住宅関連情報 平成16年8月号
 
1. 6月の新設住宅着工、7.4%減 ・2ヵ月ぶりマイナス
 
《平成16年6月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
 106,582戸
△ 7.4%
持  ち  家
36,168戸
 △11.8%
分 譲 住 宅
28,921戸
3.4%
貸     家
40,709戸
△10.5%
 
  国土交通省がまとめた6月の新設住宅着工戸数は前年同月比7.4%減の10万6,582戸と2カ月ぶりにマイナスとなった。分譲住宅は伸びたが持ち家、貸家が2ケタ台の減少率と大幅に落ち込んだ。ただ年率換算戸数(季節調整済み)は117万9,000戸とほぼ前年度並みで「水準は決して低くない」(建設調査統計課)としている。  
  分譲住宅は3.4%増と2カ月連続で増えた。マンションは4.8%増、一戸建ては2.2%増だったが、いずれも5月より増加率は小幅。持ち家は11.8%減、貸家は10.5%減で、「昨年6月は金利先高観などから駆け込み需要があり大幅に増えたため、その反動が出た面がある」(同)としている。1−6月の新設住宅着工戸数は前年同期比0.3%増の56万8,681戸。4−6月では3.7%減の30万1,649戸だった。
 
2.住宅公庫金利引き上げ、6年3カ月ぶり3%台
 
 住宅金融公庫は7月14日、当初10年間の貸出基準金利を年2.80%から3.0%に引き上げると発表した。長期金利の上昇を受けた措置で、3%台は1998年4月以来の6年3カ月ぶり。住宅公庫の基準金利は民間金融機関が住宅ローン金利を設定する際の指標の1つ。3%台に上昇したことで、今後の住宅需要に影響を及ぼす可能性も出てきた。
 基準金利は財政投融資資金の貸付金利と、証券化による公的支援住宅ローンの平均金利を参考に決まる。いずれも長期金利と連動しており、財投金利は7月上旬、証券化ローンは6月下旬の長期金利をそれぞれ反映している。長期金利は一時1.9%台半ばまで上昇したが、現在は1.7%台後半。国土交通省は「来月以降も基準金利が上昇し続けるとは限らない」としている。
 
3.住宅ローン、短期固定から長期固定へ −金利先高観映す
 
  長期金利の先高観を背景に、長期間金利が固定される住宅ローンの人気が高まってきた。これまでは金利が年1%程度と低い3年固定のローンが主力だったが、長期金利の上昇がはっきりしてきた6月ごろから期間10年以上のローンの申し込みが増え始め、短期と長期で取扱額が逆転した銀行もある。先行きの金利上昇リスクを避けようとする家計が増えているためで、各行は短期中心から見直しを迫られそうだ。
 10年固定ローンの金利は現在、年2−4%台。1%を切るケースが珍しくない3年固定などと比べて1カ月あたりの返済額が大きくなるため割高感があり、5月までは伸び悩んでいた。
 
4.三井住友銀、住宅ローン金利引き下げ
 

  三井住友銀行は7月29日、8月から適用する固定型の住宅ローン金利を発表した。固定期間が5年と10年の商品の金利を0.05%引き下げ、それぞれ年3.15%、4.05%とする。

 
5.みずほ銀、住宅ローンの営業を強化
 
  みずほ銀行が住宅ローン融資の営業体制を強化する。長期金利が1.8%台をつけるなど金利先高観が広がっており、一段の上昇を見込んでの住宅ローンの「駆け込み需要」が期待できるとみて攻勢をかける。8月から基準金利を引き下げるほか、審査にかかる時間も短縮して、即日回答できる割合を8割に高める。
  みずほ銀行の住宅ローン残高は約9兆円。UFJ銀行の7兆円、東京三菱銀行の5兆円を上回り、三井住友銀行と並ぶ国内トップクラスだ。ただ、他行が相次いで低利の長期固定金利ローンを投入するなど競争が激化し、足元の残高の伸びでは後れをとっている。販売体制を大幅に見直し、2007年3月までに残高を2割(1兆8,000億円)積み増す。
 
6.住宅リフォームに性能評価−質向上へ国交省
 
  国土交通省は需要が拡大している住宅リフォーム工事の質を高める対策に着手する。新築や中古住宅に限っていた国の住宅性能評価制度をリフォームにも広げ、第三者機関による検査体制を整備。工事に欠陥が見つかった場合、業者が負担する修復費用の一部を保証する基金の創設も検討する。消費者保護を重視するとともに、中古市場の活性化につなげる。  
  住宅リフォームの市場規模はおよそ5兆6,000億円(2002年)に上る。だが、欠陥工事も目立ち、利用者の不安が高まっていた。
  リフォームの性能評価制度は、工事が設計図通りに実施されているかどうか第三者が施工段階から検査する。具体的な検査項目や手法に関するガイドラインを策定する。来年の通常国会に住宅の品質確保促進法(品確法)改正案を提出する方向だ。
 
7.ミサワホーム、「蔵」付き都市型住宅
 
 ミサワホームは収納力を向上した都市型住宅「EDUCE KURA(エデュース・クラ)」を発売した。今年4月に発売した都市部向け住宅エデュースに、1階と2階フロアの間に高さ1.2メートル程度の収納フロアである"蔵"を付け足した。価格は3.3平方メートル当たり54万−85万円。
 蔵には大きな家具や季節ごとにしか使わない物品を収納できる。上下階の遮音効果も期待できる。蔵のみを取り付けるタイプのほか、納戸や小屋裏収納などとの組み合わせで収納別に4タイプを用意した。
 
8.パナホーム、都市部向け5階建て住宅
  
  パナホームは都市型住宅ソルビオスシリーズに5階建て住宅「ソルビオスNOA5」を追加、7月10日に発売する。敷地面積50平方メートルから建設可能。東京23区内など主に都市部の狭小地で、建て替えを検討する需要層に売り込む。価格は3.3平方メートル当たり70万円台から。  
  高層ビルなどで採用される重量鉄骨NSラーメン構造を採用。足場が不要な工法で、敷地境界から50センチメートルあれば施工できる。交通や強風による建物の揺れを従来の2−3倍の能力で制御する「AMD制振装置」やホームエレベーターを標準搭載とし、高層でも住み心地の良い環境を確保できる。
  1階に祖父母、2.3階に子世帯、4.5階に親世帯が居住する「3世帯同居」を提案。一部分を賃貸にするなど用途転換も容易なため、家族構成の変化にも柔軟に対応できる。5階建て住宅はこれまで、要望があれば個別の案件ごとに建築していた。初年度は同シリーズの4階建てと合わせ、100棟の売り上げを見込む。
 
9.野村ホーム、外断熱工法の自由設計住宅
  

  野村ホーム(横浜市)は外断熱工法による戸建て住宅「Duro(デューロ)」を発売した。シンプルなデザインで、30歳代の一次取得層を中心に売り込む。外断熱工法は壁の外側に断熱材をまわすため、断熱材が柱や梁(はり)に分断されず断熱効率が良い。
  自由設計で、外断熱工法の特色を生かし広い空間づくりができるのが特徴。モダンデザインの玄関ドア・建具や、ガラスを使用しデザイン性に優れたドイツ製洗面カウンターなど、若年層の感性に合致するような内装を標準装備とした。価格は3.3平方メートル当たり55万円から。初年度は300棟の販売を見込む。

 
10.エイ・ワン、低価格住宅を開発・販売
  
  住宅設計のエイ・ワン(茨城県玉造町、荒井一美社長)は500万円台で建てられる低価格住宅を開発した。間仕切りや廊下など生活に必ずしも必要のない部分を削ることでコストを低減。賃貸と比べた割安感を前面に今後3年間で県内100棟の販売を目指す。  
  名称は「進化する家 キュート」。外壁と屋根に、さびに強い表面処理鋼板を採用。内装には天然木材を使用した。シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒドが出ないという。
  基本型「タイプS135T」の延べ床面積は44.76平方メートル。リビング18.8畳に洗面所、キッチン、浴室、トイレがつく。555万円と従来の低価格住宅を大幅に下回る価格に設定した。(水戸)
 
11.ジャパンドームハウス、樹脂でドーム型住宅・建材として初認定
  
  住宅メーカーのジャパンドームハウス(石川県加賀市、北川勝幸社長)は発泡ポリスチレン(発泡スチロール)製のドーム型住宅を開発したと発表した。6月に国土交通相から構造材として認定を受けた。同社によると、発泡ポリスチレンが建築物の構造材として認められたのは、国内初という。
  ドームハウスは標準タイプで、直径7メートル、高さ3メートルの半球状。重量は900キログラムと軽く、10個程度の部材と接着剤を使い、1日で数棟の組み立てが可能。部材は工場で量産するため、価格も工事費別で257万2,500円と低く抑えた。
 
12.トヨタホーム、最長35年の固定金利型住宅ローン
  
  【名古屋】トヨタホームは7月15日、最長35年の全期間固定金利型住宅ローンを取り扱うと発表した。7月26日から申し込みを受け付ける。トヨタファイナンスを通じて提供している住宅ローン「新安心宣言」の新型商品。金利は3.5%前後となる見通し。トヨタファイナンスは住宅ローン債権を新生銀行に売却、新生銀行は債権を証券化し投資家に販売する。証券化で金利変動リスクは投資家が負うため3%台の低金利を実現できた。
 
13.積水ハウス、2階建て商品統合・賃貸住宅向け
  
  積水ハウスは7月21日、2階建ての賃貸住宅の主力商品を統合した新商品を発売すると発表した。7つに分かれていた商品を一つにまとめ、内外装部材を共通にする。建物の形態や外観デザインの組み合わせで、幅広い提案が可能。新商品は8月1日から沖縄を除く全国で発売し、月に700棟の販売を目指す。
  発売するのは軽量鉄骨造の2階建て賃貸住宅「ディアス」。3.3平方メートルあたりの販売価格は39万円。間取りなどは自由に設計できる。価格帯によって分かれていた7つの商品を統合した。建物形態は内階段や外廊下など4つの分類、外観のデザインはヨーロッパ調やモダン調など3種類から選択できる。多様な敷地条件や居住形態に対応できる。
 
  
14.積水ハウス、リフォーム強化へ女性を中途採用
  
 
 積水ハウスは住宅リフォーム事業の強化を狙って女性社員の中途採用を始める。25−50歳の家庭の主婦が主な対象。毎年100人程度を採用し、「リフォームアドバイザー」として営業現場に配置する。直前まで需要者側にいた女性社員の経験を生かし、拡大が続くリフォーム市場に食い込んでいくとともに、顧客満足の向上につなげる。
  まず関西で約20人を採用、10月に入社させる予定。顧客への企画提案、契約などを受け持つ。主婦でも働きやすいよう完全週休3日制とする。営業経験は不問だが、入社後リフォーム関連の研修を受講させる。採用当初は1年単位の契約社員とし、正社員に登用する道も設ける。
 
  
15.エス・バイ・エル、東京本部新設で営業強化
  
 
  エス・バイ・エルは首都圏での営業活動を強化する。今月、東京本部を新設し担当役員を常駐させたほか、今年度中に首都圏に1支店と2展示場を新たに開設する。需要が堅調な東日本での営業を強化することで、業績底上げを狙う。  
  開設した東京本部は首都圏に現在6カ所ある支店を管轄する。常駐の役員を置くことで、本社のある大阪から一定の権限を委譲し営業のスピードを上げる。新たに設置する支店の場所は未定だが、顧客が比較的広い敷地を保有する東京都の郊外地域、神奈川県、千葉県などが候補地となっているようだ。
  一方で、今年度中に不採算の広島支店(広島市)を閉鎖。同地域は代理店による販売に切り替える。20人程度の営業人員を首都圏での営業などに振り向ける考え。現在、支店の営業社員は全体で316人いるが、このうち東日本は130人。地域間での再配置などで全体の営業社員の人数は変更せずに、首都圏を増強する方針だ。
 
  
16.レボリューション、内装等級別に1住戸に3つの価格
  
 
  不動産販売のレボリューション(東京・千代田、川野浩社長)はこのほど、神奈川県厚木市で内装プランの等級により、1つの住戸が3種類の価格を持つ自社分譲マンションの販売を始めた。内装を固定、変更する場合はオプションで追加料金を払う一般的な販売手法と比べ、購買者の選択肢を広げやすい点を売りにする。初めての自社分譲物件に新販売手法を導入、確実な販売と自社の知名度の向上を目指す。
  このほど分譲を始めた「アトランティス本厚木」(総戸数57戸、地上9階建て)で新販売手法を始めた。キッチンやトイレ、壁材など内装を3つの等級から選べる。購入者は価格帯が高層階に比べ低めの低層階で内装を高級にしたり、高層階を選び内装費を抑えたりと工夫できる。真ん中の等級の価格・仕様が周辺の他社物件と同程度になるように設定した。
  価格は5階の4LDKの住戸で、2,962万円と3,058万円、3,266万円など。従来、住戸の標準価格は1つで内装を豪華にしたい場合は追加料金を払っていた。内装を標準設定より簡素にするのは難しかったという。

 
  
17.日本綜合地所、横浜で総戸数584戸を分譲
  
 
  日本綜合地所は8月上旬、横浜市で開発中の大規模マンション「レイディアントシティ横濱ル・グランブルー」(11棟、総戸数1,805戸)で新たに4棟、総戸数584戸の分譲を始める。同マンションは民間デベロッパーでは首都圏で最大規模の開発物件。
  新たに発売する4棟の街区は「ユーロヴィラ」の名称で、マロニエの並木などを設置、欧州の中世貴族の別邸の雰囲気を表現したという。4棟とも地上10階建て。間取りは3LDK−5LDKで住戸の専有面積は75−121平方メートル、販売価格は南向きで3LDKの住戸で2,800万円台からなど。
 
  
18.松下電工、改築に適した部材3点
  
 
  松下電工は8月2日、リフォームに適した住宅用の階段・手すり・玄関ドアの部材3点を8月10日に発売すると発表した。各製品ともそれぞれ1年後に月1億円の販売を目指している。
  玄関ドアの「ネオクラフトR リフォーム玄関ドア」は、ドア枠をそのまま残し、扉部分だけを取り換えることができる。扉は特注で枠に適したサイズを出荷するため現場施工が容易という。「リフォーム階段2」は、現在の階段の上に踏み板や側板を重ね張りする。階段に付ける手すりの「連続手すり ストロングバー」は金具の取り付け間隔が従来品より60センチメートル長い1.5メートル。住宅の柱があるところに金具を装着して支えるため、壁表面に取り付けるベース材が不要。希望小売価格は玄関ドアが18万3,000円から。階段は14段の直線タイプで約12万2,000円、手すりは14段の直線階段に設置した場合で約3万6,300円(いずれも工事費別)。