。  
  2004年度の全着工新設住宅戸数に占めるプレハブ住宅販売戸数の割合は17.4%で、0.4ポイント低下した。同協会は昨年11月と今年5月に合わせて建設・住宅関連の189社にアンケートを実施、回答率は100%だった。
 
11.木造住宅の75%、耐震性に不安・木耐協が診断
  
  全国約850の工務店などで構成する日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協、東京・千代田、小野秀男理事長)は8月25日、耐震診断結果調査を発表した。2002年7月から2005年6月までの3年間で診断した約5万3,000件のうち75%が耐震性に不安があることが分かった。  
  診断結果では、「倒壊または大破壊の危険がある」という住宅が全体の53%(約2万8,000件)。「やや危険」が22%(約1万2,000件)を占めた。「安全」は6%(約3,200件)にとどまった。調査は1950年から2000年までに着工した木造在来工法の二階建て以下の住宅が対象。
 
12.大和ハウス工業、中高級住宅の主力商品を発売
  
  大和ハウス工業は8月10日、中高級住宅の主力商品の第一弾として「センテナリアン 健康百彩」を8月12日に発売すると発表した。健康、安全、快適、経済性の4テーマに沿って50項目の仕様などを提案。必要な部材や装備を百種類から自由に選び組み合わせられる。40−50代の建て替え需要を開拓し、初年度1,000棟の販売を目指す。
  例えば「人に優しい水を提供する仕様」では浄水器のほか、水道水からカルシウムやマグネシウムなどを除去する軟水器を導入できる。「建物に侵入しにくい仕様」では玄関のドアを静脈や指紋で見分けるシステムを採用できるといった具合だ。価格は3.3平方メートル当たり61万6,000円台から。北海道と沖縄を除く全国で販売する。
  
   
13.積水ハウス、住宅施工現場でごみゼロを達成
  
  積水ハウスは7月末までに、新築住宅の施工現場すべてでゼロエミッション(ごみゼロ)を達成した。あらかじめ加工した建材を持ち込むなど工法の工夫や、施工時に発生した廃棄物の再資源化で実現した。同社は2006年1月期末までのごみゼロを目標にしていたが、これを半年前倒しで達成した。  
  新築工事現場で発生する廃棄物は27種類に分別し、全国61カ所の物流拠点を経て、15カ所あるリサイクル施設に搬送。60種類に再分類して再生資材に加工する。
  積水ハウスは2002年5月までに国内6工場でごみゼロを達成。2004年9月には廃棄物の収集・運搬に必要な広域認定を環境省から取得するなど体制を整えていた。

  
   
14.積水ハウスなど、住宅のCADデータから 3次元画像を作成するシステム 
  
  
  積水ハウス、日本ユニシス、日本ユニシス・エクセリューションズ(東京・新宿)の3社は8月23日、住宅のCAD(コンピューターによる設計)データを使って即座に3次元画像を作成できるシステムを開発したと発表した。積水ハウスの事業所で、顧客への提案活動に利用する。  
  積水ハウスがすでに利用しているCADのシステムからデータを新システムに読み込むことで、写真に近い質感のある住宅の内部や外部の様子を3次元で表現できる。実際に住宅の内部を歩いているかのように、視点を変えながら様々な部分を見ることができる。ドアを開閉させたり、季節感を表現したりすることも可能だ。
  営業員など技術に詳しくない人員でも、事業所で即座に作成できるようにした。従来は3次元画像業者に依頼していたため、作成までに3日間必要だった。
  
   
15.ミサワホーム、耐震リフォーム事業を10月から開始
  
  
  ミサワホームは8月30日、一般の木造戸建て住宅に制震装置を搭載するリフォーム事業を住宅業界で初めて10月から始めると発表した。建物の耐震診断に基づき、柱やハリが一定の揺れに耐えるよう補強したうえで、揺れを抑える制震装置を取り付ける。相次ぐ地震で耐震・制震リフォームに関心が高まっており、新たな事業の柱に育てる。
  住友ゴム工業子会社のSRIハイブリッド(神戸市)と制震装置「MGEO(エムジオ)―R」を共同開発した。エムジオは独自工法の自社施工住宅だけに採用していたが、一般住宅向けに改良した。リフォームを手掛ける全国で23のミサワホームイング各社が営業・施工を担当する。
  
   
16.エヌ・シー・エヌ、木造3階建て共同住宅を拡販
  
  
  住宅部材供給のエヌ・シー・エヌ(NCN、東京・港、杉山恒夫社長)は木造3階建て共同住宅を拡販する。準防火地域でも建築可能な「α―SE構法」の普及を進める。鉄筋コンクリート(RC)や鉄骨造りに比べ木造は償却期間が短い点などを武器に、登録施工店を通じて低層賃貸マンションの建築需要を取り込む。木造3階建て共同住宅市場で現行の2倍に当たる10%のシェア確保を目指す。
  登録施工店のフォレストホーム(大阪市、川原大社長)がこのほど、36戸の木造3階建て共同住宅「ブランヴェール」を大阪府東大阪市で完成させた。α―SE構法の採用でエントランス内部に、一般の木造建築物では不可能な12メートルの吹き抜けを設けた。建設面積は約1,690平方メートル。
  
   
17.ニュータウンの土地規制緩和へ・国交省、2006年にも
  
  
  国土交通省は高度成長期に開発されたニュータウンの土地利用規制を2006年にも緩和する方針だ。地区ごとに細かく定める建築面積規制や転売後の用途制限などを緩め、小売店や福祉施設など住宅以外の建物を造りやすくする。少子高齢化が極端に進み、住居の老朽化もあって人口が減っている。活気ある地域の復活を目指し、住みやすい街づくりを進める。  
  ニュータウンは1960年−70年代に官主導で計画的に開発された郊外の住宅地。大都市に通うサラリーマンのベッドタウンとして人気を集めたが、30−40年たち、入居者の大半が高齢者となり、小学校が余る一方で、高齢者向けの施設が不足。魅力が薄れ、空き家が急増し、一部では治安も悪化してきた。  
  国交省が検討に入ったのは、住居に特化した街づくり政策を転換すること。ニュータウン地区の規制を緩めることで、老朽化が進んだ住居の建て替えをきっかけに、オフィスや福祉施設、商業施設の進出を促す対策を進める。
  
   
18.三井ホーム、リフォーム需要開拓へ・法人向け営業強化
  
  
  三井ホームは住宅リフォーム事業拡大を目指し、法人向けの営業活動を強化する。リフォーム子会社内にこのほど法人営業チームを新設した。契約企業から従業員の増改築を受注するほか、組織化された顧客の紹介も受ける。契約法人数を年内に現在に比べて5割多い100社に引き上げる。
  子会社の三井ホームリモデリング(東京・新宿)がこのほど日本生命保険と契約を結んだ。近く保険加入者向けのリフォームセミナーを始める。首都圏を中心に年内に12回開く予定で、150−200人の参加を見込む。年明け以降は開催地域を広げる。法人経由の申し込みには特別割引制度も用意するという。
  同子会社は三越や伊勢丹などの百貨店、三井住友銀行や中央三井信託といった銀行を中心に、これまでも顧客の紹介を受けている。契約法人数は60社余りだが、専門組織を置いて拡大を急ぐ。法人経由の売上高は年間10億円程度で、契約件数の上積みで1−2年内に20億円規模に倍増させる計画。
  
   
19.三菱地所、首都圏で大規模戸建て分譲再開−14年ぶり
  
  
  三菱地所は首都圏での大規模戸建て分譲を14年ぶりに再開した。まず、千葉県船橋市で約130棟を開発、販売を開始した。首都圏での戸建ての大規模開発を担当する専門部署も設置した。東京都心部の地価が上昇している一方で、周辺地域では相対的に割安感が出てきたことから乗り出す。今後も同圏で年間百棟程度ずつを手がけていく考え。  
  大型分譲の再開第1弾案件は船橋市の東葉高速鉄道「船橋日大前」駅前で進む65ヘクタールの開発の一環。1棟当たりの平均敷地面積は約180平方メートルで販売価格は4,500万−5,500万円。東京・大手町まで電車で約36分の立地にあり、都心への通勤者需要を見込む。2008年の完成予定。住宅の設計では生活雑貨販売店「アフタヌーンティー」を展開するサザビーと手を組んだ。同社の提案したデザインを取り込んで大きな吹き抜けのあるリビングやウッドテラスなどを設けた。両社の共同開発は戸建てでは3例目になる。