住宅関連情報 平成16年7月号
 
1. 5月の新設住宅着工戸数、前年比0.9%増 −分譲住宅が押し上げ
 
《平成16年5月期の新設住宅着工戸数》
利用関係別
戸    数
前年同月対比
総     数
 98,889戸
0.9%
持  ち  家
32,650戸
 △  1.6%
分 譲 住 宅
27,556戸
10.2%
貸     家
37,837戸
△  3.5%
 
  国土交通省が6月30日に発表した5月の新設住宅着工戸数は、前年同月比0.9%増の9万8,889戸で、2カ月ぶりに前年実績を上回った。持ち家、貸家はいずれも減少したが、分譲住宅が10.2%と大幅に伸び、全体を押し上げた。
  5月の着工戸数の季節調整済みの年率換算値は116万9,000戸で、4カ月連続で120万戸台を割った。内訳は持ち家が1.6%減の3万2,650戸、貸家は3.5%減の3万7,837戸といずれも2カ月連続で減少。分譲住宅は2万7,556戸で、マンションが9.9%増、一戸建てが12%増だった。
  3大都市圏別では近畿圏が6.9%増で、特に分譲マンションが50.6%と大きく伸びた。首都圏は2%減、中部圏は4.8%減だった。
 
2.住宅公庫、基準金利を2.8%に引き上げ
 
 住宅金融公庫は6月9日、当初10年間の貸出基準金利を年2.75%から2.8%に引き上げると発表した。11年目以降は3.45%から3.4%に引き下げる。6月11日から7月15日までの申し込み分に適用する。基準金利は証券化による公的支援住宅ローンの金利に合わせて毎月改定している。新ローンの金利は6月適用分で2.95%−4.15%で平均3.29%。
 
3.財投金利0.1%引き上げ
 
  財務省は6月7日、特殊法人などへ財政融資資金が貸し付ける際の金利(財投金利)の一部を0.1%引き上げると発表した。6月9日以降の貸し付けから適用する。住宅金融公庫のローン金利に影響する「元金均等償還・22年超23年以内」は年1.8%に据え置く。
 
4.大手行住宅ローン、金利上昇にらみ優遇商品
 

  大手銀行が住宅ローン事業を一段と強化している。東京三菱銀行やりそな銀行などはローン専用拠点を拡充、審査期間の短縮を進めているほか、長期金利の上昇などをにらみ金利優遇商品を投入する動きも相次いでいる。りそなグループを含む5大銀行の目標を合わせると残高は今年度中に3兆円超拡大する。だがシェア争奪競争は激化しており、今後は商品内容の優劣によって銀行間の格差が鮮明になりそうだ。
  大手行の前年度末の住宅ローン残高は5行合計で38兆円弱と前年度末比3兆円増えた。これは住宅金融公庫の業務縮小で公庫から民間へ融資が振り替わってきた影響が大きい。

 
5.公庫融資利用者の平均年齢が上昇 −マンション37歳に
 
  住宅金融公庫は6月11日、2003年度の公庫融資利用者に対する調査結果を発表した。新築住宅のローン利用者の平均年齢は、戸建て注文住宅で39.3歳と8年ぶりに上昇に転じた。マンション(37歳)は4年ぶり、戸建ての分譲住宅(36.5歳)も6年ぶりに上昇した。
  年齢別の割合では、20歳代と50歳代で前年度を下回り、団塊ジュニア世代の30歳代と、持ち家からの住み替えの割合が増えた60歳代で増加した。住み替えでは戸建て分譲住宅(10.6%)が6年連続で減少したが、戸建て注文住宅(22.3%)が10年ぶりに、マンション(8.4%)が2年ぶりに増えた。戸建て注文住宅の内訳をみると、60歳代が18%と前年度比2.5ポイント上昇。特に3大都市圏で伸びており、住宅公庫では「高齢者の都市回帰が進んだ」と分析している。
 
6.首都圏の60代「住み替え実施・検討中」が3割 −長谷工アーベスト調査
 
  長谷工アーベスト(東京・港)がこのほど60−69歳の首都圏居住者967人を対象に実施した「60代の住宅購入意識調査」では、住み替えをした、もしくは検討中との回答が28%を占めた。このうち約4割がマンションへの住み替えを希望していることもわかった。
  住み替えのきっかけとして「定年退職」や「子供の独立」などに伴う生活様式の変化、30−40歳代で購入した住宅が築20−30年となり「住まいの老朽化」が進んだことなどが理由にあがった。
 
7.定期借地権付住宅の供給、2003年は22%減
 
  定期借地権普及促進協議会(東京・新宿)が実施した「全国定期借地権付住宅の供給実績調査」では、2003年に供給された住宅は前年比22%減の3,817戸と3年連続して減少した。地価の下落と低金利で土地の取得が比較的容易となる地域が拡大、定期借地権付住宅の需要が減少したため。
  定期借地権付住宅の販売実績があったと思われる557社・団体を対象に調査した。供給された住宅の内訳は、一戸建て住宅が26%減の2,547戸、マンションが13%減の1,270戸だった。地域別にみると、首都圏での供給が5割以上減少した。都心でのマンションの増加や賃貸住宅供給が旺盛なことの影響とみられる。
 
8.家の新・増築、建築家1,500人から募集 −リブネットが開始
  
 中部電力子会社で建設コンサルティング業のリブネット(名古屋市、馬渕裕嘉志社長)は家の新・増築の設計案を全国の建築家、約1,500人からコンペ方式で募る新事業を6月開始する。建築デザイナーの設計による「デザイナーズ住宅」など顧客のデザイン志向が強まっている。初年度4億円強の売り上げを見込む。
 首都圏で建築コンサル業を手掛けるウィークエンドホームズ(東京・渋谷、森本剛社長)と業務提携。リブネット内に「ウィークエンドホームズ中部事業部」を設置し、フランチャイズ店を募集する。
 ウィークエンドホームズの建築家データベースに登録された建築家を対象にコンペを実施する。施工会社を決める際にも見積額のコンペを実施する。適正価格で施工できるうえ、建築主と施工会社との間に建築家など第三者が入ることで、品質管理チェックをより厳格にできるという。
  リブネットは中部電力の社内ベンチャー第一号として2000年に設立。昨年度の年商は約3億円。(名古屋)
 
9.アキュラホーム、13ヵ所目の展示場開設
  

  アキュラホーム(さいたま市)は埼玉県鳩ケ谷市に「川口展示場」を6月12日に開設する。住宅展示場は13カ所目となる。「シンプル&モダン」をテーマとし、若年層への売り込みを図る。川口に展示場を出店することで、埼玉県東部エリアで新規顧客を開拓する。
  川口展示場では外観のほかインテリアも現代風とし、20−30歳代の団塊ジュニア層を狙う。4月には宮原展示場(さいたま市)を新設、所沢展示場(所沢市)もリニューアルした。宮原では太陽光発電システムを搭載したオール電化住宅を、所沢では親子3世代が住める住宅を提案する。
  川口、宮原、所沢の3地域は交通の利便性が高く、若年の1次取得者層に人気がある。展示場を積極展開することで、受注増につなげる。

 
10.アキュラネット、次世代省エネ住宅
  
  全国の地域工務店約600社で構成するアキュラネット(事務局=アキュラホーム、さいたま市、宮沢俊哉社長)は、経済産業省が策定した「次世代省エネ住宅供給ビジネスモデル」に沿った次世代省エネ住宅「はるのSI」を7月に発売する。省エネ対応の住宅は一般に価格が高いとされる。新製品は996万円(敷地面積108平方メートルの場合)からと安価なのが特徴。  
  建物の構造躯体(くたい)と内装を分離し、好みに応じた間取りにできる。高気密高断熱工法により、冷暖房費を公庫義務基準に比べ半分に抑えた。東京に建設した延べ床面積121平方メートルの住宅の場合、30年間で120万円の削減につながるという。
  IHクッキングヒーターや外気熱を活用するヒートポンプ給湯器など「オール電化パック」や「太陽光発電システムパック」などの設備も別料金で付帯できる。
 
11.大和ハウス工業、都市部向け3階建て集合住宅
  
  大和ハウス工業は都市部の狭小地などに対応した3階建ての集合住宅を6月18日発売する。耐火構造のため防火規制の厳しい市街地でも建設可能。関東、中部、近畿地方で年300棟の発売を目指す。
  発売するのは「トレビナ」で、3.3平方メートルあたり販売価格は50万円台から。鉄骨軸組みパネル併用構造を採用、在来工法より1割程度コストを低減できるという。基本部品を小型化し敷地形状に応じた柔軟な設計が可能になった。狭小地にも対応できる。単身者向けの住戸を6室用意するタイプでは150平方メートルの敷地面積があれば建築できるという。耐火建築物のため消防用通路にあてる用地を駐車場や建物に利用できるため、敷地を有効活用できる。
 
12.積水化学、光熱費削減を徹底した都市型3階建て住宅
  
  積水化学工業住宅カンパニーは6月17日、光熱費削減を徹底した都市型3階建て住宅「デシオAE」を6月26日に発売すると発表した。従来に比べ高効率の「単結晶太陽光発電システム」を標準搭載し省エネ性を高めた。高さ1.8メートル程度の地下空間を設置できる。
  単結晶太陽光発電システムと、外気熱を活用するヒートポンプ給湯器「エコキュート」を組み合わせ光熱費を削減する。外壁には高耐久で軽量の「新タイル外壁」を採用し、外壁の補修や塗り替えなどメンテナンス費を削減できる。
 
13.グリーン・ハウジング、 外断熱を体感するモデルハウス
  
  住宅デベロッパーのグリーン・ハウジング(水戸市、庄司俊明社長)は外断熱・二重通気の新工法の戸建て住宅を普及させるため、体感型モデルハウスを導入した。1泊2日で家族に実際に住んでもらい、自然の通気による温度調節、湿度など住み心地の良さを体験してもらう。
  新工法は「ソーラーサーキットシステム」(SC)と呼び、鐘淵化学工業から技術提供を受けた。通常の外断熱では夏に室温が外気より上がりやすいが、床下と天井の小屋裏の2カ所に開閉通気口(ダンパー)を設けることで自然な通気ができるようにした。
  モデルハウスはJR常磐線の赤塚駅前(水戸市)に設置。木造2階建て、4LDKの延べ床面積は130平方メートル。予約すれば誰でも利用できベッドのシーツやタオルを完備する。小屋裏の構造を見学したり室内各所の温度や湿度を確認できる。施工費用の平均単価は3.3平方メートルあたり60万−65万円。(水戸)
 
  
14.ブライトホーム、ホームページに住宅性能のレポート
  
 
  INAXトステムグループで住宅フランチャイズを手掛けるブライトホーム(東京・江東)は、ホームページ上に住宅の性能について解説する「鉄人28号の住まいづくりレポート」を開設した。鉄人28号のキャラクターが登場し、例えば換気システムなど梅雨でも快適な住宅性能について説明する。
  今後は季節ごとにテーマを変えたレポートを展開する予定。
 
  
15.三井ホーム、住宅を60年にわたり定期点検
  
 
  三井ホームは築後60年間にわたって有料点検を実施するシステム「キープウェル」を7月から始める。屋根の板金や外壁の防水性など点検項目を設け、住宅を建ててから10年ごとに任意で実施する。10年目は無料。20年目以降は有料(1回5万円)となる。
  これまでは保証期間20年の中で最初の10年目だけ点検していた。今後は保証期間が過ぎた後も定期点検を実施、建物のメンテナンス費用削減に役立てる。
 
  
16.旭化成ホームズ、都市再開発事業を強化
  
 
 「へーベルハウス」など戸建て住宅を得意とする旭化成ホームズがマンション分譲事業を拡大する。集合住宅建て替えや密集住宅地の再開発に力を注ぐ。主力の住宅事業は今後大きな伸びは見込めない。5年後をめどにマンション開発など都市再開発事業の売り上げを前3月期の1.4倍の500億円程度に引き上げる。
  今春には同社初の大型再開発マンションのアトラスタワー小石川(東京・文京)が完成した。さらにJR日暮里駅前(荒川区)、上目黒(目黒区)、西新宿(新宿区)など都内5カ所で東京都や区が主導する開発プロジェクトに参画する。旭化成ホームズは高層複合ビルなどの建設を請け負う。
  日暮里駅前のプロジェクトでは参加組合員として設計手配や施工の発注業務などを担当、地上38階建てと40階建てのマンション2棟を建設する。住宅戸数は1棟当たり230−430戸。