住宅関連情報 平成17年12月号
 
1. 新設住宅着工、10月は9.1%増加・ 8年ぶり高水準
 
《平成17年10月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
115,822戸
  9.1%
持  ち  家
29,797戸
  △  1.1%
分 譲 住 宅
35,203戸
 11.0%
貸     家
49,880戸
     14.6%
 
 国土交通省が11月30日発表した10月の新設住宅着工戸数は、単月では約8年ぶりの高水準となる11万5,769戸だった。前年同月と比べ9.1%の増加。貸家が14.3%増、分譲住宅が11.1%増と好調だった。季節調整済みの年率換算値は129万2,000戸で、6カ月連続で120万戸を超えた。  
 総戸数は地域別で、首都・中部・近畿の3大都市圏に加え、その他地域もプラスだった。分譲住宅のうち、分譲マンションは6カ月連続のプラスとなる18.6%増。首都圏(12.7%増)や中部圏(41.6%増)が好調だった。11月中旬に発覚した耐震強度の偽装問題のマンション着工への影響について国交省は「プラスの要因ではない」としている。  
 持ち家は14カ月連続のマイナスとなる1.1%減だった。
 
2.2006年度の住宅着工戸数予測、0.3%減の122万戸・住宅不動産市場研究会
 
 住宅不動産市場研究会(代表=伊豆宏・明海大学名誉教授)がまとめた2006年度の新設住宅着工戸数予測によると、2005年度見込みに比べ0.3%減の122万戸になる見通しだ。持ち家の不振が続くうえに、これまで市場をけん引してきた分譲マンションの主な購入層である30代の人口の伸びが鈍るのが要因という。  
 貸家はほぼ横ばいの51万2,000戸。空き家率の上昇がマイナス要因になる一方、投資用ワンルームマンションの建設が依然続きそうだ。分譲戸建ては2005年度の減少見通しの反動で1.8%増の14万戸、分譲マンションは0.3%減の22万4,000戸。持ち家は2.6%減の33万2,000戸と予測している。2005年度見込みは前年度比2.6%増の122万4,000戸。貸家や分譲マンションが好調だった4−9月の傾向が続くと見ている。
 
3.建設受注総額、10月は0.7%増・日建連調べ
 
 日本建設業団体連合会(東京・中央)が11月28日発表した10月の建設受注総額は前年同月比0.7%増の8,515億円となった。このうち国内が同4.7%増の8,152億円、海外が45.3%減の363億円となり、全体としては微増となった。4−10月の受注総額は前年同期比2.2%増の7兆894億円。
 
4.固定資産税と都市計画税、来年度4,200億円減の見込みに
 
 土地や建物などにかかる固定資産税と都市計画税(ともに市町村税)の2006年度の税収が今年度より4,200億円減って約9兆5,300億円に落ち込むことが、総務省の試算でわかった。過去最大の減収幅だった2003年度の4,600億円減に次ぐ水準。大都市圏では地価下げ止まりもみられるが、市町村の税収増につながるまではまだ時間がかかりそうだ。  
 2006年度は、税額の算定根拠となる評価額を3年に一度見直す年。地方圏を中心に依然として地価下落が続いていることや、建築資材の価格低下で家屋の評価額が下がることが影響し、一部地域を除いて資産所有者が払う納税額、市町村に入る税収とも減少する公算が大きい。
 
5.6大都市で15年ぶり地価上昇・ 日本不動産研究所9月末調査
 
  財団法人の日本不動産研究所は11月21日、9月末時点で6大都市の地価が全用途平均で3月末に比べ0.4%上昇したと発表した。同研究所が半年ごとに実施する市街地価格指数調査によると、上昇は1990年9月末以来、15年ぶり。  
  9月末の指数は68.9(2000年3月末=100)。半年前に比べ上昇したが、1年前に比べると0.8%の下落だった。都市別の内訳は東京都区部と名古屋市、大阪市の3都市が上昇し、横浜市、京都市、神戸市が下落したという。  
  東京都区部は全用途平均の指数が87.4。3月末比だと2.1%の上昇で、前年比で2.9%高い。地価は2000年3月末の水準に比べ依然低いが、底入れ基調が鮮明になった。用途別ではオフィスを含む商業地が3月末比で1.9%高い83.3、住宅地が2.7%高い95.0、工業地が横ばいで72.5。
 
6.住友林業、戸建て構築材の国産材利用5割超に
 
  住友林業は主力戸建て商品の構造材で、国産材の比率を現在の4割から5割超に引き上げる。間伐材が主原料の集成材や壁材などを新たに開発した。国産材の割合を増やして国内の山林整備を促すことに役立つ商品として売り込む。京都議定書は適切に維持・管理された山林を国の二酸化炭素(CO2)削減目標に算入することを認めており、国産材の利用拡大が社会貢献にも役立つとしている。
  構造材は柱や梁(はり)、土台などに用いる。国産ヒノキの間伐材や短尺丸太を有効活用した構造用集成材「スーパー檜(ひのき)」、国産ヒノキ原料の構造用ムク乾燥材「ミズダス檜」、国産スギの壁用耐力面材「クロスパネル」の3種を開発した。独自仕様の既存部材「スーパーサイプレス」や「きづれパネル」などを改良した。
 
7.積水化学工業と積水ハウス、住宅部材の共同購入
 
  積水化学工業と積水ハウスは住宅設備機器などの共同購入を始めた。購入規模の拡大で調達コストを抑える。単独では購入量の少ない積水化学の側にメリットが大きいとみられ、同社だけで2006年度に数億円単位のコスト削減効果を目指す。  
  第1弾として戸建ての室内に設置する火災警報器を共同で買い付ける。2005年度下期中にもヒートポンプ式電気給湯器「エコキュート」など一部の電気設備に対象を広げる。積水化学の住宅部門は鋼材や樹脂価格の高騰を受け、通期で25億円のコスト上昇要因になるが、商品価格には転嫁しない方針。
 
8.三菱地所、注文住宅の子会社てこ入れ
  
  三菱地所は注文住宅事業を見直す。子会社の三菱地所ホーム(東京・港、鯉沼宏治社長)の営業地域を首都圏と大阪周辺に集約し、仙台と広島から撤退する。商品も高付加価値型に特化する。三菱地所ホームは希望退職で3割程度の従業員を削減。2007年3月期に6期ぶりの営業黒字計上を目指す。実現すれば三菱地所の主要子会社はすべて黒字転換する。
  仙台と広島は新規の受注獲得を中止する。工事中や引き渡し済みの物件のアフターサービスは継続する。仙台周辺で約2,000棟、広島周辺で約300棟の販売実績がある。これに伴い東京、大阪を含む全社で530人いる従業員のうち、150人の希望退職を募る。割増退職金やモデルハウスのリース解約などに伴う15億円の特別損失を今年度下期に計上する。
 
9.エスバイエル、設計の自由度を高めた戸建て住宅
  
  エス・バイ・エルは設計の自由度を高めた戸建て住宅を2006年1月2日に発売する。自社開発した耐震性の高い「HYT構法」を採用して、従来より広い吹き抜けをつくるなどができる。40−50代を中心に建て替え需要を開拓する。初年度で240棟の販売を目指す。  
  発売するのは「アステア」。採用するHYT構法は木造軸組みに木質接着パネルを組み合わせた建築方法。  
  柱と壁で支えるため耐震性が高く、設計自由度が高いという。外観は「新和風」など5種類をそろえた。
 
10.エスバイエル、野村系ファンドが筆頭株主に
  
  エス・バイ・エルが野村ホールディングスグループの投融資会社、ユニファイド・パートナーズ(東京・港)の傘下で立て直しを目指す。同社が95億円の第三者割当増資を引き受け、12月29日付でエス・バイ・エル株の40%を出資する筆頭株主となる。
  主力の戸建て住宅不振で今期は2期連続の最終赤字となる見通し。新たな資本注入で信用力の補完を目指すと同時に、ユニファイドが手がける不動産投資事業で取得した用地を使っての住宅地開発に生かす。
 
11.顧客の望む住宅プラン聞き、建築士・工務店がコンペ−北恵、コンサル会社と提携
  
  住宅用資材卸の北恵は、戸建て住宅建築のコンサルティングを手掛けるウィークエンドホームズ(東京・渋谷、森本剛民社長)と提携し、住宅建築を希望する顧客向けに建築士や施工工務店を紹介する。建築士による住宅プランのコンペを実施し、施主に対する選択肢を広げる。紹介業務を通じて取引先工務店の業容拡大を支援するとともに、自社の住宅資材の拡販を図る狙いもある。
  北恵の主要営業地域は近畿2府4県。同社は2003年2月から、取引先の中小工務店を対象にコスト削減方法などを指導する会員制組織「北恵ビルダーズ・ソリューション・システム(KBSS)」も運営している。現在KBSSには76社が入会しており、他の取引先を合わせ約3,000社を顧客に紹介することが可能。